38.強かったと思うよ?本来は
前回のあらすじ
・フロアボスはワイバーンの王です
・ペティからすればゲシェムは大概頭のおかしいほどの強さを持っているようです
・ファウスト曰く悪魔時代でもお目にかかれない存在だということ
まぁ、今回の戦いは正直そこまで苦労するところがないのだ。
『亡龍』との戦いで龍との戦いを知ることができたため、それよりかなり劣る『劣龍王』では問題あるほうがおかしいだろう。
追加して俺にはあの戦闘後に獲得した【龍殺し】という龍にはもってこいの称号がある。
そのため対龍戦においてはかなりの効果を発揮できるのだ。
さらには手下である『劣龍』もペティやファウスト、ルカが相手してくれているのだ。そのおかげで俺は劣龍王の相手だけに集中することができるのだ。
「まぁソロで戦うってのも久々だな」
実際ここ最近はペティと一緒に行動していたし、それにここ空階層帯に入ってからはファウストも加わったのだ。強力な前衛に後衛がいたのだ戦闘時なんてかなり楽であった。
しかし今は一人である。それでこの劣龍王を攻略しないといけないのだ、かなり厳しい………わけでもなかったりする。
【浮遊】を使って糸を使わずに空中戦を可能にしているが、それでも糸を使っていた時とは機動性がかなり劣ってしまうのだ。
「だけ、どこれでもまがいなりに戦闘ができるん、だよな!」
と劣龍王にダメージを与えていく。移動方法を【浮遊】に【魔導陣】の風を使うのではなく、【軟糸】というより【抜魂幻糸】というスキルを使って劣龍王に糸を設置して【浮遊】×【立体機動】を駆使して移動しているのだ。
想像するならばあれだ、某●撃の●人だよわかりやすいだろ?
それによりこいつの攻撃はきれいに躱すことができ、なおかつこいつの移動におとることなく追撃を与えることができる。
なお、【抜魂幻糸】のスキルはこいつにつなげることが本質ではない。むしろ副産物に過ぎないのだ。だが、このスキルの内容は劣龍王につなげた瞬間ウィンドウを通じて知ったのだ。
このスキルは使いたいが敵のMND関係上かなりダメージを与えないといけないのだ。そのためかなりダメージを与えないといけないし、なおかつとどめを刺してはいけないという何とも謎なハンデ戦を強いられているのだ。
最悪、きついようならささっととどめは指すつもりだが幸いファウストのほうも問題なく倒しているのだ。つーかあの魔銃の使い方は何だよ!まるでジュー●ンドーじゃないか1あれテレビでしか見たことないぞ!しかもあれって15年以上は前の話だったような……。
つか、あれは手を使っているには入らないんかね?いささか疑問なんだが……にしてもあんなにきれいに空中乱闘ができるとは俺には難しいな。そもそもあんな速度で移動したり急停止ができるというのが凄いことだろ、その上で移動しながら銃を打ったりしてほとんど外さないんだ。至近距離だったとしてもなかなかの速度の上で高い確率で標的を打ち抜けているというのは称賛に値するのだ。
ペティもそうだけどファウストもなかなかに優れた存在であるということには間違いがないということだ。
そんなことを考えていると劣龍王が咆哮しようとモーションにはいった。
ここまでの戦いで奴の行動パターンをほぼ完全に記憶することができた。そこまで行くとこいつとの戦いはほぼヌルゲーかしてきた。
あとはダメージ管理がコツとなってくる。
「ゲシェム殿、何したいのかわかりませんがもうそろそろいいですか?だいぶ疲れてきたのですが……」
「あー、わるぃ。そろそろ決めるから待ってろよ!」
ファウストから苦情が入ったのでさっさと終わらせるか!
