五十一話
このロリコンめ
王女を連れて外に来てみたは良いが実際何をするのかまではチタンは把握していなかった。人数は最小に抑える為にナギサにスライルの通訳をして貰い、護衛としてニシキ、ラン、チタンの面々で市場へやって来た。ランのコーディネートで一般的な少女に様変わりしたナギサは誰もが美少女と称賛するに値する姿形で会った、本人のコンプレックスと言う142センチの低身長でさえ可愛らしい雰囲気の演出に一役買っていた。
「ふむ、さすが青の帝国の市場、規模も活気も我が祖国と違う」
「そりゃそうでしょう、日に何万人何十万人と人や物が行き来してますからねぇ」
「食材一つをとっても遠洋漁法で摂られた珍しく生きの良い魚ばかりだ、先ほど見た商館でも呼称と思指しき袋が沢山積まれていた、凄まじいしか言えないな・・・」
今現在はチタンと漁業の盛んな西方の市場に来ていた、少し後ろでニシキ達が控えている、目立たないようにである。チタンは数え14歳の少女はその円らな瞳に何を映し感じ取っているのだろうか、自分も人狼と呼ばれていた頃にやって来てその繁栄ぶりに驚嘆した事を思い出していた、それももはや一年前なのだと少し関心した。するとナギサがチタンの服の袖を引っ張ってなにかを言いたげにしていた。
「ん? どうかしましたか?」
「アレ・・・もしかして・・・」
「え。うぉ!」
指さす方向に視線をやるとそこには目的を同じくして視察に来ている(かもしれない)ショウケイ王子の使節団が居た。ここで見つかればタダでは済まない。チタンは無我夢中で王女の手を取り隠れるのに適した場所は無いかと駆けだす。
「えっとラン先輩は・・・!」
雑踏の中からランを見つけ出して目配せする、予め何かあったらアイコンタクトを取るよう手外しておいた。何かを察したランはニシキへ報告に行くべく姿を消す、チタンは少し離れた場所にいたスライルにも声をかけた、顔がばれているので見つかると面倒であるのだが―――
『スライル? スライルか?』
「!?」
「まずい、見つかった!」
「あんなデカイ人が目立つなって言う方が無理があったな・・・とりあえず上手く言っといてと通訳お願いします」
「あぁ・・・」
2メートル越えの巨人を足止めにして王女と少年は走った、やがて少し奥まった路地に辿りついた。
「はぁはぁ・・・上手く巻けましたね」
「う・・・うむその様だな・・・はぁ、はぁ、疲れたな・・・」
「ほっ、少し休憩したら隊長と合流しましょう」
「はぁ、ぜぇ・・・そう・・・だな・・・ぜぇ・・・」
「(まぁ軍人の俺とじゃ体力差は火を見るより明らかだな・・・すぐには動けそうにないな・・・)」
最初はそう思っていた、だが10分たってもナギサの呼吸の乱れは止まらない、むしろ咳き込んで悪化する、苦しそうにする様子に流石にチタンも焦りを感じた。
「ちょ、大丈夫ですか!? かなり咳き込んでますけど!」
「ごほっ大丈、夫だ・・・けほっ、はぁはぁ・・・久しぶりに走っ、たら・・・ぐっ!」
胸を押さえてうずくまった王女は、脆く崩れるようにその場に倒れ込んだ。
ぺどフィリアと呼びたまえ




