四十八話
おおお
「うん、暇、暇だ、暇のベストオブザベスト」
「うるせえ。黙ってろ」
「そーは言っても・・・」
「これが俺らの仕事だ、耐えろ」
護衛一週間目、毎朝の日課であるナギサの勉強時間の護衛である。部屋の外で副隊長と戦闘員が仁王立ちしていた。毎日毎日四時間ごとの交代を繰り返してただ突っ立っているだけの毎日、しかも外出などのイベントは無く毎日同じ屋敷の中での日常を過ごしていた。
「あと十分で授業は終了・・・交代まではまだ一時間半・・・か」
「何時も思うけど、隊長や副隊長が現場に出てるあたりウチって人手不足なんだなって切実に思うわ」
「別に良いだろ、人材は十分に足りている、人手に関しては一人で十人分くらい働ける自信ならあるだろ?」
「んまぁ」
少数精鋭、聞こえはいいが七人だけで国賊と戦っている事自体は人数の上では大きく劣っていると言わざる終えない。一人一人の戦力が一騎当千、ニシキに関して言えば一個師団どころか災害と比喩されるレベルで強い。序列を付けるなら『B3』内で一番強いのはニシキ、二番目はフィアー、三番目でドグマとフールが競い合っている、四番目はランで最下位はチタンでチープはそもそも戦力外である。
「筋トレしたいな、腹筋でいいから」
「確かに、本業とは言えつらいな」
「他の連中って今どうしてんのかな」
「寝てんじゃね」
「さぁ・・・あ、終わった」
扉を開いて迎えに上がる、軽く伸びをしているナギサに話しかける。
「お疲れ様です、王女様」
「うむ・・・今日は中々捗ったな」
「次は御昼食ですね―――」
フィアーがナギサの相手をしている時にドグマはスライルを眺めていた、フールが苦戦したと聞いているが実際どのくらい強いのかと考えながら眺めていたら不意に目が合った、向こうも又敵意を含んだ視線を向けて来た、奇しくも思いを共有した両者に不穏な空気が流れる。ソレを察知した互いの上司は牽制に入る。
「こらっドグマ、何敵意むき出しにしてんだ」
「スライルも戦闘モードに入るな・・・おいっ! とまれ! 待って! ホント!」
「ちょ、ドグマお前っ落ちつけ! どうどう!」
上司を押しのけて歩みを進める両者はそれぞれの構えを取り利き手の拳を放つ、ぶつかり合い空気が痺れる。その衝撃で本棚が倒れた、目を丸くするナギサと呆れるフィアー、くっつけた拳を震わせ他の後にスライルとドグマは―――
「やるじゃねえか、浅黒」
『お前の様な巨人と拳を交えたのは初めてだ、良い力比べだった』
言葉は通じていない、が何かを理解したかのような面持ちで二人は満足げな表情で握手を交わした。その後ドグマとスライルは意気投合して言葉も通じないのにつるむようになった。
あああ




