23話 俺×手助け=手が足りません。
イジメが始まっている今、俺はどうするべきなのか……
「それじゃ、誰がイジメの標的になってるんだ?」
「それは、真守くんの隣の席の上高 町子さんよ」
「上高さん……?」
上高は物静かで特にトラブルを起こすような人ではない印象だ。そんな人がイジメの標的になっているのか?
「全く話が見えてこない感じだね?」
「ま、まぁ……」
話が見えないのは当然だ。イジメが起こるにはあまりにも早すぎるし、まだ学校が始まって2週間だぞ?そんなのってありかよ……
白ヶ崎は少し声を落として続けた。
「千堂さんたちのグループが中心みたい。教科書を隠されたり、ロッカーにゴミを詰められたりしてるって……。今日も朝、机の上に『死ね』って紙が置かれてたらしいよ」
真守は小さく息を吐いた。
上高町子という名前は知ってるけど、ほとんど話したことがない。物静かで目立たない子だ。理由もなく狙われるなんて、理解できない。
白ヶ崎が急に顔を上げ、真守を睨んだ。
「……で、でも! あなたが変に首突っ込んで危ない目に遭ったら嫌だからね!」
突然のツン。
真守が「え?」と目を丸くすると、白ヶ崎の顔が耳まで真っ赤になった。
「さっき……この前の女の人が部屋から出てくるところ、見たんだけど……」
「ああ、真希ねぇのこと? 実の姉だよ。過保護でうざいけど」
「…………へ?」
白ヶ崎の目が点になった。
次の瞬間、彼女の顔が爆発的に赤くなる。
「じ、じ、実の……お姉さん……?」
「うん。なんで?」
「う、うるさい! 知らない! ばかばかばか!!」
白ヶ崎は両手で顔を覆い、ソファに突っ伏した。
肩が小刻みに震えている。
真守はようやくピンと来た。
「……もしかして、俺の姉を彼女だと勘違いしてた?」
「うるさいってば!! もう死にたい……」
声が完全に上ずっている。
(このギャップ……反則すぎるだろ)
真守は苦笑しながらも、頭の中で決意を固めた。
上高町子を放っておけない。まだいじめが本格化する前に、何とかして助けたい。
真守は白ヶ崎に向かって、はっきりと言った。
「白ヶ崎さん……協力してくれるか?上高さんを助ける作戦、実行しよう!」
白ヶ崎は顔を上げ、真守をじっと見つめた。
照れと心配が混じった表情で、結局小さく頷いた。
「……ばか。でも、危ないことしないでよね」




