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監査官レオノーラと元黒柴フェンリルの婚約事情 〜すれ違い続けた二人が、想いを通わせるまでの話〜  作者: 柴門そら


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3/5

第3話 恋人繋ぎから始まる、腕輪の交換

後日談ミニ連載(全5話予定)です。

婚約しているのに、なぜか距離が縮まらない二人の物語。


手を繋ぐのが普通.....なの?


二人で顔を見合わせて、二人とも真っ赤になる。


「そそそそうだな、混んでるもんな。

はぐれたら、たたたた大変だもんな」


「そそそそ、そうね」


トーマスが呆れ顔で、


「なんだかお二人とも言葉が変になってしまってますが、

楽しんできてくださいね!」


とポクポクと馬を歩かせて馬車を移動させていった。



残された二人_____


ルシアンが、おずおずと肘を差し出し、エスコートのスタイルをとった。

そこから「ん?」と二人で考え込んで、


「街歩きに、商家の娘がエスコートされるってのも、なんか変か?」

「そうねぇ...」


「あっ、いいこと思い出した!

街歩きの時、エイミーがルドとこうするって言ってたわ。」


「えっと、ルシアン、手を出して。そうそう。

指と指を絡めて、こうしてこうして.....

できた!これだと外れにくいって、街歩きには便利だってエイミーが....」


ルシアンを見ると片手で顔を半分覆って、真っ赤な顔をしている。


これはいわゆる、「恋人繋ぎ」である。


レオノーラも、なんか、これは密着度が高いのでは?

と気づいてももう遅い。


二人でそのまま真っ赤になって歩き始めたのだった。



□□──────────────────□□




そこで、隠密が二人、こっそりと二人のデートを尾行していた。

いや、正式には護衛なのだが。


「ルド!見て見て!恋人繋ぎしてるわ。

ああ、レオノーラ様に、ルドとのデートをいつも惚気ておいてよかったわ!

惚気話をしながら、レオノーラ様に必要な情報をインプットしてるのよ。

さすが私。しごできだわ。」


「きみが優秀なのは僕が一番知ってるよ。

ねぇ、エイミー、あの二人って本当に大丈夫なのかな?

あんな奥手な人間が、イマドキいるのかって思うよね。」


「そうなのよ、ルシアンは、幼い頃から大賢者のヘンリック様のところで

修行、修行の毎日で、学園にも通わずに普通とは違う生活を送っていたし、

さらに言うと宰相一家は全員ど天然らしいし。


レオノーラ様は、まぁ、ああいう方だから.....」


「鈍くて、ど天然同士ってことだね」


「まぁ、そういうことになるわね」


「「先が思いやられる.....」」



□□──────────────────□□



「わぁ、本当にお祭りなのね。賑やかだわ」


大道芸人がジャグリングをしていたり、

子供が走り回っていたり


みんな楽しそうだ。


「本当に、この国が立ち直ってよかったわね」

「ああ、マルガレーテ様のおかげだろうな。」

「あの二人、本当にお似合いだわ。本当によかった」


ルシアンが急に黙り込んだ____


「ルシアン、どうしたの?」


「いや、なんでもない。そうだ、食べてみたいものはないか?

うちの国とちょっと料理のスパイスが違うからか、香りも違うよな?」


「そうね、やっぱりまずは串焼きじゃない?」

「ハハ、王女殿下とは思えないな。やはりレオノーラはレオノーラだな」


「女将さん、串焼き二つ!

一つは皿に盛ってフォークもつけてくれ」


「あいよ、おや、お兄さん、えらい別嬪さんを連れてるね!

よっしゃ、食べやすいように切っておくよ。」


近くの屋台で果実水も買って、

ベンチに座る。


「ハフハフ、あっつ、美味いな、これ。火傷するなよ。」

「あつっ、本当に、やっぱりソースのスパイスがちょっと違うわよね。」


「ああ、このスパイス買って帰りたいな。」

「どうやったらこの味を再現できるかしらね。」


その頃、影から見守る隠密二人。。。


「ちょっとー、色気も何もない会話してるわ、ルド。どう思う?」

「フフ、美味しそうだね。いいじゃないか。」

「いつも、監査の旅で街の大衆食堂で街の名物を食べ歩いていたから、

その時のノリよね。」


「あ、移動するようだよ」


二人は、今度雑貨や民芸品を売っている屋台に移動している。


「いらっしゃい、お二人さん。

お揃いの腕輪、買っていかないかい?

この国の人気のお守りだ。


お互いの髪や瞳の色の、揃いのデザインの腕輪を

恋人同士でつけるんだ。

そうすると、幸せな結婚ができるってお守りなのさ!」


「へぇ、綺麗な細工ね。繊細だわ。」


華奢なデザインなので小柄なレオノーラがつけても大丈夫そうだ。


「き、気に入ったのか?じゃあ、買おう。」


「え?本当に?」


「はいはい毎度あり!

お兄さんは青い腕輪、お姉さんは赤い腕輪だよ。デザインはこれがおすすめだ。

今すぐつけていくかい?」


「そうしよう」


「そうそう、ここで一つおまじないがあるんだよ。

これがいっとう大事なんだ。

お互いがお互いに腕輪をはめてあげるんだ。

隣の国では指輪らしいが、

こっちの国では、腕輪なんだよ。

さぁさ、どうぞ、どうぞ。」


周りには人だかりができていた。

二人とも周りからちょっと浮くような見た目なので目立っていたらしい。


「いよっ!お二人さん、お似合いだぜ!」

「なんだか素敵なカップルねぇ」

「私たちも腕輪、買わない?お揃いで。」


そんな声が聞こえてきた。

ものすごい注目を浴びながら、

お互いに腕輪をはめたのだった....


そしてギャラリーからは大きな拍手と

冷やかしの声がかけられる。


「超、恥ずかしい.....」

「だな.....」



□□──────────────────□□



その後はトーマスと合流し、

昼食のためのレストランに向かう。


郊外にある一軒家のレストランだ。

庭が綺麗で有名らしい。


裕福な庶民向けではあるが、庭園と佇まいが人気で、

お忍びで貴族も利用するらしい。


なんだかさっきの屋台で冷やかされたせいか、

落ち着かない気分になっていた。


なるほど人気なのがよくわかる。

コース料理もとてもおいしかった。

鴨のローストとか、

あと私の好物ばかりだった気がする。


何か話がある、聞きたいことがあるって言ったことを思い出し、


どうにも気持ちが落ち着かないのだ。


「レオノーラ、庭を散策しないか?

今は薔薇が見頃らしい。


この庭を見るためだけに、レストランを予約する人もいるらしいぞ。


もちろん、料理も美味しかったけどな。」


「そ、そうね。

じゃぁ、行きましょうか。」


と席を立って庭に向かったのだった。


レオノーラは、何かわからないけど、覚悟を決めなくてはいけない、

なぜかそんな気持ちになっていた。

ここまでお読みいただきありがとうございます!


少しずつ距離が変わり始めた二人を、もう少し見守っていただけたら嬉しいです。

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