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聖女騒動~聴取の音声記録と調査官の日記  作者: マツモト和磨


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調査官 アリウーラ教会 司教 ニクラウスの日記~ブロックバルド暦821年3月23日

『騎士は主に忠実であれ』という教えを本当に忠実に守っていることはいいことだとは思うがエルモア伯爵令息は少々融通が利かなすぎる様に思う。


 もともと無口な方のようだが、言葉も足りなすぎる

 婚約者であるメイリール伯爵令嬢が気に病んで酷い行いに出てしまったことも互いの話し合いが足りなかったせいだろう


 しかし、まさか、エルモア伯爵令息が『聖女』様に何の感情も抱いていなかったのは私も予想外のことだった


 流れていた噂では『平民上がりの子爵令嬢が『聖女』を語り殿下の側に侍り、生徒会の面々をも魅了し手玉に取っている』とのことだったが、蓋を開けてみればリノリー子爵令息は助けてくれたフィール子爵令嬢を『聖女』様として崇めていて、エルモア伯爵令息は無関心、フィール子爵令嬢は『聖女』を語って殿下達に言い寄り側に侍ったのではなく、寧ろ、王太子殿下のほうが彼女に言い寄り、彼女はその行動を迷惑に思い、殿下の婚約者であるバスティア侯爵令嬢に助けを求めていた


 つまり噂は所詮、噂であるということだ


 明日は、ようやく都合がついたサミュエル・コモンノルド公爵令息とメイリール伯爵令嬢の口から出てきたアビゲイル・ティティール子爵令嬢から話を聞く

 本来、嫌がらせについての調査は学園の仕事だが、教会の人間に対してのほうが生徒たちも話しやすいだろうということから、そのまま私が聴取する流れとなった…


 しかし、なぜわたしが?と思わなくもないが…


 まぁ、懺悔を聞くと思えば…

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