60.PvN VSファウスト 終わり とその後
前回のあらすじ
・【天体魔法】はアルカナを使用せずとも発動することのできる魔法ですがアルカナを触媒として利用すれば消費するMPは少なくなります
・【模倣師】は【物真似師】の上位種であり、主だった使用方法はファウストが行っているそれとほぼ同義です
・まだ続くことになってしまいますがお許しを(ここまで長くなるとは思わなかったBy煮もお
最後の一撃のため互いに準備をすることおよそ1分程度経過した。
すでに俺の準備は整えている。それはファウストも同様で、魔銃に必要以上の魔力が込められているのを感じる。
もはや互いにタイミングを見定めているような状況だ。一発を外したほうが負けるというのが間違いないのだ。
だが、制限時間も設けられている以上このまま待機なんて論外。
決着はもうすぐそこなのだ。
そして、カウントが「10」になったところで互いが動いた。
「吼えろ!『カオスハウリング』!」
「終わりの慈悲を!『聖號終慈』!!」
互いに一撃を放つ。
ファウストから禍々しい一撃が渦をまくようにむかってきた。
一方こちらが放った魔法は【聖魔法】に位置するオリジナルで、威力と一撃だけを重視させた終の意味を成す魔法。これで負ければ俺の魔法はファウストレベルには通用しない。
この『聖號終慈』は俺にとって今後を左右するといっても過言ではない魔法だ。
白き光の光線と黒い波動、互いの一撃が衝突する。
あたりに散らばっていた小石などは吹き飛び、空気すら焼けるようなそんな感覚に陥ってしまう。
それほどこの魔法同士の衝突の影響が強いのだろう。
魔法同士の衝突が始まって均衡が未だに崩れず、ただただカウントが少なくなっていく。
このままカウントが「0」になって終わってしまうのかもしれない、俺はそう思ってしまうほど長い時間の感覚に苛まれていった。
しかし、ファウストが動いた。
その瞬間魔法の均衡が崩れ俺が放った『聖號終慈』がファウストが放った『カオスハウリング』を飲み込む。
だが、飲み込んだ跡にファウストの姿が見当たらない。
「すみません、ゲシェム殿チェックメイトです」
「っちぃ、最後の一撃で勝負って言ってたじゃねぇかよ」
「えぇ、ですがわたくしは仮にも悪魔ですので。ゲシェム殿、悪魔の口先に信用してはいけませんよ」
と、ファウストからの一撃。
魔法制御に集中していた俺は躱せるはずもなく、ファウスト渾身の一撃をもろに喰らってしまった。
そして
《戦闘終了! 勝者:ファウスト!》
こうして俺とファウストとの1時間も満たない、長い戦いが終わった。
全体を通して考えてもやはり相手に見せていない手札を切ったことで俺の優位性を保つことができた。だが【模倣師】をもつファウスト相手の長期戦はこちらにとって不利になってしまうことが浮き彫りになった。
あとは悪魔という種族の性質を見誤ったことが最大の敗因ともいえるな。
まさかあの本気のような魔法をブラフとして使ってくるとは思わなかった。
だが、あの攻撃の瞬間はとらえることができてはいた。しかし、『聖號終慈』という魔法制御に意識を持っていかれていたから躱すということができなかった。
これは今後の戦いにおいて反省しなければいけないと感じさせれれたな。
そう考えているとペティとファウストがやってきた。
「……お疲れ様。ごめんね、ファウストのあれはちょっと卑怯」
「いや、あれはあれでこっちも見直したいことができたからいい機会だったかもしれないよ」
「そう言っていただけるとこちらとしても罪悪感がうすれるのでたすかります。しかし、最後のあの魔法は正直喰らっていたら消滅させられていましたね。幸い今は『堕天悪魔』へ昇格しているため、重傷で済むとは思いますが……本能が回避一択と叫んでいましたよ」
「そいつは良かった。この魔法はかなりの魔法制御に力を注いだからな。正直あれだけでかなり疲れたってもんだ」
「……あれは私でも再現難しいかも」
そんな会話をしながら俺たちは地下室を出ていった。
そして冒険者組合入り口にて
「じゃあここでお別れだな」
