44.特効薬について
前回のあらすじ
・悪魔戦はベッケンバウアーなので基本番外枠です
・メリドは破格だがかなり問題児です
・ナディアからの最後通告、残り3日です
…………おいおいおいおい!マジかよ、想定していたよりもはだいぶ長かったようにも感じたがそれでも実質14日_2週間動いていたんだぞ?!徹夜で行動していたから短く感じるだろうけど春休みもあってそこそこ無茶が通ったものだよ!
しかも、ここから上まで登るのに1日かかるってのに!
つまりはここから2日で特効薬を生成しないといけないのかよ!知識しかなくて技術力皆無なんだから間に合う気がしねぇ……。
《ゲシェムさん!今どこですか!間に合いますか?!》
「こっちは今ようやく【聖樹草】を手に入れたところだ」
《ほんとですか!?では、今戻ってこられるということですか?!》
「今戻るのは可能だが、特効薬をつくる必要があるだろ。だれかいるか?」
《………すみません、その件なんですけれども『ビリーブ』の地にてかの有名な悪魔が進行してきたらしく…。私以外の騎士や聖職者がた、ひいては薬師様も同伴することになりました。そのため薬師様のお手をお借りすることができません》
やはり想定していたことが起きていた。
ファウストのおかげで悪魔襲来イベントについて早期に知ることができたのはでかかった。ファウストに感謝!‥……多分これファウストというよりも召喚したペティに感謝するべきなのかもしれないな、感謝感謝。
「おう、そのことなんだけど一応こっちで調薬する予定だ。そのためもう少し時間がかかってしまうがいいか?」
《ほ、本当にできますか?》
「できるかどうかはわからんが、やるからまってろ」
《……私にはもうお願いすることしかできません。ですので、お願い致します妹のためにお力をお貸しください》
「おう、任せとけ」
というと、彼女からの通信を切った。
俺はペティたちのところに戻り、状況の説明のすべてを説明した。
「そういうことになりましたか、いやはやもう一刻の猶予もなくなったといっても同義ということでしょうか」
「さて、本格的に急がなければならなくなった」
「……よくここまで持ったと思うべきだと思う。ここからはゲシェムの仕事になってしまうけど大丈夫?」
「あぁ、なんとかはする。だが、ペティたちにお願いしたいところがある」
「……なに?できることなら手伝う」
「この特効薬に必要な、とあるものを採取してほしいんだ」
そもそもナディアの妹、ティアちゃんが侵されている病名は【イラ・ミルトン】というかなり特殊な病気だ。
これは今までも言った通り期間内に薬による投与によって治さない限り、確実に死に至るという恐ろしい病気だ。しかも、こいつの厄介なところはたとえどんな上級薬を使ったとしても治せるわけではなく、特効薬のみ【イラ・ミルトン】は治すことができない。
で、その特効薬に必要なのは【聖樹草】の他にも2つある。どちらもこの草原階層帯で採取できるものではあるのだ。しかし、調薬工程が最初から分割しておこなうため俺の力だけでは時間が途方もなくかかってしまう可能性が高いのだ。
それならば人手を分けて採取を試みてほしいということだ。
「………なるほど、で何を採取してくればいい?」
「一つは【精霊湖】という泉がここにあるらしい。ただ正確には分かっていないからその草原階層帯を調べてみないことにはわからないんだ」
「名称はきいたことありますね。そこは不浄なる者は近づくことすら許されないとされる神聖な湖です。それゆえにわたくしは近づくことすら許されないのです。そこへはペティ様が訪れることになることでしょう」
【精霊湖】というのは精霊が住まうといわれている神聖なる泉なのである。そこから採取できる【聖冷水】というのは今回の特効薬にとっての重要な水と書かれていた。しかし、この精霊湖は詳細は一切かかれておらず草原階層帯のどこかしらに存在しているとしか記載されていなかったのだ。
そのため、ペティには探索重視で動いてもらう。しかも、この精霊湖は神聖な泉のため不浄なる存在は近づくことすら許されない。もってファウストの協力は得ることができないのだ。
