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聖女騒動~聴取の音声記録と調査官の日記  作者: マツモト和磨


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聴取記録:インリエッタ・ドールディオン伯爵令嬢~3月24日 午前12時 王城内聴取室

―貴女がアリサ・フィール子爵令嬢に嫌がらせをするように命令したととある令嬢から伺いました―

そう、とある令嬢…

アビゲイル・ティティールですか?

それとも、マルリエーヌ・ベネジットかしら?

まさか、ハージェラ・リリック?

ララエル・ドージェンではありませんよね?


―そんなにたくさんの令嬢にあんなひどい命令を?―

何がひどいのですか?

ひどいのは卑しい身でありながら殿下達のお側に侍るあの女のほうでしょう

ましてや聖女を名乗るとか不敬にもほどがありますわ


―なぜそんなことを?―

何故?そんなの目障りだからに決まっているでしょう?

平民のくせに厚かましく生徒会の皆さまに媚びて、聖女を語って殿下のお隣を歩くなど私たち貴族を馬鹿にしているのと同じですもの


―ご自分が気に入らないのなら他の令嬢に命令してやらせるのではなくご自分で行えばよろしいのでは?―

動く駒があるのに、なぜ私が直接そんな事をしなきゃならないのです?


―寄子であるティティール子爵令嬢は分りますが、ほかの令嬢方は何故貴女の命令を?―

父の取引先の家の娘たちですわ

私の一存で取引を停止にすることだってできるってお話したら皆さん喜んで引き受けてくれました


―喜んでではないでしょう…ドールディオン伯爵令嬢、貴女が行ったことは脅迫です―

脅迫だなんて、そんな大袈裟な

強制はしておりません、お願いをしただけですわ

それに停止にすることが可能だと言っただけで停止するとは申しておりませんもの


―立場が上の者からそんな事を言われたら従わざるを得ないでしょうに…それを貴女も承知の上で彼女達にお願いなさったのでしょう?なんという卑怯な真似を…なんて、みにくい…―

醜いですって?この私が?

なんて失礼な人なの?


―ああ、すみません。ついうっかり心の声が…失礼を―

なっ、あなたっ


―貴女が嫌がらせするように命じたのは先ほどの4人の令嬢だけでいらっしゃいますか?―

チッ


―令嬢が舌打ちとかはしたのうございますよ。再度お伺いします。お願いをなさったのは4人の令嬢にだけでございますか?―

さぁ、何人だったかしら?覚えていないわ


―この件であなたは学園から何かしら処分を受けることになると思われますのでご覚悟ください―

教会にそんな権限はございませんでしょう?


―ええ、教会にはありません。ですが、この聴取の音声は学園に提出させていただきますのでこれを聞いた学園がしかるべき対応をなさるかと―

そ、そんなの学園に渡さなければよろしいでしょう?


―そういう訳にはいきません。今回の聴取は学園から教会が依頼を受けて行っておりますので―

我が家は毎年、教会に高額な寄付金を払っておりますのよ


―それとこれは別のお話です―

…わたし、どうなりますの?


―それは私には分かりかねます。学園からの沙汰をお待ちください―

そんな…

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