表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
25/44

第25話 見放された少年


人は生まれながらに強いわけではない。


傷が。


人を変えることがある。




 島津領を離れる道中。


---


 宗信の家族。


---


 清太。


---


 見張り兵。


---


 皆が静かに歩いていた。


---


 無事だった。


---


 誰一人欠けていない。


---


 だが。


---


 ハリーの頭からは。


---


 レオンの顔が離れなかった。


---


「先生」


---


 清太が聞く。


---


「レオンって何者なんですか」


---


 ハリーは少し考えた。


---


「分かりません」


---


「でも」


---


「一つだけ分かる」


---


 全員が見る。


---


「誰も信じていない」


---


 宗信の妻が息を飲む。


---


 確かにそうだった。


---


 レオンは。


---


 誰も信用していない。


---


 部下も。


---


 仲間も。


---


 家族も。


---


 誰も。


---


 一方その頃。


---


 島津陣営。


---


 レオンは一人で酒を飲んでいた。


---


 部屋には誰もいない。


---


 静かだった。


---


 窓の外には月。


---


 その光を見ながら。


---


 ふと。


---


 昔の記憶がよみがえる。


---


 幼い頃。


---


 痩せた少年だった。


---


 勉強しかできなかった。


---


 力もない。


---


 家柄もない。


---


 友もいない。


---


「役立たず」


---


「弱虫」


---


「お前には価値がない」


---


 何度も言われた。


---


 何度も。


---


 何度も。


---


 だから。


---


 勉強した。


---


 数字を覚えた。


---


 計算した。


---


 分析した。


---


 努力した。


---


 そして。


---


 気付いた。


---


「人は結果しか見ない」


---


 結果を出せば。


---


 褒める。


---


 結果を出さなければ。


---


 捨てる。


---


 それが現実だった。


---


 レオンは杯を置く。


---


「だから私は正しい」


---


 自分へ言い聞かせるように。


---


 静かに呟いた。


---


 その時だった。


---


 部下が飛び込んでくる。


---


「申し上げます!」


---


「宗信の家族が消えました!」


---


 沈黙。


---


 長い沈黙。


---


 だが。


---


 レオンは怒らなかった。


---


 笑った。


---


「やはり面白い」


---


 部下が困惑する。


---


「レオン様?」


---


「ハリー」


---


 その名を呟く。


---


「お前は」


---


「人を信じ過ぎる」


---


 月を見る。


---


 遠く。


---


 大友領の方角を。


---


「だから必ず失う」


---


 その目は冷たかった。


---


 だが。


---


 どこか寂しそうでもあった。


---


 一方その頃。


---


 ハリーは歩いていた。


---


 ふと。


---


 胸に違和感を覚える。


---


 未来視ではない。


---


 整体師としての感覚だった。


---


「レオン」


---


 小さく呟く。


---


「あなたも」


---


「1%の人間だったんですね」


---


 風が吹く。


---


 誰にも聞こえない言葉だった。


---




今回、

レオンの過去が少しだけ見えました。


強い人間ほど、

傷を隠していることがあります。


そして時に。


その傷が信念になります。


ハリーは人を信じる。


レオンは結果を信じる。


二人の対立は、

ますます深くなっていきます。


読んでいただきありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