25.次のボスは変体的である
前回のあらすじ
・40台の階層は猫と狐です
・【道化師】はMPさえあれば何でもできる職業です。あくまでMPさえあればですけど
・めちゃくちゃあがったけど、この先はボス戦です
えーてすてす、こちらゲシェム。私は現在50階層フロアボス前にいます!
……さて、突入前の下準備を済ませたので早速行ってみましょうかね。
「そーれ、御開帳っと」
『キュ――――――――――』
「なんだ?あれ」
皆さんに問題です。
見た目は猫、しっぽが完全に狐。
鳴き声が狐のようね声なのに、待機している状態が招き猫のような状態。
これってなーんだ?
答えは目の前の謎の魔物です。
【鑑定】をしてみた結果こいつの名前は『ミックスルーオ』というようだ。
混ざったというのは分かるがルーオっていうのは何だろうな。
「まぁいいか。あっちはまだ動かないし、こっちから攻めさせてもらう!『樹岩剣』×2!」
とりあえずいつもの手段を使って接近していく。なんだかんだこの手段がやりやすかったりするんだよね。
と、ボスめがけて接近していく。だいたい1メートルを切ったところで相手のほうにも動きをみせ始めた。
『キュ―――――――――』
そう叫ぶと奴の周りにいくつもの魔法陣が発生した。………なるほど、ほとんどすべての魔法を使っているな。ただ展開しているすべてが下級魔法であるから、別に問題ないな。
そう考えると【クラウン生成】によってトランプを生成する。
「このトランプには種も仕掛けもありません!しかし、トランプをはじくと……トランプがひとりでに飛んでいきます!‥‥‥‥いう必要なかったな」
【奇術】のレベルも上がったことで高度な奇術を話すことなく使用することができるのだが、ここずっと使っていたせいで話してしまう癖が抜けなかったようだ。
話を変えようか。【クラウン生成】で生成したトランプには主だった機能はないが大した問題ではない。
そのまま直進をすすめる。
すると『ミックスルーオ』の魔法の詠唱が終わったようだ。全ての魔法が発射準備を終えている。……というか、どうやって多重に魔法を展開することができるんだ?【並列思考】でも二種類の魔法が限界だが、こいつの展開の様子を見ていると一度にすべての魔法を展開しているようにしか見えないんだよね。
【多重思考】持ちっていうことなのかね?まぁ今はいいか。
『キュ―――――――――!!』
展開していた魔法が一斉に発射されていった。
普通なら包囲全体を埋め尽くすほどの魔法を俺に向けて一直線に斉射されていった。
だが、こいつが俺へと放った魔法のすべてが目的の場所からそれていった。
『キュ!?』
「まぁ、驚くよ、な!」
驚きを隠せないボスにめがけて一太刀入れた。
なぜ魔法がすべてそれていったのか。
それは【誘導】である。あらかじめ飛ばしておいたトランプに【誘導】を仕込んでおいた。その誘導にボスは気づくことなく発射させたため魔法がトランプめがけて発射された。
そのため、魔法がすべてそれていったということだ。
しかもまだ飛ばしたトランプは残っているのでしばらくは魔法は俺に当たらないだろう。
「これでしばらく魔法は打ち止めだな!ついでにこれでも喰らっときな!!」
【クラウン生成】にて爆破球を作り、全て放り投げる。
この爆破球に【誘導】を仕込んでいるため、きれいに『ミックスルーオ』へ向け飛んでいった。
『キュ、キュ―――――――――!』
直撃の瞬間『ミックスルーオ』は吠え、自分の周りに壁を生み出し爆破から身を守っていた。
魔法陣があるから魔法の壁だというのは分かる。
先ほどの剣をこれで防いでいないとみるとおそらく剣戟には対応していないとみるべきかもしれないな、もう少し試してみないとわからないけどな。
「もういっちょ試してみるか。『樹岩剣・ソードビット』!舞え!」
【操剣術】による操作は剣に該当するが魔法で生成されている。これがだめならガチの剣戟しか対応してくれないということになる。
が、それは杞憂になりそうだ。
『ミックスルーオ』は先ほどの魔法壁を展開することなく避けていた。
「ふむ、一応可能なのか……でもあの爆破球って確か魔法じゃないんだよな?というと、遠距離攻撃は魔法の壁の防御範囲なのか『樹岩剣』の硬度の問題なのか。検討するところはかなりあるんだな」
この壁の問題は検証しないといけないようだな。
ある程度戦闘し、『ミックスルーオ』のHPがのこり半分になった。
この時点で魔法壁についての検証を終了していた。
まだ確定事項ではないが、この魔法壁はMNDに応じており先ほどから『樹岩剣』での攻撃のみ避けるのは『樹岩剣』での硬度とINTが奴のMNDを上回っているからというところかな?
