聴取記録:アビゲイル・ティティール子爵令嬢~3月24日 午前10時 王城内聴取室
―あなたはどうしてフィール子爵令嬢に嫌がらせを?―
し、仕方がなかったのです
命令されて、それで…
―命令?それは何方から?―
言えません!!
すみません、罰なら受けます!
だから、どうか、これ以上は聞かないでください!
―わかりました、『誰か』という話は致しません、安心してください。貴方が行ったという嫌がらせはフィール子爵令嬢の私物を噴水に沈めたことと食堂で水をかけたことで間違いありませんか?―
はい
―他にはありませんか?―
常日頃から男性を誘惑しているという噂を流しました…
―すべてご自分の意思ではなかったということでよろしいでしょうか?―
はい…フィール嬢には申し訳ないことをしました
―あなた自身はフィール子爵令嬢への悪意はなかったと?―
悪意なんてありません
あんなに酷い事をしておいて、こんなことを言っても信じてもらえないと思いますが、私は彼女を好ましく思っています
子爵令嬢でありながらマナーも完ぺきで所作も美しく教養もあって、同じ子爵家の娘である私たちの憧れの令嬢です
―そうですか、そんな憧れの方に脅されて嫌がらせを…さぞかし辛かったことでしょうね―
はい…とても…とてもつらかったです
でも、言うことを聞かないとお父様のお仕事にも影響が…
ドールディオン嬢から父の仕事をたてに命じられたら言うことを聞かないわけには
ベサニーにはそんな馬鹿な命令聞かなくてもいいと言われたけどドールディオン家に眼をつけられては我が家なんて!
―そういえば、ティティール子爵家はドールディオン伯爵家の寄り子でしたね―
えっ、わたし、いま…
―大丈夫です。今回の発言でティティール子爵家がドールディオン伯爵家から害されることがない様に教会からも王家からもきちんと忠告させていただきます。そして、貴女もご家族も保護いたします。安心してください―
本当ですか?
―ええ、大丈夫ですよ。ですので、もう少し詳しいお話をお伺いできますか?―
ありがとうございます
ほんとうにありがとうございます




