14.やはり無双するPvP
前回のあらすじ
・またあったなカズ!
・ぼったくられるのは世の定め
・またPvPかよ
ということで始まりました。
時雨&ガン鉄vs俺、正直普通にやっても余裕があるので一つ自分に縛りを設けようと思う。
それはスキルの一部使用禁止と魔法陣による遠距離攻撃の禁止だ。
フィーロが特に止めなかったところを見ると俺の実力を図ろうとしているみたいだから、あえて見せない方針で行こうと思う。対策……は問題ないんだけど、普通にやっても俺のためにもならないからな。
「じゃあ、準備はいいかそっちは」
「こっちはいつでもいいぜ!」
「ゲシェム殿お覚悟を」
そういうとあちらが武器を構える。
こっちも最速で発動できるように頭の中で構築を澄ましている。
《3・2・1 START!》
まずガン鉄が前に出る
「先手必勝!」
「よっと」
「後ろががら空きでござるよ」
「ほっ」
「なぁっ!いまのをよけるか!」
【神読み】があるため、ガン鉄と時雨の剣撃を難なく躱すことができる。しかしパーティメンバーだからか連携がすごくいいお互いが補填しあっているようだ。
「じゃあ、こっちも攻めるとするか!『樹岩剣』×2」
「なんだそりゃ!?だが、この剣で壊してやる!」
と言いながら、斬りかかってきたのであえて受けてみた。
おっも!と思いながらなんとかいなす。
「マジかよ?!どんな剣だよそれ!」
「ネタバレはしないでおくよ」
魔法使いであるジャックスさんが何か言いたそうにしていたが、黙ってもらうことにした。
そこからは剣と剣の応酬であった。
ガン鉄が盾を使って押し込んできたら、躱して斬る。そこを防ぐように時雨の防御が入る。
なかなかいい連携である。この連携を崩すには単純に手数、人がたりない。
「これ使ったほうがいいか。しかたねぇな、【アルカナ生成】『双児分裂』!」
と、アルカナを生成し即消費して分裂体を作る。
「お前は時雨のほうを狙え、俺はガン鉄をやる」
分裂体のほうの俺がうなずくと時雨のほうへかけていった。
「おいおい、これやばすぎだろ……!」
ガン鉄こと俺は、この眼の前の化け物に対して驚愕を隠せていなかった。
俺ら【蒼聖】はこのOFWでも屈指のパーティであると自負している。ボスの力がかなりあるってのもあるが俺らの連携とか時雨の魔法剣、ジャックスの支援魔法にフィーロの索敵など俺らのパーティに抜け目がないというぐらい強い。
そのはずなのにこの目の前にいる化け物は
「よっと、ほい。それ『瞬雷』っと」
「ちぃ!【凱装】!………これ使う予定なかったのだがな!」
「簡単にはいかないなぁ、魔法も少し使ってんだけど」
これで少しかよ!さっきから時雨はゲシェムが生み出した分身?に分断されている。ゴーストみたいにすぐに消えるような陽動かと思いきや、どうやら実態があるみたいでこっちと完全に分断されてしまった。
しかも、今の発言が本当なら魔法がメインで実力をほとんど出していないことがわかる。だってこいつの剣の筋はいいものの驚異的なモノではない。むしろ、こいつの剣や眼のほうが驚異的であるのだ。……こいつの剣って確か俺に渡した剣とは違う出し方だったような。
もしかしてあの剣は魔法で作られたものなのか?そんな魔法あったのか?これ終わったらジャックスにでも聞くとしよう。
とりあえずこの化け物に勝てなくてもいいから一太刀だけでも浴びせてやらぁ!!
「ガン鉄殿!どうだあるか!」
「絶賛ピンチだ!そっちは!」
「期待しないでもらいたい!」
「だよな!」
拙者はゲシェム殿の恐らくは分身と戦っていると思うがこの者ですら手加減しているようだ。全力で戦い願いたいものだが、そんなことになると一瞬で決着がついてしまいそうでもう少しだけ戦いたい気持ちもある。
この者も先ほど戦ったゲシェム殿と同程度の実力で撃ち合っている。しかも携えてる剣に関しては見間違えでなければ魔法で生み出しているモノだと思う。しかも、独自の魔法だろう。拙者も魔法使いの端くれだ、この者がどのようにここまでたどり着いたかはわからないが。私たちよりも魔法使いとしての格が上であろう。
悔しいが今は絶対に勝てないだろう。それを察してかガン鉄も拙者のほうを見ている。お互い何を考えたのかは同じようだ。だが、もう少しだけがんばらないと!
