二七話
はい
秘密警察の隊長ニシキ対北方騎馬民族連の盟主マースイのタイマンはニシキの謎の文書によって一応マースイが要求を受け入れるという形で決着した。やがてチタン達と合流したニシキとドグマは兵糧に火を放った味方の軍勢を連れて本陣へと帰還したのだった。帰還して、当然大将のレイに報告と言う形になる。
「ふーん、で会議の約束を取り付けて来たと・・・」
「はい、こちら側の強さは十分に見せつけましたので交渉は有利に進むかと」
「つまらねえな! おい! んな回りくどいしないでさっさと叩き潰してこいよ!」
などと一方的に七将レイに罵倒されているニシキを傍目に秘密警察のメンバーは今回の戦いでの功労者であるフールとドグマを中心に色々話し合っていた。話題はニシキとドグマの隠密行動についてだった。
「いやー久しぶりに隊長が戦ってるとこ見たけどやっぱスゴかった!」
「へえ。俺は見た事無いから分からないけれどそんな凄いんですか?」
チタンの質問にドグマは興奮気味に答える。
「凄いなんてもんじゃねえよ! ありゃもう鬼だわ! いやー! 何人も寄せ付けない強さってあんなのを言うんだろうなぁ!」
「いいなー私も見たかった」
「あー・・・なんか五十人倒した位で満足していた自分が恥ずかしい・・・」
ドグマの言葉にランとフールが食いつく。チタン主観では自分よりも遥かに格上の強者であるランとフールがニシキの強さを疑いもなく肯定している光景はチタンにニシキへの畏怖にも似たの念を植え付けた。
確かに帰還したばかりの件のニシキは普段の明るい雰囲気とは違い刃物の様な鋭い雰囲気をしていたがアレは戦いの中に身を置いていた戦士のオーラと言うやつなのだろうかと漠然と思う。話はまだ続く。
「多分結成前から一緒にいる副長が隊長との付き合い一番長い筈だけど、多分一回も本気見た事無いと思う・・・」
「マジですか・・・」
フィアーの一言のもはやチタンは疑う事をあきらめてただ相槌を打つしかなかった。
「すげえよ・・・ホント、敵のボスのマースイを子供扱い・・・俺も隊長みてえに強くなる為にまだまだ修行が必要だな」
「いやいや秘密警察でドグマが一番人間やめてるだろ」
「あ、そーだった」
ドグマとフールのやり取りに一同は笑いに包まれた。ソレと時を同じくしてニシキが戻って来た。散々に言われて少し疲れ気味だった。ランとドグマがニシキに近寄る。
「すみません隊長・・・姉にいびられてしまって・・・」
「あー大丈夫大丈夫、レイ将軍美人だから高官のジジイどもの説教されるよりずっと楽だった」
「お疲れさまっス隊長」
「お、ドグマ。今回はよく頑張ったな、褒めてつかわす」
「いやいや、隊長の為なら四、五十人は楽々倒してみせるっスよ!」
一連のやり取りを経て秘密警察『B3』の一行は、医療班として忙しく駆けまわっているチープを除いて全員集合したとして自分たちの陣へ引き上げて行った。
へい




