47.【精霊湖】と精霊の本質
前回のあらすじ
・【精霊湖】は75階層までにあるらしい
・『シュレリンガー』は『イノケンティウス』の翠版ですな
・草原階層帯には秘密アリ?
俺たちは今まで勘違いしていたのかもしれない。
もともと【精霊湖】というから湖がすぐ見えると思っていたが、その名前をよく考えていなかった。
そもそも精霊とはほぼ不可視の存在であり、この世界を構成するために必要不可欠な存在でもあるという。
そう、この不可視の部分というのが問題なのだ。精霊が不可視ということなら、そこに住まうという【精霊湖】が見えてしまうというのは問題があるのだ。
つまり【精霊湖】も精霊と同様に不可視の状態で存在しているのかもしれないのだ。
「そうなると厄介なんだよな」
不可視、見つからないってことは【聖冷水】を入手することができないってことになる。そうなると特効薬をつくることもできなくなるので、ティアちゃんの【イラ・ミルトン】を治すことができない。
しかし、方法はあるはずだ。文献に乗っているということは一度でも作成されたことがあるということだ。それすなわち材料である【聖冷水】のある【精霊湖】を見つける方法があるはずなんだ。
精霊が見えれば【精霊湖】も発見できるはず……。
とりあえず俺の考えをペティにも伝えておく。
さて、問題は浮き彫りになったと思うがどうやって解決しようか‥……
‥………たしか、精霊は不可視だが見ることはできるはず。じゃなかったら【精霊使い】という職業は存在しないからな、これは派生職や上位職で精霊関連の職業があるようだからな。
と、取得可能のスキル一覧を流し見している………あぁ、これのことかな?
【精霊視】本来不可視の存在である精霊を見る力をもつ。あくまで見れるだけである
なんというかまんまなスキルなんだよな。でも文章を見る限りだとあくまで視るということに特化しているスキルで恐らくは【精霊使い】関係の職業には含まれているスキルだと推察できるなぁ。
「とりあえず取得してみるか、幸いスキルポイントはまだ残っているしな」
そういうわけで【精霊視】を取得。取得に必要なポイントが2ポイントもあったことには少し驚きだが未だに4ポイントも余らせている以上全く問題ありません。
《スキルポイント使用によりスキル:【精霊視】を取得しました》
どうやらこれはアクティブスキルのようなのでONにしてみる。
するとどうだ目の前に広がる世界の色が急変した。
青い空、地に広がる青々とした草原。これが今まで見てきたこの草原階層帯の雰囲気というか色だった。
しかし、今見えている世界は少し紫の雰囲気がある幻想的な色をした空に色鮮やかで様々な色を混じった草原が広がっている。
さらには目の前というかこの階層全体的に少しではあるものの空に浮かぶ謎の物体がいる。
【鑑定】してみると『○○精霊』と書かれている。○○というのがいろいろな種類がいるようでさまざまな精霊がそこいらで飛んでいるのだ。
「こんな風に見えるとはなぁ、これじゃあ草原階層帯というよりも幻想階層帯っていたほうがいいのかもしれないな」
草原一面を見てみるとすぐに【聖樹草】を発見することができる。それはなぜか。
先ほどまで文献通りの色ではなかった【聖樹草】が文献の書かれている通りの青白い色をした【聖樹草】があちらこちら生えているのだ。しかも【鑑定】で見ても【聖樹草】と判定されている。
「さっきまでは全然に見つからなかったのに【精霊視】でみればこんなにたくさんあるのか?一体どうしてだ?」
しかも、【精霊視】をONにしている状態で採取をすると【聖樹草】の他にも【幻惑草】などのさまざまな薬草も発見しているのだ。
この草原階層_ならぬ幻想階層帯では【精霊視】というスキルは必須項目なのかもしれない。
「ま、まぁこれで多分【精霊湖】を発見できるかもしれないな」
しかし結局【精霊湖】がどこにあるかという問題が解決されているわけではない。
