41.悪魔との戦闘については特にない
前回のあらすじ
・オルカンでは売っていませんでした(何故だ)
・本編にて遂にユン登場!(べ、別に前回がフラグってわけではないんだからねっ)
・ちなみに71階層からは草原階層帯といいます
兎にも角にもこの世紀末感あふれる『ビリーブ』にて調薬道具を買えたことに感謝。そしてそんな状況下でも営業しているこのおばあさまに感謝!
「じゃ、さっさと戻るわ!」
目的を達成したため、この世紀末あふれるこの町から脱出しようと【地点保存】を起動させたのだが
《ここでは使用できません》
と、出てしまった。
「なんで使うことができないんだ?」
「それって多分だけどねっ、ここがイベント中だからだからじゃないかなっ?」
「マジかよ‥………。ここから街を出てある程度離れないと発動できないっていうことかよ」
「そうだねっ!じゃ頑張ろっか!」
とりあえず街の外まで駆け抜けていく。
街中には悪魔がかなり存在しているが討伐中心ではなく、一点突破で突っ切ることにした。
それにしてもかなり数が減ってきている。そりゃそうか悪魔全員がファウスト級の強さをもっていたら初心者のための始まりの街である『ビリーブ』にいるプレイヤーのほとんどがやられているだろう。
加えて退いている悪魔も若干数ではあるが存在しているので、だいぶこの騒動が引いているのかもしれない。
まぁ、カズやユンの他にも強そうなプレイヤーもいるから問題が起きる可能性のほうが低いなぁ。
そんなことで街の外まで出れた。
ん?道中の戦闘について触れないのかって?バカ、基本移動しながらの攻撃なのでほとんど一太刀で終わらせているのだ。特に解説するところもないのでこんなもんだよ。
ユンとは街の外を出る前に別れている。彼女は悪魔襲撃イベントに参加しているから離れるわけにはいけないのだ。ちなみに俺は一応倒してはいるものの参加自体はしていることにはなっていないのだ。
そのため、こういった自由が利くようだ。
「ようやく外へ出れたな。使えるかどうか確認しておかないと」
と【地点保存】を起動させる。
《使用可能です。保存地点は71階層です、転移しますか? Yes・No》
転移できるようだ。ということで必要な道具を買ったものを確認しておいて‥……っと、よし問題ないな。
「じゃ、帰りますか!」
と、71階層へと戻っていった。
目を開けると見渡すほどの草原が広がっている。
転移は成功しているようだ、よかったよかった。
「っと、メリドが見えるな………なにあれ?」
目の前で起こっていることをありのままに説明しよう。
71階層でも魔物は出てくる。その魔物が『○○ダシュ』というウサギの魔物だ。
なぜ○○なのかはここにいる魔物はすべて上位種のため複数の『○○ダシュ』系列のダシュが存在している。
そのダシュは『ナックル』『シュート』『ジャンプ』『ソード』『ガン』などまぁ多岐にわたっているが基本物理系の魔物のようだ。
その魔物の特性は集団行動と高い敏捷性の2つだ。
速い動きで敵を翻弄し、集団リンチによりボコされるという落ちだ。
そんな集団リンチを目の前で見ているのだが、リンチをされているわけではない。むしろ無双ゲーをしている奴がいる。
機械龍のメリドだ。
ダシュどもがメリドに近づくとメリドの鉤爪がダシュどものを一撃で屠っていく。
強さ的にはメリドのほうが優れているのは自明なのだが、ここまでの無双ができるのか?