「ふぃ、だいぶ時間使ったなぁ」
「「はぁはぁ、なんで余裕そうなんだよ!」ござるか!」
しょうがないだろ、レベルも高いし。ぶっちゃけ【神読み】が優秀過ぎるんだよね。
「はぁ、ガン鉄このままだとどのみち負けてしまう。ならばゲシェム殿の最大火力を見せてもらってもよいのではないか?」
「やっぱ、同じこと考えてたか。おい、ゲシェム!今回の戦い、俺たちの負けだ。だが、今度は勝つ!そのためにお前の最大火力を見せてくれ!」
こいつら清々しいほどに頼んで来やがったな。だがそういった気概は好きだし、何よりこいつらは俺の力にケチをつけなかった。昔とは違ってきているのかもしれないな…………。
「………よっしゃ!その心意気に対してこっちも相手しよう!」
構築、最大火力とはいっても俺にできることは【魔導陣】による構築と【占星魔法】での攻撃だ。
だから少し考えてみた。火力を付与するための独自魔法を構築し、【占星魔法】の『金牛激突』に付与させる。そして『金牛激突』に消費するアルカナにMPをため込んでいけば恐らく今の俺の最大火力を生み出せるだろう。
「よし、構築完了!【アルカナ生成】…………いくぞ、お前ら!『金牛激突』最大付与!!」
飛び出す巨大な炎を纏う金牛。
「「っく!!」」
消耗した体では受けることしかできず、ただただ吹き飛ぶだけであった。
《戦闘終了!勝者:ゲシェム!》
「ふぃ、なかなかいい連携だったぞ?」
「いや、お前何その力はすげーな」
「拙者も人の力量をはかりきれなかったである」
と、戦った感想を口々に言っていると
「あの!今の剣はどのような魔法ですか?」
とジャックスさんが尋ねてきた。やっぱ気になってしまうよな、どう説明したらいいのやら。
と悩んでいるとフィーロから思いもよなない発言が
「ジャックス、たぶんそれは彼の力の根幹にあたるものかもしれない。だからおいそれと聞いてはいけないよ」
「うぅ、やはりそうなのですか?」
「いや、シンプルに話しにくいだけなんだけど」
「あっそうなのか?なぁんだ、大それたものじゃないのか」
「いや、こいつの魔法は普通じゃねぇぞ?」
とカズからのツッコミが。
こいつは俺のことに関して説明しているから、説明できるだろう。
てことで、頼んで俺の魔法について教えてもらいました。
「魔法陣を1から構築、しかもその紋様のすべてを理解しているってどんなプレイヤースキルなんですか!?」
「いや、基礎的なモノだけだよ?特殊な魔法に関しては全く解析ができないんだよ」
「それでもすごいです!ということは魔法アビリティなしで全属性魔法を扱い、独自の魔法を作り出せるんですから!」
「………なんか文句とか言わないんだな」
「ゲシェム、最近のゲームはプレイヤースキルなどもあるからチートとかいう奴がだんだん減りつつあるんだ。むしろそういう人をうらやむ傾向にあるんだ。だから基本的に気にするほうがばからしいんだよ」
「そうなのか」
なんか、昔と比べて価値観が変わったんだな。そんな嬉しい感情に浸っていたら
「これはほかの人にもできないのか?」
フィーロからそんなことを尋ねられた。確かにできなくもないが
「教えることもできるし、できるとは思う。だが、全てを記憶して一からすべてを構築しないといけないから魔法アビリティでシステム補助を使ってやるほうが楽ではあるんだ」
「なるほどな、一長一短というより今までのやり方をしている人にとってはそっちのほうがいいのか」
「俺もそっちのほうがいいと思うぜ」
「私もこれに関しては無理だと断言できます。紋様の解析なんてまずやろうと思いませんから」
と、さまざまな冒険の話をしてくれたり逆に俺の話をしたりとのんびりとした時間を過ごしていた。
「なぁ、このダンジョンだけ一緒に攻略しないか?」
と、カズからパーティ申請が来た。
「だがほかのメンバーは?」
「あぁ?俺らも同じ気持ちだよ。せっかく仲良くなったんだ、一回だけでも一緒に楽しみたいって思ってんだよ」
と、【蒼聖】全体の総意であるみたいだ。
「なら、いいかな?」
と、カズからのパーティ申請に《Yes》と返した。
さて、【蒼聖】のメンバーとともに冒険かぁ。
どんな旅になるのかね、結構楽しみだ。
今話のまとめ
・やはり無双する定めなのかもしれない
・『双児分裂』地味に便利
・このあとはダンジョン攻略します




