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恋狐

あたちは銀狐。

あたちのパパは、あたちの毛を撫でてくれる。

棄てられていたあたちはパパに拾われて、パパはあたちの元いた棲みかを探しているらしいのだけど見つからないらしい。

もうパパの側にずっといてもいいよ?

でも時々同じように棄てられていた子が増えたり減ったり。

うん。あたちの棄てた人は誰か判らないし?

増えた子は徐々に黒くなって最後に壊れてしまう。

知っている。

パパの絶望もパパの希望も。

大丈夫。あたちは黒くならない。

パパが名前をくれなくても、人間とのお見合いを沢山されても。

ジロジロ

うん。パパより良い男なんて居ないし?

ほんのり空気を凍らせて、キラキラ光らす。

あたちの能力はこんなの。だから必要としてくれる人は出てこない。

そう、パパがもらってくれる先を探してくれるのもわかるのだけど出来たらパパの側にずっといても良いよね?






パパが大変なのです!

汗が滝のようなのです!

心臓が止まりそうなのです!

駄目なのです!

誰ですか? パパをいじめているのは!

は!

隅っこから覗くと目が合いました。

ウギャ?

次の瞬間には逆さになってました。

モフモフ

何故か毛が全部ふわふわに膨らんでるのです。

パパを追いつめていた事はすっかり忘れたらしく、あたちを小脇に抱いて廊下に。

あ、あれ?

みんながあたちを見るのです。怖い。

だから何時もパパはあたちを隠してたのですね。

ヒィー

「うん? ビィだよ」

え、ビィ? あ、名前。

「うん。君は銀色だから銀ちゃんね。これから授業なんだ」

ふーん? 授業って何?

それからあたちはぎんー。

「パパは優しい?」

大好き、パパより優しい人はいないよ?

「そっか、じゃあ火魔法を覚えてビックリさせよう」

ぬ? ビックリ?

火魔法っておいしいの?

「ん? 使えると役に立つみたいな?」

役に立つ! パパの役に立つ?

ヒャッホー! あたちは役に立つの!






や、やり過ぎた!

なんかあちこち焦げた子が!

あの木も燃えちゃってるし。

だってあたちができない子なんてみんなが言うから!

出来たもん!

あたちを撫でてくれる手。怒ってない!

え、褒めてくれた!

あ、パパが見てるの!

あたち、頑張るの!


ビィは首根っこを捕まえられて連れていかれた。

人間が水面を歩くのね。始めてみたの。

でも、他の子は水面には立ててなかったけど?

まぁよくわからないけど、あたちは火を使えるの。

お水も。後は氷。

パパは撫でてくれる。良かったの。

なんか青くなって見えたけど気のせいなの。

ところで、これは?


スライム。


スライムがドヨドヨ暗雲立ち込めて?

さあ、新しい子ね!

落ち込んでないで、あたちがお世話をしてあげるわ!

黒くなっちゃダメよ?

パパが悲しむからーー。


ガビーン


新しい子の名前をパパが詠んでる。

何て事!

少し目を離しただけで!


ガビーン


燃やしてやる!

うん。パパが焦げた。

「お前たち、早く寝なさい」

むう。抱っこされてお布団の中。

しょうがないのです。

お休みなさい。





スライムがドヨドヨしながら、みんなに飛びかかる。

あー、黒くなっちゃダメだって!

モシャモシャ毛をむしっている。

……毛?

スライムに毛がないね?

うん。でもパパも無いし?


スライムはパパの頭に乗っかって磨き始めた。

うん。パパステキ。


あん、スライム?

人間にタックルしたらダメよ?

……。まぁいいか。スライムにタックルされて吹っ飛んでるけど。

お外にはとっても大きな怖いのが居るんだもん。

それに比べたらスライム何てねぇ?

でっかい犬とか、でっかい馬とか、でっかい牛とかにタックルされるし。

ん? あービィがタックルされてたよ?

そういえば、ワイバーンも突進していたからね?

あたちは素早く離れて、隠れていたから!

むりむりむり。あんなの止められないし。


てか、それをいったらスライムがワイバーン追っかけ回していたの。

スゴいの。

えーと、あたち、もしかしてなんかスゴいのとパパの膝を取り合っているのかしら?

