5.5阿鼻叫喚の運営
今回は4,5話の様子を見ていた運営の悲鳴を記録したものです
時は変わってゲシェムが15日ほどずっと本を読んでいた時、運営では驚愕と叫喚の渦に苛まれている。
「しゅ、主任!か、彼がようやくログアウトしました!」
「よ、ようやくかね。いやぁ心配していたが無事であったのは良かったよ」
「し、しかし彼が偶然獲得してしまったスキルに神級スキルがあります!!」
「なっ!こんなにも早く取得してしまったのか!?兼子!何のスキルだ!?」
「は、はい!………No.009【神読み】です!」
【神読み】、確か戦闘系最上級職のごく一部が取得する挑戦権を獲得できる。という取得に何十工程も点在しており、必ずしも獲得できるとも限らないという取得難易度SSS級の先読み系神級スキルである。
「だが、この神級スキルは取得難易度はSSSだったはず。一体なぜ獲得しているんだ?ログを確認してくれ」
「そういうと思ってすでに調べています。ゲシェム君は【学者】で習得した【速読】が最大値まで上がったことで取得されたようです」
「おい、マテ……。佐々木、もしかして『あれ』なのかあのルートで獲得してしまったとでも言わないよナ?」
「………ええ、そうです。我々がテキトーに考えた『悪ふざけ』ルートです」
そう、こういった神級スキルのほとんどに通常のルートとは別に我々、運営がまぁ同程度だと考えた裏ルート神のいたずらルートというものを存在させている。
【神読み】には【速読LvMax】にしていることと第一職業が【学者】であるということが条件になっている。
そもそも、OFWは戦闘系や生産系のジョブを選択するものが多く、ましてや【学者】なんというよくわからない職業に就く者がいるはずがないと推察していたため、そういった設定を施していた。
「す、すみません。自分が考えたばっかりに当分とるはずのないスキルを取得させてしまうことになってしまい」
「いや、こればかりは仕方がない。人の数だけ遊び方が変わる、これがOFWの醍醐味であろう。その点、【学者】を選択した彼はおもしろい結果を生み出したものだ」
「主任、この原因は恐らくというより十中八九管理AIのアルファの助言が原因だと思われますが」
「そこは気にしていない。むしろ私たちにこういった面白い結果を生み出してくれたのだ。感謝するべきであろう」
「でたよ、主任の遊び癖」
「こっちの処置とかも考えてほしいものなんだが」
「それもそうだな、ゲシェム君のせいで交代制ではあったがずっと見張っていたからな。目が疲れちまったよ」
この主任、藤井主任の悪い癖である遊び癖は運営の苦労を無視して面白いものを見れるように動いている。それはこのOFWの世界においてかなり出てしまっている。
翌日、また彼の行動により運営が阿鼻叫喚の嵐となっていた。
「主任!またやられました」
「おっ、また彼かね?今度は何をしてくれたのかい?」
「はぁ、主任…………。今回、彼は【研究】を用いて魔法の一部を解明してしまいました」
「ほう、こちらが丹精込めてプログラムしたものがひとりの少年に解明したのか」
「おい、兼子。それマジで言ってんのか?確か【研究】は検証して成功しないとクリアしないだろ」
「秦野、それがマジで言ってんだよ。ご丁寧にレポート形式で例を表して独自の魔法すら開発している」
「「嘘だろ!?」」
主任含む、運営陣がそのレポートを読んでみると、確かに我々が考えプログラムした魔法陣について説明されている。さらにその全ての紋様を覚えているかの如く、全く新しい魔法を生み出していた。
「……これはもしかしたら我々より理解しているのか?」
「主任、これはそうとらえるしかありません。我々はどういったものとプログラムしたものとそれに合う紋様を決めて残りはすべてプログラムしただけなので紋様のすべてを理解しているわけではありません。ですが彼はその全てを理解しているようですね。更にその構築している紋様とその組み合わせだけでどの魔法なのかも理解できているみたいですね」
「マジかよ……。前回の件に関しては俺らの責任ではあったがこればっかしはプレイヤースキルのレベルだぞ!いったいどういうことなんだ?」
そこで誰かがこういった
「『完全記憶能力』と『過集中』。もしかしたら彼には二つの体質と症状を持っているのかもしれませんね」
「ふむ、たしかにそういうことなら彼の行動とこの【研究】結果になることを証明できたりするな」
「ですがどうしますか?この【研究】に見合った報酬をあたえるとしても生半可なものではほかの学者の【研究】報酬にも響いてきます!」
そう、最初のほうは運営の手で報酬を渡さないといけないがその傾向などを照らし合わせ、今後はAIがその全てを管理できるように育成していくため適当では許されないのだ。
しかし、まさか課題難度SSSの報酬を運営の手で考えなければならないといけないとは想定していなかったのだ。
「しかも、魔法関連ときたものだ。どうしようかね」
「……………確か、彼は魔法というよりは魔法陣についての解明をしていますので新しく【魔法陣】というのを与えてみるはどうでしょうか」
「…………うんありだね、それでやってみようか」
こうして、彼の報酬として【魔法陣】を新しく作るとしてまさかAIが改ざんし改良してくるとはこの時の運営陣がさらなる阿鼻叫喚を垂れるのはもうしばらくのことであった。
番外のまとめ
・ゲシェムの行動は運営の天敵であった
次回は本編です。




