59.PvN VSファウスト その2
前回のあらすじ
・PvNはPlayerVSNPCの略である
・このPvNはエウディア人とは模擬戦として認識されている
・VSファウストまだ続きます
ファウストによる近遠距離の攻撃を【神読み】を発動して回避に徹底してること約30秒が経過された。
たった30秒だと傍から見ればそう感じるだろうが、この弾幕の中【神読み】を発動しているとはいえぎりぎりで回避しているため、時間が長く感じてしまうのだ。
そのため体感的にはすでに3分以上は経過しているように感じている。
ここまで、相手の攻撃に対して回避鹿できていないがそれは相手も似たようなものでもある。
俺が【神読み】により回避を徹底しているためファウストは決定打どころか有効打すら与えることができない、一種の膠着状態になっている。
「いい加減!当た、ってくれま、せん、かね!」
「はっ!やな、こった!」
で、俺の状況の再説明になるが俺が攻撃に出れない理由は遠距離攻撃を行うアルカナを封じ込められ、近接に持ち込もうとしても『瞬歩』だかなんだかで距離を離しているため、うまいこと自分のペースを取ることができていない。
なので、これはちょっとした試しだ。
相手の攻撃をただ躱すのではなく。ある方向へ移動できるように【誘導】を若干混ぜつつ回避に専念していく。
うまいことできるのに多少なりとも時間を有してしまうのでこっちが一向に攻めれていないように見えてしまうが、俺もそう思う。
とさらに10秒が経過したところで
「よっしゃ!完成した!」
「なっっ、こ、これは!?」
地面に浮かび上がったのは一つの魔法陣。
俺が今まで回避行動をしていたのはこの魔法陣をファウストにばれないように描くためだ。
だが、魔力を多少なりとも流すことになるので通常ならファウストに簡単に気づかれてしまうだろう。
そこで俺は【誘導】を回避行動に注視させるように発動しながらこの魔法陣を描いていた。
「これならある程度距離が離れていたとしても喰らうことになるだろ!
7つの星の裁きを受けよ!『七星剣』!!」
と、俺らしくない詠唱を行うと空中に地上と同じような魔法陣が展開され、北斗七星のような星座が発生すると。その7つの点から雨のごとく巨大なレーザーが降り注いだ。
「くっ!これは厳し、いです、ね」
ファウストは降り注ぐレーザーを避けようとしているがなにせ範囲が広い。
多少なりともダメージが入る。
この魔法は【天体魔法】という【占星魔法】の攻撃に特化した魔法であり、今まで一度も使う機会がなかった魔法である。
俺の魔法は基本【魔導陣】を使えばMPを一切使うことなく魔法を使用することができるし、なによりノーモーションで魔法を行使することができるため【魔導陣】に頼ったほうが便利だったりするのだ。
だが【魔導陣】は今までの行動でかなり見せていたため、ファウストレベルであればタイミングを読むぐらいなら容易であるため躱すことできてしまう。
しかし【天体魔法】ならばどうだ。
そもそも見せていない魔法であり職業:【星占師】を選択しない限り取得することがない魔法。
しかも【星占師】は【学者】の派生職であるのだ。もしかすればペティが取得できた【巴導士】のように別ルートでの獲得可能な職業かもしれないが、それでも【天体魔法】まで習得するには時間がかかる。
次いで言えば、この世界なぜか特殊な魔法全般はほとんど蔵書として存在していないのだ。一子相伝とかそう言う類なのかもしれないが、現状【天体魔法】を知識として記憶することは難しいのだ。
まぁ何が言いたいかって言うと
「これで俺も攻撃ができるってもんだ!天流れる星と化せ『流星』!」
『流星』こいつは単なる加速する効果の魔法。単なる加速ではない。
「なっ!羽がないのに高速移動をしている!?」
「………む、ローブの装備スキルとは違う?」
そう、空中も難なく浮遊し高速移動することができるという魔法だ。
単純ではあるものの使い勝手はかなりいい。欠点を上げるとするならば『流星』発動時は常時MPを少しではあるものの消費されていくというところだろう。
まぁ【魔の権威】を持っている俺としては大した量ではないのでほんとに使い勝手がいい。
……今度から使っていこうかな【天体魔法】
そこから2,3分、戦闘の優位性は俺に向いてきた。手当たり次第に【天体魔法】をぶつけていき、ファウストのダメージを着実に減らしていく。
ファウストもなんとか躱してはいるものの、範囲がでかいのと『流星』によるかく乱で完全には躱すことができていない。
