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OFW〜Old Free World〜にて我は記憶する  作者: しぐれ煮と甘露煮
【●剣士・糸使い】編
22/61

20.超無理ゲークエストとは

前回のまとめ

・【神読み】とルカのLUKマジで優秀

・騎士さんはがんばっていたよ?

・ソロ攻略は実力を把握してやっていきましょう


 じゃあ、やるとしますかボス戦!


 お相手は四足歩行の牛型の魔物だ。

 ちなみに、宝箱開封の時から【鑑定】をスキルポイントで取得した。取得しないつもりだったのだが宝箱や中ボス戦の時に相手について正確に把握できなかったということもあり、これからのことも考えて取得することを決意した。


 その【鑑定】による情報を確認すると『タウラス』とのこと。

 構成を見てみると激突の猪突猛進型の物理な魔物のようだな。

 

 

 タウラスの目の前に立つと奴は速攻で突進をしてきた。

 まぁ直線だったのであっさり避けることができる。そのまま、この空間全域に【軟糸】を張り巡らしている。

 

 そこまで言っていなかったが、この軟糸と硬糸の違いは斬れるか斬れないかというのもあるが【軟糸】はある程度のMPか糸を組んでいけば人が乗ることができるぐらいの強度を持たせることができる。【硬糸】は斬るという性質があるためこういったことができない。【妖糸】に関しては今は関係がないのでおいておいて。


 軟糸を張り巡らした後は、もう準備が完了。

 ちなみに今回の攻略は意外と簡単だったということもあり、魔法の使用を禁止にしている。

 もちろんのこと『樹岩剣』に関してはセーフにしている。だって俺の剣ってそれしかないやん。

 一応、魔法の鞄(アイテムボックス)に武器はあるんだけどやっぱり個人的に『樹岩剣』のほうがいいんだよな。汎用性があるし。


 タウラスに関しては俺のほうに注意が向いているのと、糸そのものが見えにくいというのもあり気づいていないようだ。


 タウラスからの攻撃を躱していき、ある程度張り巡らすことができた。


 「じゃ、そろそろいきますか!『樹岩剣』×2!」


 やはり、思った通りだ。【創剣術】により『樹岩剣』の構築速度があがっている。

 どうやら【創剣士】は剣を創ることに補正がかかるため『樹岩剣』という剣を創るための構築速度が格段に上がっているようだ。

 

 タウラスも俺の動きに気づいたのか、攻撃がいったん止まった。


 「まぁそんな止まっても意味ないんだけどね!」

 

 そのままタウラスに突っ込んでいく。

 タウラスもそれに呼応してか突っ込んでくる。

 

 ついに接触するという瞬間、俺は跳んだ。

 かなりの速度で突っ込んでいったタウラスは壁に激突していった。

  

 で、俺はどうしているかというと糸の上に立っている。

 意外とバランスのいることなんだけどだいぶ慣れてきた。そのまま【立体機動】をも駆使して空中移動をする。


 タウラスのダウンが解けてきたところで空からの一閃。

 【鑑定】で確認してみるとかなりのダメージを与えることができている。

 

 しかし、タウラスが警戒しているためというのとなんだか防御を固めている様子だ。

 【鑑定】で視てみると【金剛】というスキルを使用しているようだ。


 「どれぐらいなのかね……【硬糸・斬】!」


 検証のため、【硬糸】にある程度のMPを複数の硬糸を組んで斬りかかってみたが弾かれてしまった。


 「おいおい、一応『樹岩剣』の硬度と同程度なんだが……!」

 

 かなり防御力が上がっているようだな。

 検証していると、タウラスが【金剛】を発動したまま突っ込んできた。


 「まぁ、そう来るよな!『樹岩剣(きがんとう)・ソードビット』!」


 操剣術用に構築した『樹岩剣』を複数発動させて、突っ込んでくるタウラスに向けて一斉発射させる。

 しかし【金剛】を発動しているタウラスに対したダメージを与えることができず、タウラスはそのまま突っ込んでくる。


 「うむ、無理だったか!!よっと!」


 突撃してきたタウラスに張り巡らした軟糸を使い、激突を回避した。

 そのまま、軟糸を飛びまわって加速をつけていく。


 「さて!そろそろ終いにしようか!」


 と、加速している俺は弾丸のようにタウラスに向かっていき





 __一閃



 タウラスの首はきれいに斬れ、HPは0を表していた。



《ダンジョンボスの攻略を確認しました》

《ゲシェム様のレベルが1上がりました》

《職業:【糸使いLv9】が【糸使いLv12】へ上がりました》

《アビリティ:【軟糸Lv10】が【軟糸Lv14】へ上がりました》

《アビリティ:【硬糸Lv10】が【硬糸Lv12】へ上がりました》



 「よっしゃ、ランクBはあっさりクリアできたな。糸ってほんと便利だよな」


 ハンデをつけてもあっさりクリアできたのは【糸使い】があったからだろう。ほんと機動力の確保と中距離の斬撃は便利としか言えないね。

 

 にしても、ようやっとレベルが上がったのか……。これまでかなり戦闘を繰り返していたはずなのに対して上がらなかったことを考えるとこれからもレベルを上げるのには相当苦労がいるな。いちおう、第五職業まであるので補正値込々で上がると思うが……まぁ期待しないほうがいいな。



 でだ。あの騎士さんについてだが……なぜか放心状態になっている。

 

 「おい、大丈夫か? 」

 「……っは!あ、あぁおかげさまで。しかし、このままではあの子は……」

 「なぁ、ずっと言っているがそのあの子っていうのはなんなんだ?」



 その騎士さんの話を聞くと

 

