7.クエストクリアとPvP無双
前回のあらすじ
・MPを使わない魔法使い完成のお知らせ
・職業いっぱい就けるよ!やったね!
・取得スキル頭おかしいのしかなくね?
頭の悪いレベルアップを確認した俺はクエストの報告をしに司書さんの元へ向かった。一応これジョブクエストだったんだよね。濃密過ぎたので忘れかけたわ。まぁ忘れることないんだけどね、あはは。
「あの、クエストの報告をしに来たのですが」
「あっ!ゲシュム様!ご無事でしたか!よかった、あれから一度も図書館を退出していなかったので心配していましたよ」
「申し訳ないです、本を読むのに熱中してしまい。そういえばここって退館時間というものはないのですか?注意勧告がなかったものなので」
「あぁ、それですか。それはですね……」
司書さんの言う話では、異邦人_つまり俺らのようなプレイヤーがログアウトしてしまったりするため結構緩いみたいでそもそも、窃盗等の違反行為自体がこの図書館で行われると即時執行という特殊な魔法でできているらしい。
何その魔法、普通に見たいんだけど。ということで見れないかどうか司書さんに伺うと
「そればっかりはさすがに厳しいですね、宮廷魔術師の方々でさえ閲覧をお断りしているので」
「そうなんですね、無理言ってしまい申し訳ないです」
「いえ、気にしないでください。それで確か研究結果の報告ですよね?」
「はい、こちらになるのですが、このことは他言無用でお願いします」
「ええ、学者様の研究は本人の同意なく他人に教えるのは違反行為になりますので心得ております」
と、俺は研究結果とその成功判定のログを司書さんに見せた。
司書さんは読んでいくうちにどんどん青ざめていき、読み終えたかと思えば顔を上げため息をついた。
「………ゲシェム様、これは事実なんですよね?」
「え、ええ。事実です」
「……ふぅ、いいですか?ゲシェム様。この結果は魔法使いにとって革命というよりも根底を変えてしまうものです。おいそれと公開してしまうと【ヴィルホルン魔導帝国】があなたを捕まえに来てしまいます。私もこれは聞かなかったことにしておこうと思いますのでよろしくお願いします」
「あ、はい。その【ヴィルホルン魔導帝国】?でしたか。それはどういう国なのでしょうか?」
「えぇ、【ヴィルホルン魔導帝国】とは国名に名を恥じない魔法大国であり、国力もほかの国と引けを取らないほどの発達を遂げております。また、魔導兵器なるものが存在しており下手な国では簡単に壊滅させることができるようです。幸いなことはそこは巨大な島国で周辺は海に囲まれており、閉鎖的な国といわれております。まぁあそこの国は魔法の研究・解明をすることに熱中しているため、あまり外にはでないようです」
「へぇ、そんな国もあるんですね。………すみません、ここはなんという国なのでしょうか?」
「えっと、【アルトリウム王国】といいますが。もしかして知らなかったのですか?」
「……………あの、それでクエストはどうなりますか」
「あ、はい(話をそらしましたね)。文句なしに達成ですので、遅延室の利用権をお渡しします。これからも図書館をご利用してくださいね」
「はい、ありがとうございます」
《クエストクリア:報酬、遅延室の利用権の獲得・スキル:【観測】を取得しました》
【観測】スキル:【研究】にて一度でも成功していれば獲得できるスキル。一つの事象を観測・計測することができ演算の元となる。
ふむ、遅延室の利用権を獲得できたことは業績であるね。まぁ、司書さんの話によると魔導帝国は気を付けたほうがよさそうだね。
でスキル:【観測】はありていにいえばシュミレーションのことだね。どのような状況とかいろいろ設定することができ、ありとあらゆる演算を行うことができる。ってかこれ【研究】するときに欲しいかった奴じゃん!なんというか順序が違う気がする。
と、クエストが一通り終わってあることを思い出した。
「そういえば冒険者ライセンスを取りに行ったほうがいいのか」
図書館に訪れた時、ライセンスが一つの証明として利用されているためプレイヤーの全員が利用している。ゲシェムはまず最初に図書館にいってなんやかんやで今まで取りに行っていなかったのだ。
この際だから取りに行くか。
ということで来ましたよ、冒険者組合。
ここにいるほとんどのピンが青、つまりはプレイヤーを示している。まぁ、基本的に戦っているのがプレイヤーなのは当たり前なのか。
まぁ、とりあえずライセンス取るだけ取りましょ。
「すみません、ライセンスを取得したいのですが」
「おや、ようこそ冒険者組合へ。ライセンスの取得ですね。少々お待ちください」
特出してやることがなかった。というよりもこの世界でのスキルなどのステータス情報に関しては秘匿情報を高くしているため、書かれている情報は【名前・種族・ランク・討伐情報(クエスト状況による)】と簡易的なモノである。
あと、何をしようかと考えているとメッセージが届いた。宛先はもちろんカズからだ。
[今『ビリーブ』にいる。お前はどこにいる?]
