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Friendly Interrogation

「それで、永瀬の件を聞きたいんだよね?」


陽菜さんが私に確認してきた。


「はい、どんな事でも良いので、ご存知の事があれば...」


「そうだなぁ......私が永瀬の事で知ってる事といえば、高校に入ってからは よく学校をサボってたっていうのと、結構敵が多いヤツだったっていう事位かな。

私は別に嫌いって訳じゃ無かったんだけどさ...ねえ?」


陽菜さんがチームメイトの一人に声をかける。多分彼女もクラスメイトの一人なのだろう。


「うん。私は席が遠い事もあってか、あんまり関わった事は無いんだけど、席が近い水嶋さんと険悪なムードになったり、クラス委員の雪村さんを泣かせたりしてた事も結構あったよね」


「あー、うん、そうだった。永瀬って好き嫌いがハッキリしてるっていうか、思った事ズバズバ言っちゃうタイプだったからな......」


水嶋さんというのは、今日あった水嶋美玲さんの事だろう。


「あの...その水嶋さんと雪村さんってどんな方なんですか?」


「えっとね...水嶋は、永瀬と性格が結構似てるかも。まあ、永瀬と違って学校には毎日来てたけどね。

多分、お互い同族嫌悪みたいな部分もあったんじゃないかな」


確かに、悪い人っていう訳では決してないけど、結構ハッキリものを言うタイプっていう感じの人だったな、水嶋さん。


「で、雪村っていうのは、真面目な委員長って感じの女子。割りとどのクラスにもそういう子いるでしょ?」


まあ、確かに。

必ずしもって訳でもないけど。


「ああ、はい。私のクラスにもいますね、そういう人」


「だよね。それで雪村の場合、真面目過ぎてちょっと一部にウザがられてる所があるんだけど、その筆頭が永瀬ってわけ」


「なるほど......ところで水嶋さんと雪村さんが、どの辺に住んでるとかって分かったりします?」


水嶋さんは中・高層住宅街に住んでるっていうのは知ってるけど、水嶋さんから神崎さんの事を聞いた件については、水嶋さんに迷惑が掛かるかもしれないし、ここは伏せておいた方が良いだろう。


「水嶋とは特に親しい訳じゃないから全然知らないんだけど、委員長の方は私と同じで神月台に住んでるんじゃないかな。前に団地から出て来る所見たし。ああ、割りと近所じゃんって思ったんだよね」


「小中学校は学区が違うと思うんですけど、永瀬さんとはどういう経緯で知り合ったんですか?

陽菜さんが途中お引っ越しされたとか?」


「そうそう!実は高校に入る時に、親の都合で神月台に引っ越したんだ。

学校近いし、ラッキーって思ったよ」


陽菜さんが楽しそうに言う。


「そうだったんですね......永瀬さんのお友達って誰かいました?」


「友達ねぇ......」


陽菜さんが少し考える。


「友達ってほど親しい訳じゃないかもしれないけど、天音さんとは結構普通に話してたな。

...あ!天音さんっていうのはね、クラスのアイドルみたいな存在で、誰とでも仲良くなれちゃう様な子でさ。

永瀬も天音さんとは普通に会話してた気がする......っていうか、永瀬含めて、誰かが天音さんの悪口を言ってるのって聞いた事ないな」


人当たりが良いというのもあるのかもしれないが、恐らく人を惹き付けるカリスマ性の様なものを持った人なのかもしれない。


「そうなんですね......ところで、永瀬さんに幼馴染みの男性の方がいらっしゃるって聞いたんですけど、どういう方か分かりますか?」


「幼馴染み...ああ、多分斎藤の事かな。小学生の頃位までは遊んだりしてたみたいだけど、その時から永瀬のパシリみたいな感じのヤツだったな」


そういえば、そんな話だったな。

これは一瞬だけ容疑者になったっていう、永瀬さんの幼馴染みの事で間違いなさそう...


美月さんの方をちらっと見ると、こちらに気付いて頷いた。


やっぱり間違いないみたいだ。


ただ、自分から聞いといてなんだけど、斎藤さんのアリバイは確実らしいし、この情報は忘れて良いだろう。


「なるほど......永瀬さんはよく学校をサボるとの事でしたが、学校の先生方にも、やっぱり目をつけられてたり......?」


「うーん、最初の内は注意されてた事もあったんだけど、その内何も言われなくなってたかな。

先生も諦めたっていうか、別に問題を起こしたって訳じゃないなら、うちの学校って、生徒の自主性に任せるみたいなところ結構あるから」


「そうだったんですね......」


...これで聞きたい事は大体聞けたかな。


「今日はありがとうございました!」


私はお辞儀をしながら言った。


「ううん!お礼を言いたいのはこっちの方だよ!

...っていうか、そんなに大した事は話せなかったと思うんだけど」


「いえいえ、十分です!......皆さんは今からまた練習を?」


「うん、そうだね。あと30分位練習した後に帰ろうかなって思ってる。

あんまり遅くなると最近警察の人がうるさいからね。

学校の先生がこういう場所見回りに来ないとも限らないし」


時計を確認すると、午後7時近くになっていた。


「確かに!私も昔、よく注意されったっけ......でも、陽菜ちゃん達、危ないから帰り道は十分気を付けてね」


さらりと昔とか言い出したので、一瞬ヒヤッとしたが、美月さんが心から心配しているのが伝わったからなのか、そこはスルーして


「ありがとう!美月ちゃんもね!」


と陽菜さんは笑顔で答えていた。


み...美月ちゃん......


ちゃんづけで呼ばれた美月さんはというと、凄く嬉しそうだった。


私達は陽菜さん達と別れ、施設を出た。


はぁー、ゲームコーナー行ってみたかったな......

ただ、体力的にちょっと限界かも。


集中してたから分からなかったけど、今さら疲れがどっと押し寄せてきた......今日はゲームしながら寝落ちしそうだな......


お姉ちゃんと美月さんは全然余裕そうだ。

体力どうなってんの?


美月さんの車に乗り込み、車が走り出すと、振動の心地良さで うとうとし、私は そのまま眠りに落ちていった...

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