爆破球に関しては『ルサフール』『シルトマオ』に対して投げたレベルのままであったため攻撃力が魔法壁に勝てなかったということだろう。
先ほど試しに高火力の魔法と爆破球を打ってみたが、予想通り防ぐことなく躱していった。
つまりはこの魔法壁は俺にとって障害になりえない壁であることがわかる。
「多分だけど、このレベル帯であるのが問題であってジャックス君のレベルでやると守られてしまうかもしれないんだろうな」
まぁ、ボスには悪いと思うけどこのまま終わらせてもらうで!
「まずはトランプ!舞い散れ!『樹岩剣・ソードビット』!舞え!」
最初に投げたトランプに【硬糸】を混ぜて動かし、物理的に見えない斬撃をつくる。
【操剣術】でさらに剣戟をおこなう。
『キュ、キュ―――………』
『ミックスルーオ』を為すすべなく倒されていった。
もともとこのボスは防御力と魔法の同時詠唱に長けているのだが、ゲシェムにとっては【誘導】で魔法をそらして、高レベルのINTで物理的に突破しているのでほとんど意味がなくなってしまったのだ。
そして、皆様に知っていただきたいのは本来の【誘導】にここまでの効力が存在していないということだ。【誘導】はせいぜい自分の動きで相手に特定の場所を注目させるためのアビリティである。
今回のような相手の魔法を別のものに誘導させる高等技術ができてしまったのはゲシェムのレベルとあの称号が問題となってしまい、ほとんど不可能であることを可能としてしまったのだ。
なぜなんだろうか……。
《職業:【●剣士Lv8】が【●剣士Lv10】に上がりました》
《アビリティ:各【そう剣術Lv9】が【そう剣術Lv12】に上がりました》
《職業:【糸使いLv25】が【糸使いLv27】に上がりました》
《アビリティ:【硬糸Lv17】が【硬糸Lv19】に上がりました》
《アビリティ:【妖糸Lv11】が【妖糸Lv13】に上がりました》
《職業:【道化師Lv20】が【道化師Lv25】に上がりました》
《アビリティ:【奇術Lv28】が【奇術Lv34】に上がりました》
《アビリティ:【アクロバットLv22】が【アクロバットLv25】に上がりました》
《アビリティ:【誘導Lv10】が【誘導Lv15】に上がりました》
《今までの行動経験値より称号:【無慈悲なる者】を獲得しました》
まぁレベルアップはうれしいんだけど、最後のそれは何だよ!
【無慈悲なる者】魔物を大量に殲滅してきたものに対して贈られる称号。これを見たものは強い尊敬と畏怖を与える
うん、否定ができねぇ!
今までの戦闘は確かに効率で進んでいたけど40階層以降は【道化師】のレベル上げのために見つけ次第倒していったからいずれはつくとは思ってはいたよ。
でも、この条件の一部にボス級の相手を為すすべなく倒すというほぼ難しいことを言っているから余計にうざい。
………まぁ贈られてしまったのはしょうがないし、とっとと先へ進むとしようか。
こうしてゲシェムは51階層へと足を延ばすのであった。
今話のまとめ
・50階層のフロアボスは変体な猫狐であった
・ゲシェム頭おかしい(作者「なんでこうなったんだ(驚)?」)
・ちなみに妹さんの症状は第二段階です