しかもこの【天体魔法】別に詠唱する必要がなかったりもする。確かに詠唱したほうが確実に発動するが【天体魔法】には別の手段で魔法を行使することができる。
それが【星結】を用いた詠唱手段である。
例えば『七星剣』では7枚のアルカナを北斗七星のように設置すれば魔法名のみの短縮詠唱で魔法を行使することができる。
そこへ『流星』を使えば一瞬にして魔法を構築することができる。
そうなれば【魔導陣】と似たようなもの。こっちのペースへと巻き込むことができたのだ。
だが、ファウストも馬鹿ではない。こちらの動きに合わせてくるようになった。
それも急速にだ。おそらくは【物真似師】が関係してくるのかもしれない。この職業が多分短い時間で俺の動きに合わせることができたのではないかと踏んでいたりする。でなくてはほんの数秒前までの動きとの落差の説明がつかないからだ。
俺の認識では相手の動きを真似るという意味の【物真似師】だと思っていたが、真似るということは相手の動きを完全に理解するということになる。それによっていち早い予測を行うことができるようになったのかもしれない。
「おいおい、俺が進めた職業が俺にとってあだとなったか?」
「‥…そうですね、感謝の意味を込めてもう一つ。私の【物真似師】は上級職の【模倣師】へと昇華いたしましたのであしからず」
「…ほう、こりゃ厄介なことになっていくということか?」
「まあ、そうなりますか、ね! 天流れる星と化せ!『流星』」
「なっ!ちぃ!」
なんとファウストまでも『流星』を使い始めたのだ。
その後の戦闘は一進一退を繰り返し続けていった。
ファウストは俺の最初の攻撃から全ての攻撃ずっと視ていた。そのためなのか【天体魔法】を『流星』のみではあるものの使用している。
恐らくだが、長時間の発動目視が再現可能条件だと思う。魔法発動の原理や魔法陣の構築を完全に理解するなんて普通ならできないんだからこれしかないと思うんだよな。
しかし、それ以外の【天体魔法】は連発していなかったためなのか発動してくる気配がない。
やはり長時間の発動目視が模倣の最低条件だと思われる。
ここからは連発を控えないと相手の手札を無駄に増やしていくことになりそうだし、こっちのネタバレにもつながってしまうしな。
そんなことを考えていると距離を離れたファウストから意見が来た
「このままでは時間切れになってしまいそうです。そのような結末ではわたくし的には不完全燃焼ですのでここはどうでしょうか、この一撃で終わりにしませんか?」
「確かにな」
このPvNには冒険者組合の地下室の利用時間の都合上、制限時間が設定されているので残り時間もわずかとなっている。
このままだとダメージ量の判断上、俺の勝利が確定するがそんな勝利は楽しくない。
「じゃあその意見に同意して、ラスト一撃勝負しようか」
「ええ!行きますよ!」
と、ファウストが魔銃に禍々しい魔力を込め始めた。
恐らくは【悪魔魔法】を魔銃に込めているのだろうか、込めている魔力量を見ても相当の威力が込められているに違いない。
生半可な魔法では押し切られてしまうであろう。ただでさえかなりの攻撃力をもっている【悪魔魔法】がとてつもない量で収束され続けているのだ。
対応するとしたら【神聖魔法】もしくはあれ以上の威力を重視した魔法を斉射させる。または物量で攻めていくってのもある。
ただ『一撃』って指定がある以上物量作戦だとどうなんだろうか?あくまで『一撃』にこだわるなら………これしかないか。
俺は魔法を構築し始める。互いに一撃をもって勝負するといったためこの構築には思いっきり時間をかけても問題がない。
さてさてどうしたものか。
今話のまとめ
・【天体魔法】はアルカナを使用せずとも発動することのできる魔法ですがアルカナを触媒として利用すれば消費するMPは少なくなります
・【模倣師】は【物真似師】の上位種であり、主だった使用方法はファウストが行っているそれとほぼ同義です
・まだ続くことになってしまいますがお許しを(ここまで長くなるとは思わなかったBy煮もお)
最近更新頻度が遅くなりました。実生活に少しばかり変化があったというのと、もうすこしこのOFWの設定を凝っていくうちに本文の作成頻度がかなり落ちてしまいました。
今までのように毎日投稿は現状厳しいですが、なんとか週に3話ほど投稿ができるように体制を整えていきますので楽しみしている読者様、今しばらくお待ちしてください。