 騎士さん_ナディアには妹がいるのだが、その妹が難病に犯されているようだ。しかも、その難病がまた問題で治す手段が高位の聖職者でも不可能であるとのことだ。それを解決するにはダンジョンに生息している【聖樹草】と呼ばれる薬草を煎じるしかないようだ。

 だが、その【聖樹草】が生えている場所が相当厄介で書物によるとランクS以上のダンジョンにしか生息していない。また、それが深層に生えているらしい。


 一人の市民のために大多数の騎士を犠牲にはできないということと、もうすぐ『武闘大会』が開催するためもあり、その近辺警戒もあるため騎士団の協力がないという話。


 その結果、ナディアは一人だけで行けるようにレベルを上げようとしているらしい。


 


 「事情は理解したが、お前のレベルだとここでもきついと思うが」


 そう、彼女を【鑑定】した結果、15というカズたちより圧倒的に低いため良くてランクDでのレベリングのほうが安全だというのに彼女はランクBのダンジョンでレベリングしている。

 というか、その実力でよくここまでこれたよな……。


 「実を言うと、実力なしでもランクBまでなら騎士の権限を使ってダンジョンボスの間に来ることはできるです。こればっかりは説明できませんが」

 「なるほどな。でも、ここにする必要はないだろ。お前さんの実力なら絶対に死んでいたぞ」

 「わかっています!だけどその難病は徐々に命をおかし、あと数日もしないうちに死んでしまうんです!」

 

 ……ふむ、もう少し聞いてみたところ

 

 その難病は命を落とすまでに何段階かの症状が出るらしく、現在はまだ一段階目のようだがあと4段階で命を落としてしまうのだとか。しかも厄介なのがこの症状がいつ起きるのかが未だわかっていない。

 唯一判明していることは四段階目の症状が確認されたら3日しか持たないということだけだ。

 

 何その無理ゲー際なりない病気の治療方法は。

 と、考えているとナディアは何か思いついたかのような顔をし、俺に話しかけてきた。

 

 「そうだ!お願いです!妹を助けて下さい!」


《緊急クエスト:【聖樹草】採取せよ 報酬:未定 Yes・No》


 何だこのクエストは………助けたい気持ちはわかるんだけどな、依頼内容とか報酬とか適当すぎやしないか?



 「助けたい気持ちはわかる。だけど、依頼ならしっかり決めて話をしろ。幸い一段階目なんだろ?」

 「は、はい。依頼はランクS以上のダンジョンに生息されているという【聖樹草】というものの採取で、生息地は深層_70層以降と書物には書いてありました。報酬は……すみません、私は下級騎士ですので大したものもお金もありません……。」

 「……報酬についてはいったん置いておこう。そのランクSのダンジョンは何層構造だ?」

 「はい、ランクSのダンジョンは100層構造で10層ずつフロアボスが配置されているそうです」


 なかなかの鬼畜具合だな。一説だが、30層のフロアボスはドラゴンだとかなんだとか……。

 まぁ、ランクBで余裕だったからハンデなし、マジでやるとしてどうなるか……。

 やってみる価値はありなんだが、問題は…………。


 「わかった。で、依頼を受ける前提で話すが……お前は連れて行かない」

 「な!?なんでですか!?私はあの子を助けたいんです!!」

 「ならばこそだ。その妹さんがかかった難病はいつ四段階目に至ってしまうのかわかってないんだろ?もし一日で一段階進んでしまうとしたら6日で死に至ってしまうぞ?ならば最短最速で【聖樹草】を採取する必要がある」

 「………そうなると、私では足手まといになるんですね」

 「あぁ、しかもその病気だと誰かが妹さんの看病をして状況を報告してもらわないとどこまで強行突破しないといけないのかわからないんだ」

 「……そう、ですね。……お願いできますか?」



 ここまでお願いされて、やらないわけにはいかないな……。

 

 「わかった。受けよう!」


 と、《Yes》をクリックした。


 「とりあえず、このダンジョンを出るとしようか」

 「はい!」

 

 こうして、このダンジョンを攻略することができた。


 

 問題を生ませながら……




 

 








 そして、『オルカン』のナディアの家へ移動してきた。


 「よかった!まだ第一段階の状態です!」

 「お、お姉ちゃん……」

 「ティア!大丈夫だよ、この人が助けてくれるんだ!」

 「そ、う、なの?よ、かった……」

 

 というと、妹さんは寝てしまった。


 ナディアにこれから行こうとしているダンジョンのある程度の情報を教えてもらった。

 

 「なぁ、お前との連絡手段はどうする?フレンドとかあるのか?」

 「一応考えはあります。こちらを……」


 見た目は完全にインカムのようなものだが。


 「こいつは?」

 「我々騎士が連絡に用いるための魔道具です。これは予備なので一回線しか使うことができませんが、私との連絡手段としては問題ないかと思います」

 「へぇ。これを使って症状の経過報告をすませるような感じになるんだな」

 「はい、一応私は有給を使って3週間までは休みを取っています。そのため『武闘大会』の警護も休んでしまうのですが……団長の心意気で休暇をいただきました」


 話を聞いている限りだと猶予は長くても3週間ダンジョンの階層は全部で約100階層。

 早めに見積もって1日で10層攻略は必須事項となるな。しかも死ぬとタイムロスとなり、最悪クエスト失敗という可能性がたかい。


 死なないように急速攻略ソロという無理ゲー…………。

 

 これは相当準備しといたほうがいいな。


 と、その日の残りは攻略のための準備に費やすことにした。

今話のまとめ

・意図せずランクSのダンジョンに挑戦します(超速攻略です)

・糸使いはかなり便利です

・騎士さんの名前はナディア、妹さんはティア(意味は特にない)

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