49.ようやく調薬開始
前回のあらすじ
・70階層帯は草原階層帯ではなく幻想階層帯なんです
・【精霊湖】発見しました
・ようやく調薬を開始します、実質残り一日だお
さてさて、早速調薬を始めてみますかね。
今回作成するお薬は【ルディ・レユアン】という対【イラ・ミルトン】の特効薬であります。
この特効薬には楽園を取り戻すという意味を込められた死から戻るための超特殊特効薬である。
で、この特効薬に必要な材料がこちら
【聖樹草】これが【ルディ・レユアン】の材料の中で最も大事な素材であり、この薬草の処理が【ルディ・レユアン】調薬において最も難しい素材の一つである。
続いて【聖冷水】こちらは【ルディ・レユアン】において液体としての素材であり、特効薬の中で最も見つけずらい素材である。
実際見つけづらかったというか、ほぼ一日費やして【精霊湖】を見つけるために探索したんだ。難しいというかスキル:【精霊視】がないと絶対に発見できないやつだからなこれ。
まぁ、その分このなかでは特に難しい作業がないのは助かる………まぁ普通の処理とはだいぶ異なるようだが普通のもやったことないからモーマンタイだな(多分)。
そして最後に【『イノケンティウス』の精鱗】という素材。これは半精霊半魔物である『イノケンティウス』が負傷状態にあるときに落とすといわれている鱗粉であり、この加工もなかなか大変なものであるのだ。
さらにはこの素材は倒してしまうと落とすことがなくなってしまうため、必ず生け捕りでないといけないのだ。それがこの素材の面倒なところの一つである。
またこいつは鍛冶や裁縫でも活用できるらしいがこちらもまぁ加工が大変らしいのでこの鱗粉自体が特殊加工素材に認定されているらしい。
「こうしてみるとまぁ面倒な素材ばかりじゃねぇか。こりゃ素人にさせる薬ではないのは確かだな」
と、思わず苦笑。こればっかりは仕方ないだろう、もともと取得するとは考えていなかったスキルだしな。
そう考えながらテントを広げる。
テントの中は必要最低限のほんと殺風景な感じである。まぁアイテムや道具は基本魔法の鞄にしまっているからな、ここに置いておく必要がなかったりする。
しかし、このテントはここに設置したものはそのまま魔法の鞄に収納することができるのでこの際調薬道具はここに置いておこうかな?
……いやまぁ宿屋とかで宿泊しているときに調薬したいときにできなくなるし別にいいか。
とまぁ前置きはさておき、早速_というかようやく作業を始めようか。
まず先に【聖冷水】をビーカーに移して煮沸させる。これによって【聖冷水】の中に入っている微細な細菌を除去させる。この時しっかりビーカーの様子を見ておかないといけない。何故ならこの【聖冷水】は沸点が低いためすぐに蒸発する恐れがあるからだ。
そのため、タイミングとの勝負になってくる。
「にしても、こんなきれいな水をさらに煮沸させるとかどんだけ清らかな水になるんだろ?」
【聖冷水】はもともと清らかな雰囲気を醸し出している澄んだ水なのだが、この作業でさらに微小な細菌まで除去させることで【聖冷水】に変化が現れると文献には書かれていた。
が、俺は初めてのことなのだから正直よくわかっていない。
「まっ、最初からできるとは思っていないし一回目はどんな手順なのか確認程度に思っていようかな?」
と考えていると【聖冷水】に変化が生じた。もともと透明で澄んだ水が透明ながらもラメが入ったかのような輝きを出している。
「おっと、変化が起きたっていうことはこれでいいのかな?」
俺はすぐさま煮沸した【聖冷水】が入ったビーカーを取り出し、冷水で冷やす。
この変化が起きた【聖冷水】を鑑定した結果【清らかなる聖冷水】と表記していた。
「なるほどね、あれでもまだきれいとは言わなかったということなのかね」
最初に【精霊湖】を見た時感動を隠せないほどの絶景だっていうのに、このビーカーに先ほどよりもかなり少ないこの【清らかな聖冷水】をみて驚きを隠せない自分がいたりする。
そんな【清らかな聖冷水】を見つめているとだいぶ冷めてきたのか湯気が収まっていた。
「よし、これで試験管に何本か移せばいいんだったよな」
と、手順通りに冷やしたこの聖冷水を試験管に移していく。3本の試験管に移したところで準備していた【清らかな聖冷水】はなくなってしまった。
一回の煮沸ではそこまで作ることができないようだな。
そう考えながら移し終えた試験管に蓋を閉じた。
「これで【聖冷水】のほうは完結したんだよな?……うん、じゃあ次は【聖樹草】かぁ」
実はこの【聖樹草】の処理が一番面倒なのである。
この【ルディ・レユアン】で必要な【聖樹草】の部分は葉のところであるのだが【聖樹草】にはとある問題点がある。
それは葉を適当にちぎるとそれだけで【聖樹草】本来の効果を為さないという点だ。根っこなら問題はないようなのだが、葉を適切にむしらないと【聖樹草】の聖気ともいわれる部分が失われてしまう。
一応効力の失った【聖樹草】の葉でも【ルディ・レユアン】は調薬することができるが、完成した【ルディ・レユアン】は本来の5分の1も発揮することができず【イラ・ミルトン】の解呪は成功しないと文献には載っていたのだ。
で、その正しい葉のちぎり方なのだが
「ピンセットに魔力を流しながら葉を傷つけないように丁寧にむしる、とかかなり面倒なんだが」
そう、ピンセットに魔力を流しながらむしることで葉に含まれる聖気を守ることができ滞在魔力を維持することができる。だが、普通の薬師ではこれはかなりの高等テクニックの一つなので素人の俺には本来ならばできるはずがないのだ。
本来ならばというところ。
「まぁこれ魔法剣と同様の手法だし、たいして苦ではないかもしれないな」
このピンセットに魔力を流すという工程は、実は魔法剣のように剣に魔法を纏わせる手法と大して変わらいのだ。そのため俺にとっては日常茶飯事のようなこと動作もないことではある。
しいて問題点を挙げるとするならばこの微細な力加減が難しいというところだろう。
現に全部ある【聖樹草】のうち14本_計56枚の葉を無駄にしてしまっているのだ。
これはなかなか大変な作業だなと痛感しながらも、懸命にでも力加減を意識しながらこの小さい草と格闘を繰り返すのだった。
しかし、【聖樹草】の処理はこれだけではないということを先に伝えておこう。
残り時間 1日と19時間
今話のまとめ
・特効薬の名前は【ルディ・レユアン】意味は『楽園を取り戻すための薬』
・作業は滅茶苦茶大変です
・まだまだ続くよ!調薬が
そういえばこの頃新型コロナウイルスが感染拡大していますね。幸い私のほうはあまり聞かないのですが皆さんも予防対策はしっかりおこなって感染しないよう心掛けて下さい。




