56.長かった道のりの果て
前回のあらすじ
・『過集中』については余裕があれば解説します
・皆さんも気になるでしょう【薬神の加護】こいつもまた今度
・次話ようやっとこの話が終わる……希ガスるってか終わらせます!
なんか薬の神様?から称号をいただいた俺はもう一度【ルディ・レユアン】を作成した。
さきほどよりも丁重に扱いながら作っていったら、こんなものができた
【ルディ・レユアン 極(120%)】
…………うん!なんか超えたな100%!
「なぁ、ティス。こんな完成度の高いものができることはあったのか?」
『……いえ、少なくとも知識のなかではこのような代物は初めて確認しました。むしろ貴方様はどうやってこのような代物を調薬することができたのでしょうか?』
「いや、俺にもわからん。だが、想定しうるものは………」
これだろうな【薬神の加護】であろうな。
この称号についているのが調薬時、完成度に極大補正がかかるというものだ。
それでも100%以上のここまでの完成度を生み出せるとは思ってもみなかった。
「誤算ではあったが、これなら問題なくティアちゃんの病気を治すことができるな!」
『はい。ですが時間も厳しい様子ですが、間に合いますか?』
確かにここまで来るのに時間が大幅にかかっていた。
だが、まぁ接敵しなければ何とかなると思う。
「そうなるとペティとは一度離れたほうがいいだろうな」
とにもかくにも、一度報告するべきだろうと判断し俺はメッセージを送った。
20分もしないうちに皆が戻ってきた。
「……ゲシェムお疲れ様………って言いたいけどこの状況はなに?」
「いや、なんか精霊を仲間にした…的な?」
『始めまして。私は緑の精霊、いただいた名はソプラティスと申します。よろしくお願いします』
「………私はペティ、よろしく?」
「ほう、『緑の精霊』ですか。個体数が少ない精霊とされている存在だったと思われます。それにここまで知性があるのは特殊な個体なのかもしれませんね」
「あーやっぱ?」
やはりティスのような精霊はなかなか珍しい存在のようで、ファウストも驚いていた。
「………それで私たちを呼んだのは特効薬は完成したっていうことでいいの?」
「あぁ、だが時間が微妙なんだ。それで悪いんだけど俺は先に行ってもいいか?」
「……ん、仕方ない。ファウストもいるから二人でもなんとかなると思う。最悪デスペナ覚悟で行く」
「そうですね。ですのでゲシェム殿は急いで地上へお戻りください」
「…わかった、なら俺は先にいくよ。ほんと助かった、また後で今回の件を報告するよ」
「…………ん、報告楽しみにしてる。だから、教えてね?」
「おう!じゃあな!」
と、俺とペティたちはここで別れることにした。
そこからは特になかった。
分裂体の関西弁野郎にメリドと合流してそのまま地上へと目指す。
戦闘は一切行わず、速度重視ですすんでいく。
出現する敵全てを把握しているため、どこら辺から接敵するだろうか想定することができる。
そのため、出現するだろうところに【軟糸】を張り巡らせ、俺が通る一直線上に敵を出現させないようにしていく。
砂漠階層はそれができないため地道に進行していく。
【魔導陣】と【操剣術】をふんだんに使っていき、発見した敵に対して即撃破_いわゆるサーチ&デストロイで進行していく。
それ以外の階層では基本【立体機動】などを駆使しつつ、今まで以上の速度を維持しつつ移動していく。
だが、70階層から地上に戻るのに相当の時間が有するのは変わりなく、移動だけで5時間以上経過している。
さすがの俺でも疲れとかは出てしまうので所々で休憩をはさんではいる。
「で、残り時間があと10時間を切りそうだな」
これは誰に話しかけているわけでもない。ティスは今【精霊紋】の中で待機してもらっている。
じゃないと俺の移動速度にティスがついていけないからだ。
ちなみに【精霊紋】というのは仲間の精霊を一時的に待機してもらういわば召喚陣みたいなものだ。こいつはスキル取得時に俺の左の手の甲につけられていて任意のところに移動させることができるみたいだが今は別に変える必要もないのでそのままにしている。
この【精霊紋】主だった効果はこれのみで召喚・帰還に少しばかりのMPを消費するようだが、俺にとってはほぼ無関係の話だ。
もちろんメリドとルカに関しても帰還してもらっている。
やはりこの移動に関しては俺単体で動いたほうが圧倒的に速いからな。
と、休憩終わり!
さっさと地上へと進みましょうかね。
そこから2時間を経過したところで
「ようやっと地上についた!」
と計7時間を費やしたところで70階層からダンジョン入り口まで移動することができたのだ。
俺はそのままナディアの自宅まで走っていった。
その時、周りからなんかこっちを見てる感じがしたがまぁ今は無視しておこうと思う。
そして10分もしないうちにナディア宅へとたどり着いた。
「おーい、ナディアさん?俺だ、ゲシェムだ!薬できたぞ!」
『げ、ゲシェムさん!?お待ちしていました!どうぞお入りください!』
と扉の鍵が外れる音がした。家の中に入り、ティアが寝ている場所へ移動する。
ティアちゃんの様子を見ると体中に斑点のような痣がでてきており、汗が絶え間なく流れ出ている。
表情をみてもかなり辛そうでナディアもそばでずっと看病していた様子で目元がくまができている。
(つか、そんな表情もできるとかこのゲームの奥深さというよりもAIの性能の高さがうかがえるよね)
そんなことはさておき、俺はナディアとティアの傍へ寄っていく。
「ナディア、調子はどうだ?……ってそんな世間話はすっ飛ばそうか。間に合ったか?」
「え、えぇなんとか。ですが、調べなおしましたが特効薬は完成度によって治せる段階があるようなんです。……今のティアの状況では完成度がすくなくとも9割を超えないと治る可能性がないらしいのです」
「あぁ、その点に関しては問題ない。ほら、これで治してくれ」
「こ、これは…!ティ、ティア?辛いと思うけどこれを飲んでね?これで治るから!」
「お、お姉ちゃん……ん、んん」
ティアちゃんが苦しそうながらも俺が調薬した【ルディ・レユアン】を飲んでいく。
1分かけて特効薬を飲み干したティアちゃん、様子をみると動悸がだいぶ落ち着いてきているようでよく見てみると体中に広がっていた斑点のような痣がだんだん引いていった。
「こ、これはゲシェムさん!」
「あ、あぁこれは成功したといってもいいんじゃないか?」
正直100%超えていたとしても不安ではあった、だって【薬師】にもなっていないし調薬すること自体初めてのことであったからうまくいくと思えなかった。
しかしティアちゃんのこの穏やかな寝顔をみるとここまでうまくいったことに安堵している。
「このあと医者に再診してもらい、完治しているかどうか確認します!今回は本当にありがとうございました!報酬の件については後日騎士の駐屯所でよろしいですか?」
「あぁ、わかった。じゃあまた今度」
「はい!この度は本当にありがとうございました!!」
《クエストクリア:報酬、一部職業の解放・NPC好感度の上昇・特定職業の経験値上昇・報奨金10000G》
いやー、いろいろあったがなんとかなってよかったと思うよ。
あとで報酬について確認しないとな。
とりあえずペティたちと合流することにしよう。
と、俺はナディア宅から離れるのであった。
今話のまとめ
・ついにクエストクリア
・クエストは終わりましたがナディアはまだでてきますよ?
・報酬については次話で!




