3/8
No.3
No.4から不定期になります
「誰かに聞いてみるか」
草原の彼方に見える街へ歩き出そうとしたとき、肩にかけていたはずのカバンが無くなっていることに気づいた。
草をかきわけかきわけ探したが、ついにカバンが見つかることはなかった。また、下校中に乗っていた自転車もその姿を消していた。
チッ、と小さく俺は舌打ちをした。自転車はもちろん、教科書も買い直すと馬鹿にならないのだ。
「何ヵ月ぶんの小遣いが吹っ飛ぶのだろう」
頭の中で電卓を叩きながら俺は空を仰いだ。
太陽が西の空に傾きはじめていた。スマホの時計は3時を示していた。
「暗くなるまでに家に帰らないと」
気を取り直して、俺は草原の向こうに小さく見える街へと歩きはじめた。