しかもこの探索時間に関しても残り5時間ぐらいになりかかっているのだ。いち階層を長く探索してしまうと見つけることができないかもしれない。そうなると明日の調薬時間を短縮しなければならなくなる。だが、俺には調薬技術が皆無だし、何ならまだ【調薬】を取得していないな。
ま、とりあえず探索して【精霊湖】を発見してから取得すればいいか。
で【精霊湖】を探す順序として考えたのがここ74階層を基準に上から探していくことにしようか。
なぜか、それはここで出現している魔物に関係する。
73階層では『イノケンティウス』、ここ74階層は『シュレリンガー』。おそらく75階層の魔物も半精霊半魔物の魔物だと推察して考えると、精霊が住んでいるであろうところには半精霊半魔物の性質を持った魔物が出現する傾向にあるのではないかと考察している。
ということで、75階層はあいつに任せるとしておこうか。
「でもあいつのMPも心配だしな………仕方ないよっと、『双児分裂』」
俺はすでに生成しておいたアルカナをペティと会ったときに購入しておいたカードホルダーから取り出し分裂体を召喚した。
これは前日の時に生成しまくっておいたやつなので現状のMPの消費はないので、翌日の調薬で必要になると思われるMPは消費されていないので助かる。
「よし、お前は今から75階層にいるもうもう一体の分裂体へ行き【アルカナ返還】し更新してくれ。なるべく戦闘回避でMPは極力消費しないで行動していってくれ」
こくっ
と、命令を出すと分裂体がうなずき75階層へ移動していった。
ちなみにこの更新というのは『双児分裂』の分裂体だけの特殊な機能で【分裂更新】という機能で元の分裂体はこういったレベルアップやスキル取得などには対応していない。
しかし、このように新しく召喚した分裂体には更新されたステータスで召喚される。
それは分裂体にも同様であちらの行動経験値は俺には対応していないので新たに召喚された分裂体にも適応されていない。
では、元から召喚していた分裂体のMPがなくなってはその技術も消滅してしまう。
だからこそ、この【分裂更新】という【アルカナ生成】__というよりは【占星魔法】の『双児分裂』の機能がある。こいつは分裂体が複数ある場合のみ可能な機能で二体のうち一体にMPを譲渡するという機能で、単に分裂体延命の機能だけのように感じるであろうが本質は少し異なる。
このような状況のようにレベルアップやスキルの取得・アビリティの習得などの場合に【分裂更新】を使用すると、どちらか一方の分裂体に更新情報を学習させることができる。
つまりは先ほどまでの行動経験値を有したまま本体のステータスを維持できるというわけだ。
「これで75階層は発見できる可能性がでてきたな。いったん74階層を探索してみるか」
【精霊視】を取得してから探索を初めて4時間が経過した。
ペティもクエストなどでスキルポイントがたまっていたらしく【精霊視】を取得したようで、そのまま71,72階層を再度探索してみたものの見つかっていないようだ。
というよりも71,72階層には精霊自体が極端に少ないようだ。
やはり出現する魔物の傾向を考えてみてもあまり出現しないようだな。
そして75階層にいる分裂体のほうも更新後探索してみたがやはり発見までには至っていないようだ。
俺がいるこちらの74階層も発見することができなかった。
「だいたいこういうのって最後に発見するような流れって意外とあるけどさほんとにそうなるとはなぁ」
おそらく【精霊湖】があるのは73階層、ファウストがいるところであろう。
しかし、彼にも探索をおこなってもらい悪魔である彼がいけないようなところが怪しいと踏んでいたがまさか引っかかることすらないとは思わなかったのだ。
しかし、そこ以外を探索し終えている以上73階層にあるというのは明白だと考えている。
そういうわけで、ペティと分裂体に連絡し73階層をしらみつぶしに探していくことにした。
残り時間2日と2時間
今話のまとめ
・精霊とは不可視の存在、見ることを基本許されない
・【精霊視】によってみることができる。実はこの【精霊視】一定レベルに達していないと取得することができない
・もうすぐ【精霊湖】が発見できるかも?




