12.VS石像の魔物
前回のあらすじ
・アルカナはMP貯蓄式のお札
・白羊宮は4月の星座です。
・2VS30超の戦闘が待っております。
今、俺とルカの目の前には目視だけで30は超える石像の魔物が現れた。
「ルカ、戦闘準備。一発目は俺がやる。それが合図だ」
「こん」
っしょっぱなから放つ魔法は決めている。
だが、ガーゴイルどもは明らかにこっちのことを知覚しているはずなのに襲う気配すらない。
まるでここの空洞を守っているかのようだ。あれ、たしかガーゴイルって『魔除け』の意味を成しているんだっけ?じゃあここって危険なとこか?
いや、まてこいつらは魔物だし、魔物が『魔除け』の役はなさないはずだ。ということは完全に偶然と考えるべきかもしれない。
「まぁ考えることはやめにしよ【アルカナ生成】」
と、アルカナにそこそこ多めのMPを貯蓄させる。
「こんなもんでいいだろ。よし、ルカ行くぞ!」
「こん!」
「『金牛激突』!」
と、詠唱するとアルカナが変化し俺より一回りも二回りもでかい黄金の牛がガーゴイルがいるところまで突撃していった。俺とルカはその後ろで追従する。
金牛がエリア内に入ったことで
《隠しエリアに侵入しました》
というアナウンスが入ってきたが無視じゃあ!
「『樹岩剣』×2!」
「こーん!」
侵入と同時に俺は剣の準備を、ルカは詠唱を始めた。
アナウンスが入ったと同時に動いたのは俺たちだけではなかった。敵もこちらを捕捉し、こちらへ動こうとしていた。
しかし、大多数のガーゴイルは『金牛激突』により粉々に砕けていった。
これにより、14体ほどに減った……かに思えた。
「なっ!これ増えてねぇか?!」
そう明らかに増えているのだ。さっきの攻撃で大多数は削ったはずなのにその直後であるのに全く変わらない。むしろ増えているように感じる。
「これは、明らかにリポップの類ではないだろ。………ルカ、こいつらが召喚されているだろう魔法陣を探してきてくれ」
「こん!」
そういってルカは魔法陣を探しにかけていった。しかし、こちらの意図を理解したかのようにルカに追従し始めた。いや、あの感じは召喚魔法陣を守るように動いているのか?まぁいいや。
「ルカの邪魔はさせねぇぞ?『鎌鼬連撃』!」
風の斬撃でルカの周囲にいるガーゴイルたちを切り刻んでいき、注意を俺に集める。
「さぁ、てめぇらかかってこいやぁ!」
あれから10分ぐらい経過したはずだ。なのにルカが一向に帰ってこない。一応【使い魔】によりある程度の位置は把握しているが、それでも小さな部屋で見つからないのはおかしいだろう。
「つーことは隠蔽されている?ということかな」
ルカに関しては【幻影】を使っているためガーゴイルどもにはもう気づかれる心配もない。だが魔法陣が見つからない限り、この不毛すぎる戦闘が終わらない。なぜ不毛かと言うと、こいつら硬すぎる。幸い魔法があるから問題ないけど『樹岩剣』で斬ると剣が欠けてしまった。一応普通の鉄剣よりは斬れると思ってたんだが、どんだけ硬いんだよ!仕方がないので『樹岩剣』は今、斬撃面で構築しなおしているため。魔法と『金牛激突』で対応している。
「あっ、このスキル忘れてた。【蠹魚召喚】×50!貫け!」
物質ならほぼすべて貫くであろうこの蠹魚たちで頭を攻撃させてみるとやはり貫通した。
蠹魚すげー。まぁ本来は虫だし、ここまでいかないよ?あいつら衣類とか本を食うぐらいだし。
さて現状打破には召喚されている魔法陣を見つけないといけないが、おそらく隠蔽されているとみて考えたほうがしっくりくる。これじゃあ見つけられんがどうしたものか……
「ルカ!こいつらが召喚されている位置を特定してくれ!」
「こーーーん」
見つからない以上、特定には時間がかかってしまう。俺ができることはとにかく数を減らして、ルカが見つけやすくすることだな。………っと構築完了!
「『樹岩剣:最高硬度版』×2!」
よし!じゃあ斬りつくすか!!
