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OFW〜Old Free World〜にて我は記憶する  作者: しぐれ煮と甘露煮
【機甲糸師】編
39/61

37.劣竜王とそれぞれの視点

前回のあらすじ

・ファウストの職業構成(現在)は【脚闘士】【拳銃使い】です(【脚闘士】については召喚前から引き継がれています)

・今回のクエストでは【調薬】が必須でした(まだ取得していませんよ)

・次回はフロアボス戦です


 どうもこんにちわ、ゲシェムです。

 ただいま私たちは70階層_フロアボスの扉前にいます。


 

 「じゃあ、いくぞ?」

 「………ん」

 「畏まりました」

 「こん!」



 

 と、扉をひらくと

 澄み切った空、地表は雲になっているのは変わらない。唯一違うのは



 『グルガァァァァァァ!!』


 この叫び声だろう。




 現れたのは龍であるようだ、しかし外見はあの『ワイバーン』と似たような部分を持っているように感じる。


 

 「おや、これは劣龍王(ワイバーンロード)ではないか」

 「………知ってるの?」

 「えぇ、こいつは劣龍の長の存在であり劣龍をすべる魔物です。厄介であるとすればこいつが叫べばこいつに従う劣龍が群れと成して襲ってくるという点でしょうか」

 「なるほどな、まぁまぁ厄介な存在ではあるということか」

 「………でも、『ジャックリーパー』のときの『亡龍(アンデットドラゴン)』のほうが威圧感がたかった」

 「たしかにそうかもしれませんね。亡龍ですとまがいなりにも龍の名を持っています、たとえ生きている劣龍王だったとしても亡龍ごときには勝てませんよ」

 

 つまりは、今回の戦いはそこそこ楽ではあるということである。


 「ただ、問題はそこではないということだよな」



 そう、最初にこいつが吠えていたのでファウストが話していたことが正しいと仮定すると…………やはり想定したことが起きた。


 

 上空から劣龍_『ワイバーン』の群れが隊列を作って降りてきた。


 「面倒なのが大量のワイバーンの対処だよな」

 「………しかも、ワイバーンロードを先に倒しておかないと次々にワイバーン呼ばれたら面倒」

 「ならば、わたくしが劣龍どもの相手をしておきましょう」

 「いいのか?」


 正直、面倒なのはワイバーンの群れの対処だと考えている。なにせこのメンバーだと空中戦ができるのが俺とファウストのみ。つまりはこのフロアボス戦においてはペティは支援に回るぐらいしかできないのだ。

 だが、劣龍(ワイバーン)の群れをファウストが対処するよりかは俺が相手したほうがいいと思ったのだが、彼は劣龍(ワイバーン)のほうを選択したのだ。


 「俺のほうが対集団戦に優れていると思うが大丈夫か?」

 「ええ、幸い魔銃を手に入ったので集団戦に対応できますし。なにより今はゲシェム殿よりもレベルが低いですので劣龍王ごときには後れを取るつもりはありませんが劣龍どもを召喚させるのを防ぐには最速で倒すことが必須となります」

 「………そうなると、ゲシェムのほうが速く倒せるかもしれない」

 「そうです、それにゲシェム殿は空中戦闘はそこまで慣れていませんので乱闘になると動きに制限がかかってしまう可能性があります」

 「つーことは俺が『ワイバーンロード』を相手すればいいのか」


 まぁ正直ファウストの指摘通り、俺はまだ空中戦での乱闘が厳しかったりする。

 今までは【軟糸】を足場にして空中戦を試みていたが《死神のローブ》の装備スキル【浮遊】を使っての戦闘はいまいちしっくり来ていないのだ。


 そのため乱闘になると困難であったりする。そんな中ファウストはどうだ。

 今までの戦闘を見てみるとさすが悪魔といってもいいレベルに空中でも高いレベルのパフォーマンスを発揮している。さらに魔銃を二丁装備し【拳銃使い】を選択したことで対集団戦にも対応できるようになったことで今回の役を買って出たのだ。



 「じゃ、俺がさっさと王を倒してくるから皆その間頼んだぞ」


 と、付与をかけてもらいながらアルカナや大鎌の準備をしておく。


 「………ん、任せた」


 と、杖と魔導書×4を用意するペティ。 


 「わたくしも久々に使うので楽しみですね」

 

 と、魔銃二丁を構えるファウスト。


 「こん!」

 

 と、俺やファウストに付与をかけているルカ。



 「いくぞ、散!」




 

 各自、己の役割を果たすために散開した。








 私は今回のフロアボス戦においてはあんまり役には立てないと思う。


 だけど、できることはあると思う。

 幸い今までの攻略で魔導書が追加できたのはありがたい、彼も【巴導士】になったことで魔導書を手にしているはずなのになんで使わないんだろうか。

 魔導書は魔法発動の触媒として使えるものだし、しかもこれなら自動的に浮遊してくれるから杖にを手にしていても複数所持していても問題なく使用することができるというものだ。


