拘る
「やけに拘るの。まあ、お前がそれを言うか、じゃけどな」
「えっ?」
どういうこと?喉元まで出かかった声は発せられることはく、彼女は彼を見つめたまま押し黙った。
何故か、それは彼の核心に迫るようなことである気がして、少し怖かったのだ。
全く臆病だと高月渚は思った。
知りたいけれど、知りすぎるのが怖いような。
でもやっぱり核心に近づきたくてたまらない。
自分のことなのに、全く自分でもよくわからない、このもやもやした気持ち。
何だろう、これ。
すっかり項垂れてしまった彼女を見て、高遠忍は高月渚も妖怪の妻にはなりたくないのだと理解した。
彼女が自分のことで悩んでいるなど、彼は微塵も考えなかった。そんな発想すらなかった。
彼は力強く宣言した。
「心配いらない。高月渚。酒呑童子本体に爆弾は解除させる」
「何勝手な事言ってんの。させないもん」
「絶対にさせる」
「させないもん」
「させる」
「させない」
しばらくこのやり取りが続いた後、いい加減にしろとばかりに芙蓉が言った。
「そもそも、酒呑童子はこの話知らんというたな?」
「うん、知らないよ、今ご旅行中だし」
「どちらにせよ、嫁を貰うのは、主でなくて、酒呑童子よな?」
「そうだよ、酒呑童子と結婚して、僕たちのママになってもらうんだもん」
「なら、肝心の酒呑童子が、渚を気に入らんかったら、この話は無しよの?」
「気に入らないなんて、あるわけないもん。酒呑童子おっぱい大きい女の子大好きだもん」




