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俺×恋=0になります。  作者: 光黒猫
第四章 俺×近くの存在=近すぎてわかりません。〜姉弟姉妹編〜
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132話 俺×作戦計画=まだ整理しきれてません。

昼の光が、部屋の中に差し込んでいた。


「……」


テーブルに向かい合って座る。


朝の軽い空気は、少しだけ落ち着いたものに変わっていた。


「で」


白ヶ崎が口を開く。


「どう動くの?」


「……」


言われて、少しだけ考える。


頭の中には、やるべきことがいくつも浮かんでいた。


けれど、順番が分からない。


「……まず」


ゆっくり、言葉を選ぶ。


「祇園先輩だな」


その名前を出した瞬間、空気がほんの少しだけ重くなる。


「……」


白ヶ崎は何も言わず、続きを待つ。


「なんで、あんなことしたのか」


視線を落とす。


「それと……あの人、言ってたんだよ」


——こんなことしたくなかった


「……」


その言葉が、引っかかっている。


ずっと。


「……やらされたのか、自分の意思だったのか……どっちにしても、理由があるはずだ」


「……」


白ヶ崎が小さく頷く。


「結城とも、繋がってそうだしね」


「……ああ」


被害者と加害者。


立場は違う。


でも——


「同じ何かに巻き込まれてる気がする」


「……うん」


その言葉には、迷いがなかった。


「じゃあ最初は祇園さんか」


「……だな」


「でも、どうやって会うの?」


「……」


そこで、一度止まる。


確かに。


簡単に会える相手じゃない。


「……会長に聞く」


少し考えてから、答える。


「多分、あの人なら何か知ってる」


「……それが一番早そう」


白ヶ崎が納得する。


「じゃあ明日だね」


「……ああ」


一つ、方向が決まる。それだけで、少しだけ頭の中が整理された。


「……」


ふと、時計を見る。


「……昼か」


「うん」


「……食材、買いに行くか」


冷蔵庫の惨状を思い出す。


「それがいいね」


白ヶ崎もすぐに立ち上がる。


「今日はちゃんとしたご飯食べたいし」


「昨日も食べただろ」


「コンビニはカウントしない」


「厳しいな」


軽く言い合いながら、準備をする。


「……」


部屋を出る。


外の空気は、少しだけ暖かくなっていた。昼の街は、夜とは違う表情をしている。


「……」


並んで歩く。


さっきの話の続き。頭の中では、ずっと整理が続いている。


「……」


祇園。


結城。


自分の記憶。


全部、繋がっている気がする。


「……」


でも、まだ見えない。その“中心”が。


「……」


スーパーに着き、自動ドアが開く。

冷たい空気が流れてくる。


「寒っ」


「言うほどでもないでしょ」


「いや冷房効きすぎだろ」


そんなやり取りをしながら、中に入る。


カゴを取る。


「とりあえず、何作る?」


「……簡単なのでいい」


「逃げた」


「うるせぇ」


野菜コーナーへ向かう。

適当に手に取る。


「これもうダメじゃない?」


「いやいけるだろ」


「いけない」


そんなやり取りをしながら、少しずつカゴが埋まっていく。


「……」


その時だった。


ふと、視界の端に動くものが見えた。


「……」


視線を向ける。


「……っ」


思わず、動きが止まる。


奥の通路。


そこにいたのは——


赤坂と、真希那だった。

二人で並んで、普通に買い物をしている。


「……」


心臓が、少しだけ跳ねる。


反射的に——


「……隠れ——」


ようとした瞬間、


「別に隠れなくていいでしょ」


白ヶ崎が、あっさり言う。


「……いや」


「堂々としてればいい」


迷いがない。


そのまま、普通に歩き出す。


「ちょっ……」


止める間もなく、進んでいく。


「……」


仕方なく、ついていく。


そのまま、二人の横を通り過ぎる形になる。


「……」


気づかれないわけがない。


「……」


案の定、視線がぶつかる。


赤坂と。


真希那と。


「……」


一瞬で、空気が凍る。


「……」


誰も、何も言わない。


ただ、視線だけが交差する。


真希那の目が——


「……」


怖い、普通に怖い。明らかに睨まれている。

しかも、朝の件もある。憎しみが倍増している。


「……」


でも、白ヶ崎は止まらない。


そのまま普通に歩く。何もなかったみたいに。


「……」


すれ違う。


一瞬の距離。


「……」


言葉は、出ない。


出せない。


「……」


そのまま、通り過ぎる。


何も起きなかったように。


けれど——


「……」


背中に、視線が刺さる。めちゃくちゃ刺さる。


「……」


少し離れてから、小さく息を吐く。


「……怖かったんだけど」


思わず言う。


「真希那の顔」


「そう?」


白ヶ崎は、あっさり。


「ちょっと面白かったけど」


「どこがだよ」


「表情分かりやすいし」


「余裕だな……」


「そっちが気にしすぎ」


軽く言われる。


「……」


確かに、そうかもしれない。


でも——


「……」


やっぱり、気まずいものは気まずい。


「……」


会計を済ませ、袋を持つ。

外に出たら昼の光が、少しだけ眩しい。


「……」


帰り道。


足は動いている。


でも、頭の中はまださっきの光景を引きずっていた。


「……」


真希那。


赤坂。


まだ、何も終わっていない。


「……」


でも。


「……まずは」


小さく呟く。


「祇園先輩だな」


「うん」


白ヶ崎が、隣で頷く。


「順番に、やってこ」


「……ああ」


全部一気には無理だ。

だから、一つずつ。


「……」


まずは、祇園。

会長に聞く。そこから、始める。


「……」


少しだけ、息を吐く。


「……やるか」


その言葉は、小さかったけど——確かに、前に進んでいた。

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