聴取記録:ベサニー・アンリエット辺境伯令嬢~3月24日 午後11時 王城内聴取室
―アビゲイル・ティティール子爵令嬢がインリエッタ・ドールディオン伯爵令嬢からアリサ・フィール子爵令嬢へ嫌がらせをするように命令されたことをご存じだと伺いました。本当ですか?―
その本当かって言うのはアビーが命令されたことのことですか?それともそれを知っているかってこと?
―どちらもです―
ええ、どちらも本当です。
私は、アビーが、アビゲイル・ティティール嬢がインリエッタ・ドールディオン嬢からアリサ・フィール嬢に嫌がらせをするように命令されているその場にいましたから
―ドールディオン伯爵令嬢は貴女がいる処でそんな命令を?―
机に突っ伏していたので寝ていると勘違いしたんじゃないかと
浅はかですよね、本当に寝ているのかどうかも確かめず、他人がいる前で平気でぺらぺらと
辺境伯家って、まぁ、色々あるじゃないですか
その上、我が父上はバカが付くくらい心配性で沢山魔道具を持たされているんですよ
その沢山持たされた魔道具の中にとある単語が聞こえたら勝手に録画するっていうモノがありまして
言った言わないの水掛け論になったりするから何かあったら証拠として提出できるようにっていう親心らしいんですが…
まぁ、それを常日頃、鞄に着けておりまして
で、その日も突っ伏していた机の上にそれがついた鞄を置いていたんです
―ということは、つまり…―
どうして、人を脅したりする様な令嬢の第一声って大体が『ちょっとよろしいかしら?貴女に少しお話があるの』なんでしょうね?
まぁ、そのおかげで録画バッチリだったんですけど
―その動画は今も?―
消していません
寮の部屋に置いてきた鞄に今もついてます
必要なら取って来ますけど?
―では、後で提出願います―
ええ、直ちにお持ちいたします