「………ん、ゲシェムはこれからどうするの」
そういえば、ここまで特に目的を決めずに進めてきたからなぁ。突然やることがなくなると思いつかなくなるんだな。
「うーん、とりあえずはフィールドボスを倒していけるところを増やして‥……あとはまぁ観光でもしてみようかな?気ままたびとか楽しそうだしな」
「それはいいですね、それでしたらここから北のほうへ向かえば雪原地帯ですのでそちらに向かってはどうでしょう。一面銀世界ですので見ごたえはいいと思いますよ?」
「……私は中央にある大森林かな?すこし魔物のレベルが高いけど人はそんなにいないからのんびりとできるし森林浴とか気持ちがいいよ?」
なるほどな。ファウストが北で、ペティが中央か。
どちらも楽しそうではあるからなちょっと迷うな。………あっそういえば、
「そういえば、俺今から騎士の駐屯所ってところに向かうからその後決めることにするよ」
「……ん、わかった。じゃあまたどこかで会おうね」
「おう、またどこかでな」
「ゲシェム殿、今度は正々堂々と卑怯なしでお相手お願いします」
「それは俺が言うことだと思うんだがファウスト。……まぁその時はもうちっと強くなってくるさ、じゃあな」
そういうと、俺とペティ・ファウストとの臨時パーティは解散となった。
そして俺はナディアからの報酬をいただくために騎士がいる駐屯所へと向かうことにした。
「ここが騎士がいる駐屯所かぁ」
冒険者組合から5分ほど歩いたところに騎士の駐屯所を発見した。
というよりも、ここは『オルカン』の街の周りに設置されている防壁の傍にあるためほとんど外壁に沿って歩いていただけであった。
まぁ兎にも角にもナディアを呼ぶことにしよう。
俺は駐屯所の受付?のようなところへ行き
「すみません、ナディアさんはいらっしゃいませんか」
と尋ねた。
「えっと、ナディア下級騎士様のことでよろしいでしょうか?」
「はい、たぶんそうです。ゲシェムが報酬を受け取りに来たと伝えてくださればわかると思います」
「畏まりました、少々お待ちください」
と受付の方が走っていった。
その間に騎士たちの訓練の様子を見ていることにした。
どうやらここにいる騎士たちは上級騎士、下級騎士、見習騎士といった感じで位分けがされているみたいだ。
上級騎士が下級騎士を下級騎士が見習騎士の稽古をつけているようだ。
なんで俺がすぐに位わけに気づけたか。まぁ【鑑定】したってのもあるんだけど、そもそも装備が違っていた。
見習騎士はある程度の鎧をつけた軽装で上級騎士になるとこれぞ騎士というぐらいの重装備になっているからだ。
そして全体的に見てもここ『オルカン』の騎士の構成員の多くが見習騎士になっていて。上級騎士があまり見慣れないようである。
稽古の様子はほとんど語ることがない。しいて言うならば剣道の段取り稽古や型を見せる稽古のようなものと考えてほしい。
って誰目線の話なんだか。
そう考えていると奥から受付の方がやってきた。
「お待たせしました、奥の応対室でお話したいとのことですのでご同行お願いしてもよろしいでしょうか」
「ええ、今日は特に予定もありませんので構いませんよ」
と、俺は奥の応対室へと向かっていった。
今話のまとめ
・『聖號終慈』は【聖魔法】のなかで最も一撃の威力が強い独自の魔法です。その分制御が大変だったため【神読み】をもつゲシェムでも躱すことができませんでした
・ゲシェム初めての敗北を味わう(悪魔が言葉を守るとは考えないようにしましょう)
・今後は観光かな?それとも……?
前回話での【天体魔法】なのですが、某有名漫画の丸パクリとご指摘がありました。
申し訳ございません、私自身が【天体魔法】のイメージがその漫画である以上ある程度は寄せてしまうと考えていましたが指摘されるほどのものだとは思ってもいませんでした。
【天体魔法】はもう少し設定を練り直して改めて修正しますので59話に関しては後程修正を加えて投稿しなおします。ご指摘をくださった読者の方はもうしわけございませんが今しばらくお待ちしていただけると嬉しいです。