操剣術である程度のダメージをあたえる。しかし今回はとどめを刺さずに抑えなければならない、【抜魂幻糸】のためだ仕方ない。
そのため剣でのとどめを使わないほうがいい。
ということで
「いくぜっ!『刈頚』!!」
俺はアビリティレベルの低い【大鎌術】の戦技を使用した。
その結果、劣龍王のHP残量は残りわずかとなった。これにより【抜魂幻糸】の条件を満たすことに成功し、俺はすぐさま実行する。
「【抜魂幻糸】発動」
俺がそう呟くとあらかじめ劣龍王につながっていた【軟糸】に怪しい光がともる。すると劣龍王がもがくように動くが残存HPの関係上この攻撃にたえうるMNDもなくこの攻撃が通る。
この【抜魂幻糸】は名の通りその者の魂を抜く幻の糸なのだ。この魂が実は【機甲糸師】として重要な役割を果たす。
劣龍王のHPが全損したことが確認した。
《ゲシェム様のレベルが1上がりました》
《職業:【機甲糸師Lv1】が【機甲糸師Lv7】に上がりました》
《アビリティ:【軟糸Lv34】が【軟糸Lv35】に上がりました》
《アビリティ:【操糸術Lv52】が【操糸術Lv54】に上がりました》
《アビリティ:【捕縛術Lv23】が【捕縛術Lv25】に上がりました》
《アビリティ:【操糸紡術Lv1】が【操糸紡術Lv12】に上がりました》
《アビリティ:【大鎌術Lv1】が【大鎌術Lv21】に上がりました》
《アビリティ:【投擲術Lv1】が【投擲術Lv23】に上がりました》
「よっと、成功したな」
そういう俺の手には一つの珠がある。
「おや?そちらの珠は一体?見たところドロップアイテムのようには見えませんが」
「あぁ、これは俺のスキルによる産物だよ。あと悪かった、この球を生成するためにHP管理をしていたんだ」
「それなら先に言ってほしいものでしたよ。まぁわたくしもレベルを上げるのには十分もってこいの相手でしたので問題はありませんでしたが、おかげでLv31になりました」
「おいおい、それは速すぎやしないか?」
「いえ、あれはまがいなりにも龍の名を冠する者なのです。持っている経験値が他とは違うのですよ、さらにゲシェム殿が相手していたときには300ぐらいは劣龍どもを屠りましたので」
「………ほとんど一人で倒していた。私やることなかった」
「そうなのか、それならよかったのか?」
ファウストも十分なレベル上げをできたようだし、まぁ問題はないのかもしれないな。
「あと、わたくしもルカさんと同様に進化が可能のようですが。どうなさいますかペティ様」
「………「はい?」」
意味が分からない、というかファウストにも適応されるのかそのシステムは。
「ええ、どうやら【使い魔】として召喚されている以上悪魔としてではなく、あくまで使い魔としてわたくしは存在しているようですので」
「‥……進化しても問題はないの?」
「えぇ。むしろこの進化でペティ様のお力になれるのならば本望というものです」
「‥……ならわかった」
とペティはウィンドウを操作して進化を促した。
するとファウストを覆うように黒い球体が生まれた。
「……どうやら少し時間がかかるみたいだよ」
「ほう、ルカとはまた違った感じになるんだな?」
「‥……そうみたい」
その間にこっちも確認しておこうか。
いま俺が手にしている珠、正確にいえば珠の中に人魂みたいな炎がゆらゆらとしている。
「……それは何?」
「あぁ、これは【抜魂幻糸】によって生み出した《劣龍王の珠》だよ」
そう、この【抜魂幻糸】の本来の力は糸によって俺とつながった状態にある魔物や物質の魂を抜くというものだ。
「……で?これはどういうものなの?」
「これはだな、まぁ直接見せるか【機甲召喚】!」
【機甲召喚】これはジョブクエストを受けることで使用可能になると思っていたが別にそうではないようだ。発動可能条件はこの珠を所持しているかどうかということだったのだ。
【抜魂幻糸】によって生み出された《劣龍王の珠》によって【機甲召喚】を扱うことができ、その効果は…………見ての通りだ。
「……これはワイバーンロード?」
「みたいだな」
目の前に現れたのは機械仕掛けの劣龍王だった。
今話のまとめ
・ファウストのレベルの上昇速度が速いのはこの階層帯であることと劣龍の所有経験値量が多いためです
・現在ファウストは黒い繭の中、二人は待機
・そして目の前には機械の劣龍王




