五十三話
おなかすいた
王女の体調が回復したところで二人は路地裏を抜けて仲間と合流すべく道を戻ろうとする、しかしそれをさせまいと不逞の輩としか形容できない男達が二地を取り囲んでいた。
「お前たちは・・・」
「へへっ噂で聞いてたよりちっちゃくて可愛いんだな、オリオス国の王女様は」
「このロリ●ンめ」
ブーメラン。
「んまぁ身バレしてるようだしさ王女様の前だし名乗り位しろよ、無礼だろ?」
「おう失礼失礼。俺達は『スクレイパーズ』手早い話、反社会組織って奴だ」
「そいつは穏やかじゃないな、一応俺も警察のはしくれだから悪い人は捕まえなきゃいけないんだけど」
「へーきへーき直ぐにそんなこと考えられない状況になるから」
目的は身柄をさらって身代金の要求か、そう思ったがそんな事は中途半端な犯罪者がすることである。
「俺達の目的は青の帝国の崩壊、その為には何だってしてやる。だけどそこに折よく異国御姫様が来たってもんだ、その御姫様を掻っ攫って外交問題に張ってさせたらどおだ? その混乱に乗じて内部から帝国を破壊する、いいね、いいね」
「なにべらべら話してんだよ。お前みたいなやつ俺が上官だったら即解雇だわ」
「あ、話しちゃった。まあ良いよ」
会話もそこそこに男たちは武器を手にチタンを取り囲む。
「一応勧告しておこう。大人しく投降してくれれば身の安全は保障するよ?」
「ばーかお前ら如きに保証して貰えなくても俺一人いればこの人は安全なんだよ」
「おいおい10人対1人でもう勝った気か?」
「え? 俺みたいな下っ端に10人も裂いたの? スクレイパーズってそんなにビビりの集まりなんスか?」
1年ちょっとで煽りスキルが大分身についた、案の定挑発に乗った男達の一人がナイフを構えてかかって来た。好機なりとチタンは―――
「ナギサ様。ゴメン」
「ほへ・・・?」
ぐいっと引き寄せて御姫様だっこをして跳躍する、此処1年間のニシキ指導の地獄の様なトレーニングでチタンの脚力は格段に上がっていた男の頭部まで飛び上がり鋭い蹴りを繰り出し一撃で沈める。
「ちょろいちょろい」
「逃がさんよ」
残りの9人が一斉に襲いかかって来る。ナギサを降ろして上着の中に仕込んでおいた陣風を抜刀して迎撃する。
「大丈夫かチタン!」
「ご安心を、10人のチンピラなんて何もないのと同じです」
「なめんな小僧!」
「あらよっと」
トンファーを振り回して来た相手には刀を使うまでも無いと地からゴリ押しで飛びひざ蹴りをかまして倒した。武器に頼ってる相手は武器しか使わないから体術をおろそかにすると教わったが本当なんだなとチタンは感じていた。ナギサを肩腕に抱えていても楽な戦いである。
「雑魚しか揃ってねえな。5分たたず残り3人じゃねえか」
「まぁそう言ってやるな」
「あーあー重症だね、えげつない」
「あ、先輩、隊長」
「探すの苦労したぜ、見つけたらなんか乱闘してて隊長ビックリ」
「久しぶりに私も戦いたかったなぁ」
7人目の間接を極めて骨を破壊したところでニシキとランが居た。ナギサの身柄の安全を考えて二人に託して3人に立ち向かう。
「呆気ない幕引きだな」
「おい、小僧俺達が何の策略もなしにここまで来たと思うか?」
「え」
「喰らえぇっ!」
「あっ・・・」
何かの瓶を壁に投げつけると気化してガスが発生した。ソレを吸い込んだチタンは大きく体勢を崩してその場で派手にこけた。流石に催涙ガスの耐性はまだない。
「くっそぉ・・・大詰めで・・・!」
「がはは! 良い気味だな!」
と男は高笑いをかますが。
「いやまだ二人控えてるからね?」
「え」
「いやぁ毒ガス責めとか懐かしいわぁ若い頃は師匠に訓練の一環ってやらされたなぁ」
と、満面の笑みでニシキは3人を半殺しに近い状態にして場を収めた。
おなかすいた




