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聖女騒動~聴取の音声記録と調査官の日記  作者: マツモト和磨


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調査官 アリウーラ教会 司教 ニクラウスの日記~ブロックバルド暦821年3月21日

 今日の聴取はいつも以上にサクサク進んだ。

 と言うか、私が何も言っていないうちからバスティア侯爵令嬢がそれはそれは生き生きと話してくれたおかげで私は殆ど声を出していなかったように思う


 バスティア侯爵令嬢が提出下さった日記には一連の出来事の詳細が事細やかに記入されていた

 さすが書記官殿の御令嬢でいらっしゃる


 日記にはサロンでお茶をしていたところにアリサ・フィール子爵令嬢が現れ泣きそうな顔で『助けてください』とバスティア侯爵令嬢に懇願した事や幾度かアリサ・フィール子爵令嬢に構うのを止める様に王太子殿下に忠告しに行くもすべて『嫉妬』をして『二人の仲を裂こうとしている』と攻め立てられまるで話にならない事、フィール子爵令嬢に嫌味を言ったり通りすがりにわざとぶつかったり私物を隠したりなどの嫌がらせを行ったバスティア侯爵令嬢にあこがれる一部の子女の暴走を止めるため1年の校舎から3年の校舎、果てはご令嬢方の屋敷にまで赴き説得し説明し心配をかけていることへの謝罪をして回ったことが書かれていた


 ところどころ、殿下への辛辣な愚痴が書かれていたりもしたが、恋い慕っているような描写は微塵も見受けられない

 しかも、日記を読む限り、バスティア侯爵令嬢とフィール子爵令嬢はこちらが考えている以上に親しそうである


 そう言えば、聴取の際もバスティア侯爵令嬢はフィール子爵令嬢の事を名前で呼んでいらした


 嘘の書けない日記帳の内容からしてフィール子爵令嬢への嫌がらせはバスティア侯爵令嬢によるものではないことが証明された


 明日は当事者であるアリサ・フィール子爵令嬢に話を聞く

 果たして彼女は『聖女』なのか?

 明日の聴取と『聖女』判定でアリサ・フィール子爵令嬢の運命が決まるといっても過言ではない


 しかし、今日改めて思った、御令嬢を怒らせてはいけない

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