と来ているので冒険者組合にいると連絡した。
その数分後、カズがやってきた。
「お、わざわざ悪いね。今大丈夫か?」
「はぁはぁ。あ、あぁ、パーティのメンツにはリア友が呼んでるからといって一度抜けてきた。で、一体何の用だ?恐らくだけどまた『あれ』になっちまったのか?」
「あぁ、なったんだけどな。それ以上にやばいことになった。あと、誰にも見られないPvPとかできないかちょっと調べたいことがある」
「あ?…………ちょうどここにいいところがある。ついてきてくれ」
「わかった」
というと、俺とカズは冒険者組合の地下へと下って行った。
そこは扉がたくさんあり、プレイヤーたちがそれぞれ部屋へはいって行ってる。
「おい、カズ、ここは一体どういう部屋なんだ?」
「ん?あぁ、ここはな【訓練室】という部屋でな。あらかじめ設定したものしか入ることができず、入った後は出るまで時間経過がないという空間で、完全模擬専用の部屋であるんだ。変動とかが全くないというのが難点ではあるが完全な秘匿性を確保できるため、秘密の訓練とかには向いているんだ」
「……なんか、このゲームって時間いじりすぎじゃね」
「まぁ、いいだろ。リアルタイムとかは有限なんだし」
「それもそうか」
ということで、【訓練室】へ入った。
「で、『過集中』の件はまだ……良くはないんだが、それよりやばいことって何なんだ」
「それより先にさ、カズのレベル教えてくれないか?」
「あ、うん。聞いて驚け!ついさっきLv21になったぞ!」
「あー、そっか。そうだよな、あれがおかしいっていうことだよな」
「ん?それってどういうことなんだ」
「あぁ、それはだな.................」
と、今までの俺の行動についてすべてを話した。それと一緒にステータスウィンドウを見せた。
「………………………言いたいことは滅茶苦茶あるんだが、とりあえず一言だけチートっていうレベルじゃねーぞ」
「あはは、だよね」
「まず、Lv50ってなんなんだよ!どうして【学者】がそんなレベル高くなるんだよ!」
「その原因は分かってる。【学者】のジョブスキルである【研究】の課題難度がSSSという頭おかしい難度を「大成功」判定でもらえる経験値が結構多かったんだ。そのうえ、お前に教えていた【祝福の卵】によりその獲得経験値が倍増したんだ」
「なるほどな。いや、理解したくないんだけどもな!その相乗効果でアリをあらゆるレベルが激増してしまったっていう落ちなのか。で、ジョブ欄の番号は?多分計算が正しければ第六職業まで選択できるようになるはずだろ?」
「あぁ、それは最大が5つなんだよ」
「おっけ、それはいい情報をもらったよ。じゃあ、こっちもアドバイスな。一度選択したジョブはLv20までは変更することができないが、変更した後は一度選択したジョブのレベルは維持されるんだ。お前ならすぐに色々変えられると思うが、複合職も同様の扱いがされるんだ」
「なるほどね、じゃあ知ってるのかわからんが派生職ってのはわかるか?」
「派生職?それは知らんな。一体どういうものなんだ?」
「じゃあ、たぶん上位職と同程度ではあるが選択していた下位職とは別系列の職業であるようなんだ。俺が選択可能な派生職では面白いやつがあるから、考えているものだよ」
「へぇ、それは確かに気になるな。俺の【侍】は剣士と斥候の複合職で作ったものだからな。第二職業、剣士から変えようかな」
「まぁ、職業と称号の件はこの際スルーしておかせてくれ。俺ももう疲れてんだ」
「職業に関してはあとで聞かせてくれ。で、スキルについてか。何が問題なんだ?」
「説明文は見てわかったし、どんな感じか体験しておきたいからな。お願いできるのもおまえしかおらんし、いいか?」
「俺は問題なんだが、空いている職業は選択しとかないのか?つけといたほうがいいんじゃないか?」
「いや、確かにつけておいたほうがいいと思うが一度やってみて何が足りないか考えようと思ってな」
「せうことね。なら相手してやるよ、スキルの公開をしなかったのはこれがやりたかったのか?」
「まぁね、知ってても対処できるのかわからんがまぁたのむよ」
「おうよ、じゃPvP申請送るぞ」
《player:カズからPvPの申請がきました。受けますか? Yes・No》
もちろんYesで、ウィンドウをクリックすると上空に「10」と数字が出てきて減少している。
するとカズは俺から距離を離れて叫んできた。
「このカウントが0になったら戦闘開始だ!その間に準備しとけよ!」
「おう、わかった」
とはいっても準備するものないんだけどね。
カズは長刀と短刀の二振り携えている。二刀流スキルを持っているって言ってたし、想定できる状態だね。
「3・2・1 START!」
と、開始直後カズは急接近してきた。
