『聖女』判定記録:アリサ・フィール子爵令嬢~3月22日 午前6時 教会内祭壇前
―朝早くにありがとうございます。本日は『聖女』判定を行っていただきます―
はい
―少々眠いかもしれませんが、頑張ってください―
いえ、こちらこそ、こんな朝早くからお手数をおかけしまして申し訳ございません
―謝罪は不要です。フィール子爵令嬢の所為ではないのですから―
それでも、わたくしがもう少し毅然と殿下達を拒否しておりましたらこんな騒ぎにはならなかったのですから…
―いえいえ、大丈夫ですよ。ところで、以前学園でお見かけした時にも思いましたがフィール子爵令嬢は所作が美しいですね―
お褒め頂き恐縮でございます。義祖父から厳しく躾けられましたので
―そうですか、素晴らしい義理祖父様でいらっしゃいますね …しかし… …―
どうかなさいましたか?
―ああ、申し訳ありません。あの卒業式以前にお会いしたことがある様な気がしたものですから…―
わたくしとですか?
―ええ、覚えはありませんか?―
いいえ、ありません
わたくしは、学園に通うまではフィール子爵領から出たことはありませんし、中央教会に訪れましたのも本日が初めてでございます
司教様がフィール領へいらしたことがおありか、わたくしが王都に来てからお祈りに伺っております貴族街外れの教会にいらしたことがなければ恐らく気のせいではないかと…
―そうですか、だったら気のせいですね。私は今回の調査で学園や王宮を訪れた以外は中央を出ることはありませんので。申し訳ありません、関係ない話を致しました―
いえ、お気になさらないでください
―では、ご説明致します。『聖女』判定作業は簡単です。まず、禊を行い、その後、お渡しします聖水をお飲みいただきます、そして聖書の『聖女』の頁を声に出して読んでいただいた後に祭壇上の女神アリウーラ像のお御足に触れていただくだけでございます―
承知いたしました
―『聖女』でいらした場合は光が降り注ぎます。違った場合は何も起こりません―
はい
―まずは禊を行っていただきますので、こちらへどうぞ―
はい