パパの体調は少し良いみたい。

元気なパパの声がいつもする。

良かったの。







ビィが御池に網を突っ込んでるの。

それ、パパがお世話している魚だけど。

まぁいいか。あたちの尻尾を食おうとするからお仕置きなの。

……魚。美味しい?

ビィは通りかかる子に火をつけてもらっているの。

うーん、あたちはまだ小さな火を出せないから消し炭になっちゃうの。

ちゃんと授業で練習して調節できてからでないと使っちゃダメなの。

いつか使えるようになるの。

ところで

こんなところで焚き火していたら見つかると思うの。

うん。見つかったの。

パパが元気なの。

て言うか、パパにしか見つかんないの。変なの。







スライムが、相変わらず暗いけど。

魔法の失敗談とか、見張りを掻い潜り潜入ミッションとかなんかよくわからない腹黒を只漏れさせながら楽しくしているの。

ビィが時々撫でていくと、目をハートにしているから ビィってば魅了があるみたいなの。

て言うか、何故か同性に酷く効くの。

ビィより大人に効いてるみたいだから年上キラー?

でもパパには効いていないの。

効いていないけど、ビィーーって叫んでる声がいつもするの。



そう言えば、スライムがパパのご飯をつまみ食いしながら管理していた。

後、寝ているときにもこっそりお世話をしているからおかしいの。

こっそりしないで堂々とすれば良いのに?

うん。堂々と頭を磨くことしかしないの。

パパは鏡を見ながら、ため息をついている。

うん? 格好いいよ? パパ。







さて、あたちはビィからスキルをコピーしてこなきゃなの!

ビィにすりすりすると貰えるの。

ビィは大抵誰かをすりすりしているから大変なの。

ビィを見つけたら、飛びかかって抱っこしてもらうの。

エイ、やあ、とぉ?

ありゃ?

あたち、いつのまにか尻尾が増えている?

ん? ビィが足のしたでつぶれて。てへ?

あら? あたち、大きくなった!

あ、あかん。ビィの魅了が発動する。

ドロンチョ

元の小さい狐に戻りました。

てへ?

ビィが起き上がって、なでなで。

ぐふ。

飛びかかって許して貰えるのは小さい狐だけなの。

大きい狐がすると叱られるの。

えーと。

だからみんな、大きい子が飛びかかると叱られるのよ?

ビィが埋まってるけど。

うん。雷が落ちました。

みんな、ビリビリしてモフモフになっています。

でもまあ良いか。

モフモフをぎゅむとしてくれたから。

なんか麻痺耐性貰えたから。

それにビィの機嫌も良い。倍増のモフモフに鼻歌を奏でている。

みんなで静電気を覚えてモフモフになっ……バチバチ。

失敗。

触れたらバチンとなってしまいました。

さて、調節を!

パパの背中に乗ってもみもみ。微電流を流します。

中々良い感じ。

因みに、こそ泥さんには気絶するほどの電流をお見舞いします。

フフフーン。あたちは使える子。












ビィが畑の草むしりをしてました。

ここは火狐のテリトリーなので、余りチカヨレマセン。

同じ狐だし、お姉さんだし。

狐の世界も縄張りは大切なの。

それに、さっきから雄叫びが。

ビィが引っこ抜く度に、ギャー?と。

草が叫んでいます。変なの。

まぁ近寄れないし日向ぼっこして寝ていましょう。


あんた。何やってるの?


スライムが大鍋で煮られていた。

よく見ると、鍋には一杯ビィが抜いた草が入っている。

スライムは少ししてモソモソ出てきた。

あー、つまみ食いか。

何故なら、スライムの体の中に草が入っている。

草スープはパパが食べていた。

その草美味しい?

「ん? これは珍しい薬草だよ」

ほー、火狐の畑はまだまだ沢山育っていたけど。

珍しいのか。


ギャーーと雄叫びが木霊する。

今日もビィは草むしり。

ちらりと見たらあの草は抜かれた数以上に増えている。

さすが草。とってもとっても生えてくる。

そして

パパの声がする。

「ま、マンドラドラ畑⁉ ビィーー!」

うん。

今日も平和です。








おしまい♪











パパ大好き銀狐の世界でした。



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