29.武闘大会についてと61階層
前回のあらすじ
・60階層フロアボスはサンドシャークの性質をもった鹿でした
・やはり戦闘において人手は多いに越したことがないのだ(何当たり前なことを言ってるんだろうね?)
・第一回武闘大会のお知らせがきたよ
修正:タイトルの階層部分を修正しました。ご報告ありがとうございます。
先ほどの知らせを見るために俺たちはいったん60階層にとどまることにした。
にしても、なんだよな。
「このタイミングかぁ……」
「………ゲシェムは参加したかったの?」
「まぁ、気になってはいたんだよ。そういうペティは?あまり興味なさそうだが」
「………あんまり、人混みとかが好きではないの」
「そっか、なら仕方ないね」
雑談をしながらこの武闘大会の詳細について調べてみた。
どうやら参加人数が多ければ、バトルロイヤルという手段で予選を行うようだ。
その後、生き残った上位16名によるトーナメントになるようだ。
ちなみに開催は5日後。
まぁ無理だな、ここの攻略と探索が絶対あと7日ぐらいは必要になるだろうし。
「………これ見てるとゲシェム無双できる。私はきつい」
「ん?そうか?ペティも十分無双できると思うが」
「……トーナメントならなんとか。でも、バトロイに関しては魔法職に対して圧倒的不利になりえる。というかわたしがそれになりやすくなってしまうの」
「あぁ、そっか【魔導女王】なんて二つ名があるからその分狙われやすくなってしまうということか……」
「……そういうこと有名プレイヤーはいつでも狙われるもの。ゲシェムもこれから気を付けないといけないよ?」
「なんで?」
俺なんて始めたばっかのやつだし、特に注目されるような要素はないと思うんだが……。
いや、そういや俺のレベルってかなり高いレベルの領域に入るのか。
「………わかっていそうだけど、貴方の強さって異常なの。私ですら魔法の領域で勝てるのかどうかわからないもの」
「たしかにそうかもしれないが、ペティに魔法で勝てるとは思えないぞ」
そもそも俺とペティの魔法の使い方が異なる。
俺の場合だと、瞬時に使えるようにしているため威力を優先させることがあまりない。『樹岩剣』や『瞬雷』がそれを表している。まぁ、その派生や『劫火滅却』などは威力に振っているため発動速度は劣ってしまう。
そんな感じで極端な魔法構成をしている。一応、汎用性のある魔法とかは基本使えるんだけどね。別の戦闘手段もあるから使うことのほうが少ないかもしれないな。
だが、ペティの魔法に関しては俺の理論とは異なる。
彼女は完全魔法特化の構成のため、普通の魔法使いよりも早く強力な魔法をマルチに発動できるというところにある。さらにこれは彼女のPSにあたるところだが、彼女は異様にAIM_つまりは目標への斉射での精度が高いのだ。
また彼女のコアスキルを教えてもらったが【融合昇華】という全く異なる魔法系列である魔法でも融合し全く新しい魔法へと昇華させるという、もはや魔法職へ誘導させるようなコアスキルである。
先ほどの『穿つ光弾の雨』や砂漠地帯攻略の立役者である『適応する気候』なんかも彼女のつくった融合魔法である。
このように相反する魔法でも構築でき、なおかつマルチプルなことができる純正の魔法使いの究極点な存在が彼女であったりする。
「………確かに今はどうかわからない。でも、魔法だけはゲシェムに勝つから!」
「お、おう。頑張れよ?」
「…ん!」
まぁ、彼女自身【魔導女王】という二つ名を誇りに感じているようだ。
とにかく、このまま強くなってくると俺も普通に勝てるかどうか怪しいけど俺の見栄の部分がそこを言わないでおこうと思ってしまった。
「さて、武闘大会について調べたし……まぁ今の俺らに関係がないけどなぁ。さっさと次へ進もうか」
「……ん、さっさと妹助けるべし」
と、俺たちは先へ進んでいった。
61階層はまた洞窟になっていた。
「おいおい、また洞窟かよ」
「………でも、最初の洞窟よりも広いそれになんか空気も悪い感じがする。階数も進んでいるし十分気を付けていかないと」
「確かにな、ここが最初のところと同じとは思えないしな。十分に気を付けることに越したことはないか」
少し先へすすんでいってみると最初との違いが顕著に表れていた。
まず、この場の雰囲気だ。
最初の洞窟では普通の洞窟で何か感じの悪い雰囲気ではなかった。だが、ここは腐敗臭なのか紫がかった空間だからか、かなり感じの悪い雰囲気を醸し出していた。
さらに先へ進んでいくとさらに違いが出ていた。
