生まれて初めて
高月渚がようやく泣き止みベンチに腰を下ろすと、高遠忍も隣に腰を下ろした。
「高遠君、見えるんだ」
高月渚は熱に浮かされたようにそう言うと
「じゃあ、この子も見えるかな」と言って高月渚は制服のグレーのシャツのボタンを三つ目からポチポチと外しだし、勢いよく白いブラジャーをむき出しにして見せた。
ぷるんと音の出そうな豊満な胸が飛び出し、高遠忍は声にならない擬音を発し、固まってしまった。
感動と興奮のあまり鈍感になっている彼女は固まっている高遠忍に気づかず畳みかけるように直も続けた。
「あのね、ブラジャーの中にいるの、見て?」
そう言ってずいっと体を詰め、前かがみの姿勢になった。
彼は口は開けたが声には出せないようだった。
生まれて初めて自分に迫る圧倒的な重量感と質量感に、眩暈がするようだった。
彼は気恥ずかしさと、いたたまれなさに縋る様に視線を泳がせた。
だが見えたのは武士の夢という看板だけだった。
「ねえ、ちゃんと見て、中々ね、出てこようとしないの。左胸にね、張り付いてて」
「そ、・・・・・・そうなのか」
自分でも思いもつかなかった声が出た。
濁音で作られた潰れたような声だった。
「ね、見える?」
距離を更に詰められ、完全に彼は彼女を懐に入れてしまった。
もはや心臓を一突きだ。
もはや青い瞳は泳ぐことを許されず、彼の瞳は観念したように下へと向けられた。
はち切れそうなくらいパツパツに膨らみ、中身がしっかりと詰まった、ずっしりとした白い乳房に白鼠が張り付き、高遠忍を睨んでいた。