そう考えてよく見ているとすぐに分かったことがある。
こいつの動きが異常的なのだ。
このVRゲームでも動きは通常の動きのみでしかで動けないのだ。そのためドラゴンとかの仮想的な魔物もそれに逸脱しない程度の動きに制限されているのだ。
その点メリドはどうだ。
こいつは【機甲】というのはそもそも魔物やプレイヤーの類ではなく道具の分類に入る。
そのためこいつは人形と同様の扱いになるのだ。人形使いでも多少無茶をきかせて通常の動きよりも多彩な動きを可能としている。
メリドもそれに付随しており、かなり無茶をきかせることで常時あり得ないような動きを可能にさせることが可能になる。
さらにはメリドがもつスキルやアビリティにより今分裂体に操作をしているところに補正が働き、攻撃も問題なくヒットすることができる。
ただ、それでも対集団戦だ。多少なりともダメージが入る。
ここで知ったことだが、どうやら【機甲】にもHPとMPが存在しているようだ。これは固定値のようで0までなくなると回復時間を有するためしばらくは使用することができない。要はデスペナってことだな。
実質プレイヤーと同義ともいえるがなんで異なるのだろうか、恐らくはこのステータスが固定値なのだろう。それに加えてあり得ない動きを可能にするところだろう。
結果として魔物にしては異質の存在として人形としてはあまりにも硬い存在というものとなっている。
これが【機甲】特有の性能ともいえよう。
「おっ、本体はん!おかえりなったか。見てやメリドはん、なかなかのスペックやで~」
「確かにな、これって操作はどうなっているんだ?」
「あぁ、それはな……」
どうやらこいつの動かし方は【操り人形】で動かしているものの通常の【操り人形】とは少し異なるようだ。
本来の【操り人形】は軟糸を数本程度用いて操作することができる。さらに強いものを操作する場合は軟糸の数を増やしたり、妖糸に切り替えることで操作レベルをあげることができる。
しかし、メリドに対しておこなう操作は最低でも30本はゆうに超える。しかも各部位ごとに操作を行うため、数本の軟糸を各部位に取り付ける結果30本を超える軟糸を用いないといけない。
さらに、こいつはスキルに【機甲龍魔法】や【機龍撃】がある。それを使用するには魔力をもつ妖糸を必要部位に使用しなければならないのだ。
つまり【機甲糸師】に必要な要素としては【軟糸】【妖糸】の複合操作を行いつつ、並行してあらゆる部位を操作する能力が求められるかなり高等技術を有する職業だと思われる。
派生職の【人形使い】【傀儡使い】を経由したらだいぶ楽になれると思うがそれでも高度な操作技術を必要とする。
しかも、スキル発動には妖糸にMPを注ぎ込む必要があるため分割して操作する必要があるとのこと。
「………とまぁ、一見強そうっと思ってるやろ?せやけどかなりきついことありゃせんわ!ソロで【多重思考】を用いとっても多分自分は動けんくなってしまうで、ほんまに」
「だろうな、俺もそれ聞いてやめとこうとは思う」
「んまぁ単純な操作なら並行して近接戦闘にも参加はできるとは思うんや。それにもそれなりの時間は必要やと思うんや」
結局は努力次第ということだな。頑張りますか。
「………ん?本体帰ってきたの?」
「いや、本人って……まぁ間違っちゃあないけどさ」
「こちらからすればあまり変わらないことなんですよね、なんかよくわからない言葉で話されますが……」
「そんなこと言わんといてくれや!そや、本体はんこっちだとあんまり【聖樹草】取れんくなったさかいに、仕方ないからもちっと遠くまでとりいってくるわ」
「おん、頼んだ」
そう言うと関西弁野郎の分裂体とメリドはより離れた場所まで探索しに行った。
「………で、こんなに遅くなった理由はある?」
とペティの疑問が飛んできた。
まぁ、ぶっちゃけ5分以内に済むようなことが50分ぐらいかかってしまったからな。
しっかり説明しないと………と思っていると
《ゲシェムさん!ティ、ティアが四段階目に入ってしまいました!!あと3日しか猶予がありません!!》
と、悲痛なる最後通告がナディアから送られてきた。
今話のまとめ
・悪魔戦はベッケンバウアーなので基本番外枠です
・メリドは破格だがかなり問題児です
・ナディアからの最後通告、残り3日です