 まぁ、私ができるのことは使い魔であるファウストの補助のみだろうと思う。だってゲシェムのほうはソロでも戦えると思うし、というより彼に関していえば歪な職業構成のくせに組み合わせなどによって一つのパーティ以上に戦っているようなものだ。

 私のような魔法特化の職業構成をしている状態でソロでも十分に戦える魔法職となっているようなものなのになんであれで成り立てるのだろうか、正直凄いと思っていたりする。


 と考えているとファウストのほうに変化が起きているようだ。またワイバーンが召喚されたようだ。

 この新しい仲間のファウストもなかなか強いんです。本人曰く【脚闘士】という格闘家の特殊派生職についていて、しかもこの直前ルカちゃんの引き運の強さにより魔銃を出したことで本来の戦闘に近づいているそうだ。 


 ただレベルはまだまだ低いため少し補助が必要のようだ。

 たしか彼の元の名前の通りであれば悪魔の中でも相当高位の存在だったのだろう。

 本人に聞いたものの「それは今のわたくしには関係のないことですので」とのこと。まぁ確かにそうかもしれないけどさ、とわたしはきっとふてくされていただろうね。

 

 一応ファウストの主人ではあるんだからしっかり助けるときは助けないとね。


 「‥……『灰燼に帰す(ディストラクション)咆哮(ハウリング)』」


 と、私は今までで最高分散火力のある融合魔法を放つ。ファウストならこれに当たらないとは思うけど一応追尾(ホーミング)の付与もしておきましたので問題なくワイバーンへと追撃していく。


 「おや、助かりますペティ様」

 「……ん、気にしなくていい」


 ………このファウストのしゃべり方何とかならないのかなぁ、正直慣れないんだよなぁ。確かに彼の姿は執事のような格好しているけどね、それでも私そんなキャラじゃないから慣れること多分ないんだろうなぁ。


 


 そんなことを考えながら、彼女は彼女の使い魔の補助に徹しているのだった。




 


 わたくしはマスターであるペティ様の使い魔をしているファウストです。


 今は劣龍どもの相手をしている。昔の我なら片手間で狩れるような雑魚であろう、おっと。

 

 ……まぁ今のわたくしは使い魔として召喚されたためレベルが1まで下がってしまったのだ。これに関しては仕方がないと思うし、正直今までのわたくしの状態は満足ではなかったというのもあるのでちょうどいい機会だと思っている。


 個人的に後悔していると思っているのはあの頃のわたくしとゲシェム殿と戦えなかったということですね。あのような存在は悪魔時代でも早々お目にかかれなかった、しかも恐らくあれは発展途上中だと思わる。

 通常のプレイヤーならばペティ様のように特化させた構成か汎用的な構成なのが多い。

 

 しかし、彼は違うのだ。一度彼に聞いたときは【(そう)剣士】【星占師】【機甲糸師】【巴導士】【道化師】とだいぶ聞かないような職業のみの構成なのだ。

 確かに戦闘で役に立てる職業がいくつかあるのは分かるが【機甲糸師】【道化師】はもうわからなかったりする。それが戦闘に役立っていたりしていたのだ、この者の戦略の立て方がうまいのだろうか。それとも職業以外にスキルとか……今考えても仕方がない。


 とにかく今はゲシェム殿が劣龍王を倒すまでこの劣龍どもを倒していかないとな、と魔銃に魔力(MP)を込める。

 彼らは知らないであろうが銃は基本的に実弾がある銃と自身の魔力を込めることで弾丸を生成できる魔銃という二種類がある。わたくしが以前持っていたのも魔銃ではあったが魔銃はそもそもあまり存在せず自力で生産することができないオーパーツのようなものなのだ、ルカさんの引きはすごいんですよ?


 しかもそれが二丁も、それを駆使してわたくしは劣龍どもを倒していく。

 魔銃の特筆すべき点は己の魔力つまりは【悪魔魔法】をも付与することができるのだ。【悪魔魔法】については種族魔法の一つで龍魔法に比べると威力は落ちるものの練度や応用力は圧倒的に我々の魔法が上回る。そして魔銃の相性がいいのも【悪魔魔法】だったりするのだ。



 こうして、ファウストの魔銃が火を噴くのであった。


 

 ゲシェムと劣龍王(ワイバーンロード)との戦闘は佳境を迎えるのであった。

今話のまとめ

・フロアボスはワイバーンの王です

・ペティからすればゲシェムは大概頭のおかしいほどの強さを持っているようです

・ファウスト曰く悪魔時代でもお目にかかれない存在だということ

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