「先手必勝!」といって切りかかってくるが、俺は左に躱す。
「なっ、そんな早くよけれるかね?一応AGTは高いんだが」
「うーむ、なるほど」
これが【神読み】の効果の一部か。カズの動きが手に取るようにわかる。たとえAGTが高くてもそんなの関係ないんだね、動きが線になって見える分かなり処理能力がいるみたいだが【神速思考】で感覚が引き延ばされているからかじっくり読むことができる。
「じゃ、次は俺からだ。『土壁』」
「な?!『アースウォール』だと!?お前【学者】だろ!なんで魔法使えんだよ!しかも詠唱とかねーんかい!」
魔法陣を即展開し分断を試みる。【魔導陣】により頭に魔法陣を構築すれば描かなくても展開することができる。しかし、頭の中で構築するのもそこそこ時間がかかる。それなのになぜ即発動できる理由はまた【神速思考】による感覚の引き伸ばしによるものである。
「まぁ、後で説明してやるから『麻痺する炎槍』」
「うわ!あぶねぇ!そんな魔法はしらん!けど躱せば問題ないだろ!」
「まぁ、一発ならな。これはどうだ『麻痺する炎槍』×10」
【研究結果】で描いた独自の魔法である、麻痺性の炎の槍を10本ほど即時展開させてみた。
「っちぃ、躱しきれねぇ!がはっ!!なっ、麻痺状態だと!?そんな魔法しらんぞ!」
「まぁ、あと3秒ほどで解除されるから、その間に【蠹魚召喚】っと」
【蠹魚召喚】により現れたのは1匹の小魚だ。色は淡い青色だが形状がカジキのような形をしている。
「じゃ、貫け」
俺がそういうと蠹魚はカズに向かって一直進へ向かっていった。
だが、ぎりぎりのところで麻痺が解除され、カズは正面から蠹魚を切ろうとした。そのとき
ガキンッ!
と金属音が鳴ったと思えば、カズの長刀が壊れた。
と同時に蠹魚は消えた。どうやら一度でも貫けば消滅してしまうらしい。
しかし、カズはすぐに次の刀を出しているので、もう一度蠹魚を召喚しておいた。
カズは今度は躱し続けている。
「おいおい、マジか!この硬度はおかしいだろ、一応ストーンゴーレムなら一太刀できる刀なんだが!」
「へぇ。で、それって壊れたまんまになるの?何か悪いことしたみたいだな」
「いや!PvPは破壊された所持品はすべて元通りになるから問題は、ねぇ!けど、凹むけど、なっ!」
「で、どうするんだ?」
「こうするんだ、っよ!ふぅ、【心眼】。……【抜刀術:居合】!!」
と、今度は蠹魚の真横を切った。するとどうだ真っ二つに切れてしまったのだ。
ふむ、蠹魚は正面から突っ切ると貫くことが可能となる。だがそれ以外のところや恐らく魔法などの遠距離攻撃では簡単にやられてしまうようだ。牽制用には十分効果を果たしてくれそうだ。
と、考えているとカズを見失ってしまった。
「あ!どこ行きやがったあいつは!」
「……ここだよ!っと!」
後ろからカズの声が聞こえた。
後ろを振り向こうとするがあいつが切りかかるほうが早かった。
切った!とカズは思ってしまったが、ゲシェムには届かなかった。
「『絶対的防御壁』、およ?砕けちまった」
「なっ、そんなこともできんのかよ」
攻守ともにバグレベルで対応していて、ほとんど勝ち目がないと考えているカズ。
だが、ゲシェムが考えていることはまた別であった。
こういう魔法は原理がしっかりしていないから不完全な状態で発動してしまうのか。なら使い捨て魔法だな。あとは近接攻撃の対策はこれだけだと集団戦闘には弱いな、そこら辺を考えておこう。
「よし、あらかた検証は終えたからこれで終わらせとこう」
「おいおい、そんなこと言うなってもうちっとやれせてもらうぜ!!」
「まぁ好きにしてくれ、これが防げるんだったらな。【蠹魚召喚】、ついでに『幻影』」
ゲシェムの周りに数千をも超える蠹魚が現れた。
「おいおいおいおい!そんなのないぜ…………」
「まぁ、一部幻影だからがんばれ。貫け!」
カズはこの攻撃に耐えきることができるのだろうか!
《戦闘終了!勝者:ゲシェム!》
《You Win!!》
結果はもちろん惨敗。
あんな数の暴力の対処なんぞできることなく、見るも無残な形で終わってしまった。
「あぁー、まけちまったぁ!二か月ぐらいの差があったのに二週間ぐらいで負けるとかどんなだよ~」
カズはショックを受けたもののそこまで悔しそうではなかった。
「まぁ、これはいくつかの偶然が重なってできてしまった惨状だし。しゃあないでしょ?」
「いやお前の原因でもあるからな!?」
と、この後カズはゲシェムにスキルについて追及していった。
今話のまとめ
・遅延室の利用権の獲得(皆覚えてた?)
・ようやく冒険者ライセンスを取得
・職業はLv20から転職可能で転職したとき元の職業のレベルは保存される
・近接戦闘がよわいなー(棒)
チート系にするつもりではあんましないんで、あとあといろいろやっていきたいっす。