「そうだな、じゃあファウストに頼みたいのは魔物の部位だ」
「ほう、魔物の部位とは一体どのようなモノでしょうか」
「言ってもこれに関しては場所も特定できているから問題はないんだ。場所は73階層のところで魔物の名前は『イノケンティウス』という奴だ」
「はて、その魔物はもしや半精霊体の存在ではありませんでしたか?」
「あぁ、ただこいつは半魔物としてもとらえられているらしい。で、こっからが問題なんだ」
「さて、どのような問題があるのでしょうか?戦闘でしたらわたくしでもここの階層帯でも問題はないと思われますが」
「だろうな、でもそこが問題なんだよ。こいつ生け捕りでお願いしたいんだ」
「‥……はい?」
俺がファウストに頼んだ『イノケンティウス』という魔物はもとよりの上位種でありながら、半魔物半精霊という少し特殊な魔物であったりする。
で、ここに存在していることは本に記載されていたのだが問題となってくるのがここがダンジョンであるということだ。
基本的にはドロップをするのは魔核と呼ばれるもののみなのだが、通常の遭遇ではそのたその魔物に関するドロップがある。それで、この特効薬で必要なのがそっちの部分なので倒してしまって魔核のみをドロップされては困るというのが今回の難点である。
「それは‥……なかなか難しい注文をされますね」
「あぁ、無理は承知しているがこればっかりは必要なことなんだ。よろしく頼む」
「まぁ、いいでしょう。こちらも協力するつもりで参加していますし」
「助かる」
「………ところで、ゲシェムは探索には参加できないの?ほら『双児分裂』とか使ってさ」
「あぁ、それなんだけどな」
確かに『双児分裂』を使うことで探索範囲を一気に広げることができるのだが、今回の調薬において最も面倒なことが一つあるのだ。
「この特効薬には大量の魔力を消費する必要があるんだ。それが計算上15回分まではできるんだけどな」
「なにぶん、初めてのことで時間も限られている状況。ゲシェム殿はその15回で作らないといけないということですね」
「そういうことだ。俺も最初の1日は探索に参加するつもりなんだが、2日目は調薬に優先したいからな。ファウストには悪いんだが、単独行動でお願いしたいんだ。この中で問題があるのは【精霊湖】の発見だからな」
「確かにそうでしょうね。畏まりました、わたくしは『イノケンティウス』の生け捕りをおこないます。それでは‥……」
「あぁ、ちょっと待て。ペティとは連絡できてもファウストとは連絡ができないと思うから……これを」
「これは……【魔通器】ですか」
俺が渡したのは以前ナディアから貰ったインカムのようなものと同様の【魔通器】と呼ばれる連絡ツールの一つ。これによりNPCであるファウストとプレイヤーである俺とのコンタクトがとることができる。
「そう、こいつを使って俺と連絡することにしよう。で、ファウストとペティに関しては【使い魔】で連絡は取れると思うし、俺とペティはフレンドチャットで連絡は取れるからそれでいこう」
「畏まりました」
「……ん」
これで準備は整った。時間は残り僅かしかない。
「こっからは探索重視、明日の今の時間までにアイテムを集める。みんな頼んだぞ」
「はい」「……ん!」
そういうと俺たちは各地散開し目的の第二段階をクリアすることに専念する。
残り時間あと3日
今話のまとめ
・ようやくティアちゃんの病名発覚【イラ・ミルトン】
・特効薬には【聖樹草】以外にも二種類存在する
・残り時間は3日
嬉しいお知らせです。
今話執筆段階にて総アクセス15000回突破しました!
そして何気に連載から1か月経過していることに気が付きました。
あれもこれも読んでいただいている読者の皆さんのおかげでございます。
これからも毎日掲載が途切れることのないように書き続けていきますので応援のほどよろしくお願いします。
感想やアドバイスなど受け付けていますので気軽に送ってください。_〇/__