「ふぅ、これで何体目なんだよ」
「こん!」
「ルカ!見つけたか!」
かなりの数を斬ったり、打ったりしたところでルカが魔法陣を見つけたようだ。
ルカがいる位置まで斬りぬけていった。
それはこの部屋の最奥の端にあった。
あの魔物一体分ぎりぎりであったうえに、周辺が岩に覆われている。どおりで見つからないわけだ、逆によく見つけたねぇルカ。ルカのほうを見てみるとドヤって顔している、こんな顔するんだな。
おっと、ほっこりしている場面じゃあない。さっさと対処しないと。
戦闘中に考えた方法、それは俺にしかできないがコアスキルである【改文曲筆】をつかって魔法陣そのものを改変すればとりあえず召喚されない。
肝心のこの魔法陣に関しては【時空魔法】を用いているので解析はできるので、パパっと書き換えましょうか。
「【改文曲筆】発動っと」
発動してみると手元から羽ペンのようなものが出現した。なるほどこれを使って書き換えればいいということか。では早速やってみるか、と書き換えをおこなってみたが最初のほうからくじかれてしまった。それはこのスキルのレベルが低すぎるがため、俺が書き換えれるのが一部のみしかできないようだ。ならどこを変えるべきか……。このスキルの難点は再構築後発動可能魔法として成立しないと改変することができない。現在一部のみしかできないという点で属性を変えるとその他で綻びが生まれてしまうため属性を変えることができない。そして、召喚用の魔法陣に形状指定はないのでいじる必要がない。そしたら、効果時間や対象をいじるほうがいいだろう。
ということでいじりました。もともと設定されていた情報を文章化すると
『エリア内にガーゴイルを5秒に1体召喚する時空魔法』
『エリア内に石を5秒に1体(1個)召喚する時空魔法』
と対象をいじってみた。
《改変可能【改文曲筆】を発動させますか? Yes・No 》
なるほど、可能ならこういうテキストを表示してくれるのか。便利だね、ただこのスキルほぼすべての魔法の構築や紋様などを理解して変更しないといけないというのがネックだ。まるで俺がこのようなスタイルで動くことを位置付けているかのようなスキルだ。
テキストの回答はもちろん《Yes》だ。
《改変成功『サモン:ガーゴイル』から『サモン:ストーン』へ改変しました》
改変に成功し出現してきたのはただの石、このまま召喚してくれればこの空間そのものが石で埋まるだろう。さて、残りのガーゴイルをつぶすとしよう。
「よし、ルカ残りのやつも倒すぞ」
「こん!」
《職業:【星占師Lv1】が【星占師Lv4】へ上がりました》
《アビリティ:【占星魔法Lv3】が【占星魔法Lv5】へ上がりました》
《【占星魔法Lv5】より『双児分裂』を習得しました》
《職業:【剣士Lv5】が【剣士Lv7】へ上がりました》
《アビリティ:【剣術Lv6】が【剣術Lv9】へ上がりました》
《【剣術Lv7】より『バックステップ』を習得しました》
《【剣術Lv9】より『打ち抜き』を習得しました》
《職業:【斥候Lv1】が【斥候Lv3】へ上がりました》
《使い魔:ルカのレベルが4上がりLv8になりました》
よし、何とかガーゴイルとの乱闘を制することができた。剣術と占星魔法をうまく活用でき、乱戦の対応ができたのがでかい。この職業選択はありだったな。
で、新しく習得した占星魔法『双児分裂』という魔法。こいつはアルカナに貯蓄したMP量に応じて発動した者の分身を発生させる。しかもこの分身はしっかりと肉体を持ち、発動体のスキルや思考もインストールされているという便利魔法。難点を上げるとすればアルカナに貯蓄した分のMPがつきれば消滅してしまう、さらに通常の魔法やMP消費のスキルを使用するとMPが消費するほか一定の行動時間によりMPが消費してしまうので注意が必要だ。
で、ここいら一体を倒しきったのは良かったがここかが新しい問題が発生した。
俺たちの目の前、この空洞の真ん中に宝箱と魔法陣が出てきた。
「なんだ?てか、ここまであるってことはここって特殊エリアの一部だったのかな?」
特殊エリアはとある条件をクリアすると侵入できるエリアのこと、俺がやったような入り方は到底考えられているわけではないはずで、なにか別の条件があったのだろうと思う。
なにせ、ルカを召喚した【使い魔】をもつ【巴導士】は【学者】の派生職であるため、このルートでの特殊エリアは初心者向けのフィールドにあるとは思えないんだよなぁ。
まぁいいや、とりあえず魔法陣の解析を先にしておこう。
ふむふむ、この魔法陣が構築しているのは特定の場所に転移する【時空魔法】のようだ。危険性はあまり感じないが、この特定の場所がパーティ単位で動いているときに分断される場合がありそうだな。あとでルカは帰還しておいたほうがいいか。
で、肝心の宝箱に関して。
早速開けてみると、大剣が一振りとピストル型の魔法触媒があった。大剣に関しては『樹岩剣』があるし、大剣ではなく普通の片手剣なので売却しておこう。問題はピストル型の魔法触媒だ。こいつは魔法陣が組み込まれている、中身を確認するには少し時間がかかりそうなのでのんびりできるところで調べようと思う。でも、ピストル型があるということは銃とかも実装されるのかね?よくわからん。
さて、気になるこの魔法陣。危険が高いが好奇心がここに入れと囁いてしまっている。
「よし、ルカ【帰還】」
「こん」
ルカと分断されることはないと思うけど、もしものことを考えてルカは帰還させることにする。なお【帰還】は【使い魔】に含まれてスキル効果である。
ということで、行ってみようか。
そうして、ゲシェムは新たなる地へ飛び去ったのであった。
今話のまとめ
・ガーゴイルはしばらく見たくないでござる
・金牛宮は5月、双児宮は6月の星座です
・新しいアイテム(一部売却しようかな)と転移魔法陣をみつけた
・新しい場所へ行ってきます