「ここって墓地なのか?」
「……みたいだね」
そう、ただの洞窟のように見せていたのだが先へ進んでいくと墓がいくつも並んでいた。いわば墓地だよな。というとここは墓地エリアということかな?なかなか嫌なところだなぁ。
「ちなみにここは平気か?多分アンデットとかゴーストとかが出てきそうな感じだが」
「……ん?一応賢者だから光魔法とか使えるし、なんなら聖魔法も使えたりするよ?」
「あぁいやそういうことではないんだが、まぁ大丈夫そうだからいいや」
「………?」
ペティは不思議そうに首をかしげるがまぁ心霊とかが大丈夫とかなら心配しないで進めることができる。ほんとよかった。
さて61,62階層で出現した魔物について説明していこう。
ここでは二種類の魔物が出てきた。
『アンデットゾンビ』と『ゴースト』だ。
まぁ名前の通りのゾンビと幽霊だ。
まぁこいつらの厄介なのが耐性が高いところだ。
ゾンビは魔法への耐性がゴーストには物理への耐性が与えられているため、厄介なのだ。
だが、普通ならばの話である。
ペティは全魔法の他に聖魔法も使えちゃったりしちゃう。それはアンデットやゴーストどもに非常に有効であり、ほとんど無双できてしまう。
「………ここは私無双。ゲシェムは後ろで私の護衛かな?」
なんか若干彼女の顔が誇らしげになっている。ペティにとってこれほど俺より活躍できると思ったのだろう。
「確かに、俺は聖魔法は使えないんだけどな。とある魔法がこれに該当するんだよ」
「………マジ?ちょっと見せて」
「あぁ、俺もこれは初めて使うしな」
というと、【アルカナ生成】を行う。
ゾンビが俺に気づきて接近してくる。
「……助ける?」
「いや、この魔法かなり近づかないと無理だな」
そういうわけで俺のほうもゾンビへ近づく。
そしてもう1メートルもないぐらい近づくと
「よっしゃ!ようやく範囲内か!『処浄気』!」
と、アルカナを一枚消費して処女宮の魔法を行使する。
これは俺の周囲の瘴気を処女宮の力を持って浄化させる【占星魔法】のようだ。出てから一切使ってこなかったが、まぁ限定的なモノだと思う。ただ、これデバフにも対応できそうな気がするので今後のPvPとかの対策はできそうではあるな。
「………おぉ、そんな魔法もあるんだ。でも、それってかなり接近しないと無理なんじゃない?」
「確かになぁ。でも、それは一昔前の状態だったらの話だな。もう一回俺にやらせてくれ」
「………ん、私も気になる」
ペティからお許しをいただいたのでちょっと検証してみようと思う。
俺の少し遠いところにいるゴーストが検証のための被検体にしよう、悪く思わないでくれよ。
まずは【奇術】を使い、前に生成していたアルカナを三枚手元に出す。
そして、少し離れたゴーストを見定めて
「『人馬終弩』セット!」
そういうと、先ほど習得した魔法『人馬終弩』を発動した。こいつは弓を顕現し矢の一撃を放つ魔法だ。この魔法単体でも強いがこの魔法の特筆すべき点はそこではない。
それは、これだ。
「アルカナ消費!『処浄気』レディ!」
アルカナを二枚消費して『処浄気』の力を矢へと変換させた。
これが『人馬終弩』の特徴だ。アルカナを複数枚消費させることで他の【占星魔法】を矢として装填することができるのだ。
そして『処浄気』の効果である瘴気の浄化を俺の周囲という部分を矢からという意味合いにかわる。つまり射った後の魔物の周囲を浄化させるという、範囲型魔法と変化するのだ。
「まぁ、うまく当たれば……だな!射る!」
矢がうまいことゴーストを貫き、ゴーストは浄化されていくように消滅されていった。
「うん!かなりきつい!」
なにがきついって照準を合わせるときにかなりの筋力の維持がいる。さらにこの魔法を合わせるところもきつい。通常よりももっと維持していないといけないから倍ぐらいは筋力が必要なのだ。
なかなか慣れるというところでもなさそうだし、これからのレベル上げにSTRが必要になるのか?それはそれでめんどいんだけど……。
と、考えているとなにやら考えていたペティが声を出した。
「……【誘導】使えないかな?」
「ぁああああああ!」
それがあったじゃないか!
俺はこの『人馬終弩』についての検証をさらに進めることにしたのだった。
今話のまとめ
・武闘大会は主人公が不参加のため、詳細がない!(多分、だってめんどうだもの。しぐお)
・51階層からは墓地エリアです
・『人馬終弩』は【占星魔法】を重ね掛けすることができることができる【占星魔法】であるのだ




