スライムな一日
モゾモゾと寝床から這い出たスライムは、横の人間をつつく。
反対側には竜核を取り込んだスライムが同じように這い出てきた。
「ん」
むんずとスライムを捕まえる手。そのまま抱き寄せて懐にーー。
ベシベシ
スライム竜は容赦なく変形させた翼で打つ。
「あだ、あ?」
腕の中にいるスライムと、枕元にいるスライム竜を確認して人間は起き上がる。
「おはよう」
水瓶の蓋をはずすと、スライムは飛び込む。
朝の水浴び。
「……まぁいいか」
スライム竜は人間を見上げ、恐る恐る水瓶の端に。
まぁどっちにしてもドボンなのだが水が深かったときがあり、竜に変形中のスライム竜は深さを確かめてから水面へ。
実はスライム竜は変形が苦手である。
はまって抜け出せなくなった事があり、それからは蓋をするようになった。
「飯行くぞ」
着替えた人間が声をかける。
慌てて二匹が背中に貼り付く。
長閑な一日の始まりである。
骨にかぶりついていると、横からにゅと出てきた手に鷲掴みにされる。
「むきゅ」
もみもみされて、スライムは身を捩る。
「こんな感じにすると大人しいから」
別の男に手渡されて、スライムは素早く逃げる。
「あ」
「スライム、肉」
肉が揺れる。
「ほーらほら」
むむむ
肉を貰い食べてる間大人しくしていることに。
「むきゅ」
「……鳴いた」
「うん。意外と機嫌良いみたいだ」
もしゃもしゃ
もしゃもしゃ
にーくー
もしゃもしゃ
ピカリンコ
オーと歓声が上がる。
治療しとかないとヤバイからね。あなた。
ーー性病だから
「⁉」
ズサッと隙間があく。
うん。
ピカリンコ
ポップ、ステップ、ジャンプ、ピカリンコ!
ピカリンコ
ピカリンコ
ピカリンコ!
「お前ら、休暇にどこ行ってきたんだ……」
「風邪っぼかったのは……」
「なんかだるかったのは……」
「なんか痛いと思ったが」
ズサッ
あ、乙女が!
「………………」
ニゲテイキマシタ。なむむ
凹んだ男たちが。クスッ
ツイデニ水虫もピカリンコ
「❗」
ビカ
ビカ
ビカ
む。健康体!
あら、ローイ。すりすり。
ベシベシ、スライム竜が攻撃してきます。
むふ
「こら、ムイラ。暴れるな」
ロイは野菜を刻み中。
端ッコや皮を貰ってるスライム竜。
……むむむ。
タッチだ! ムイラ。
つーん。
「……」
「……」
「スライム、お前も大変だな」
なんか共感がきた。
むー?
「ほら」
何故に野菜スープ鍋の蓋を開けてくれるのかな?
う。鍋の吸引力が!
ザバーン
あ、乙女たちが戻ってきました。
スライムスープ。
作り方。普通の野菜スープにスライムを煮込む。
効能。美肌。時々スキル。
★☆★☆★
「スライム、お風呂行く?」
声をかけられ、スライムが振り向く。
びょんと乙女の胸元に。
すーりすり
「あらムイラ、あなたもいらっしゃい」
ひょいと抱き上げられ、仲良く廊下を進む。
「あらスライムもお風呂?」
「フフ、誘ってきちゃった」
「皆に知らせなきゃ」
スライム風呂
作り方。湯槽にスライム浮かべるだけ。
効能。美肌。美容全般。
☆★☆★☆★☆★
「あらウサギ、洗うの?」
「毛艶が違うのよ。スライム毎日お風呂に入らないかしら」
「そうね、でもあんまり煮たら小さくならないかしら」
「スライム」
水面に浮かんだスライムをもちあげる乙女。
「野生のスライムは同じ効果あるか解らないし」
「捕獲禁止よ。あれでも絶滅しそうだったのだから」
「ムイラおいで」
抱き寄せられ、胸の谷間が目の前に。
「ネネとモモもいらっしゃい」
「やだ、蛇ッ子放したの誰? のぼせてるわよ」
ビチビチ
★☆★☆★☆★☆
「……」
ムイラの見ている光景が送られてくる。
ロイはゴンとテーブルに頭突きをした。
あの子は何処に紛れ込んで?
「女子風呂だろ」
ゲフ
横からの声に蒸せた。
「俺のコウモリは天井にいる」
「……こら、何処に乗り込む気だ」
「殺されても知りませんよ」
「行く前に、お前が殺されるんじゃ」
「……いえ、貴方が先に確実に」
「ん?」
ごふ
メイスが振り落とされる。
「はい、ムイラ」
恐い。ピクピクしているよ。
「ああ」
スライム竜が手渡される。
「ねぇ、スライムの目は誰と繋がってるか知らないわよね」
「子供らしいですけど、良くは知りません」
「子供、……はぁ、じゃあスライムとお風呂もうダメね」
「少し浮かべれば効果はあると思いますが」
「フフ、そうするわ。じゃ」
ズルズル引きずられていく男。
「……まぁ死ぬなよ」
ズルズル廊下を別の男を引きずった乙女が通る。
「……」
よもや確信犯?
ベシベシ
誰に手をふっているのですか。ムイラ。
★☆★☆★☆★☆★☆
寝ているビーの横で、うら若き乙女の幻覚にビーパパが、しばし固まったのは誰も知らない。
因みに、レーガルは男湯画像が流れ
アルは、浮気のばれた男が必死に謝っている姿を垣間見た。
恐怖体験である。




