ヒャッホイ
ヒャッホイ
こんにちは、スライムです。
現在、亜種竜と対決中です。
なんでそうなったか?
なんででしょうか?
良く覚えていませんが。
とりあえず弱いです。
うん。首をハネトキマショウ
おや。半泣きなスライムがプルプルしています。
タメですよ? 弱い個体をパートナーにしては苦労します。
そうパートナーは強く!
やはり首をハネトキマショウ
チャキン
……半泣きなスライムが豪泣きになっています。
これ、そんなに水分を出すと干からびるよ?
うん。可愛いなぁ。
ぼくもあんなのだったら、マスターはぼくを忘れなかったでしょうか?
マスター……。
うん。憂さ晴らしに首をーー。
スライムVS豪泣きスライム
おや。対戦です。
良いでしょう。
影に隠れずに出てくると言うなら相手を致しましょう。
チャキン、チャキン、スパン!
あ、ヤバイ
真っ二つになってーーなかった。
竜が間に入っています。
ほむ。
鱗真っ二つですね。
……食べておこう。
モシャモシャ
ウム。旨い。
モシャモシャ……お?
涙目な竜と視線が合う。
……。ピカリンコ
ヒールしてみる。
まぁなんだ。豪泣きスライムくん、強制スキル学習指導
あらよっと!
あら、目を回してしまいました。
まぁ、目を覚ます前に竜を喰っとくか?
ちらり、ジュル
竜は一目散に逃げ出した‼
うん。勿論目を回していたスライムもひっ掴んでだ。
……。
シャキーン
鬼ごっこですか?
捕まえたらその尻尾食べて良いよね?
シャッホーイ
いただきます。
「あー、逃げてる逃げてる」
「あれ割と強い方だったよな?」
原っぱを走り回っている竜に、それを追いかけるスライムが観察できる。
「生存ピラミッドどうなっているんだろうなぁ?」
普通のスライムが竜を捕食。
少しおかしい光景が繰り広げられている。
「まぁ、スライム連れた個体だけらしいが」
「……なんで飛んで逃げないんだ?」
「飛んで逃げたら余計酷い目に合うらしいぞ?」
「……ハハハ」
嫌すぎる。
「おーい、スライム。ご飯だぞ~」
もう突進していたスライムがピタリと止まった。
同時に、竜も止まる。
なぜそこで止まるのか? 疑問だ。
人間が首をかしげた。竜がちろりと後ろのスライムを見る。
スライムは、もう竜の事は忘れ去っていた。
ご飯だ‼
その単語が木霊する。
キシャー
一目散に、人間に向かって走り出す。
スライムの注意をひくのは簡単だ。
捧げ物を差し出せば良い。
竜は、走り去っていくスライムをしばらく見送りはっと気がつくと 忍び足でその場を離れた。
今回はドロー。いや、途中でリタイアしたスライムの敗けが普通である。
人間にご飯をもらう。
人間のご飯は旨い。
ヒャッホイ、卵焼き
ヒャッホイ、茹で野菜
ヒャッホイ、毒草の根子。
ン?
何か変なのが混ざっていたような?
モシャモシャ
「そういえば犬の調子はどうなんだ?」
「微妙だな。食欲もないし、だから今日はスライムに食べさせてる」
「……いやお前、 弁当食べさせるなよ」
モシャモシャ
「だってお前、食べてくれないだろ」
「あのな」
誰が他の♂のために作られた弁当を、この男は最初から食べようとはしない。というより、腹ペコなのが側に居て大抵はそれらに食べさせてしまう。
今回は腹ペコなスライム。
おかげで竜は無事逃げたらしい。
「……彼女、お前が食べてくれてると思ってるんだろう?」
「ン?」
どこ吹く風で、スライムが斑になったのを観察しながら首をかしげた。
「スライムって斑になったっけ?」
「ほえ?」
モシャモシャ食べまくっているスライムは、ピンクや青のマーブル模様になっていた。
「……」
人間は静かになった。
モシャモシャ?
「この反応ーー」
スライムが出入りするようになってスライムの状態異常の変化に多少の研究成果が出ていた。
斑スライムは毒に反応したときのものだ。
「……古い物でも混ざっていたか?」
「お前」
人間は面白い生き物です。
お花が咲いてます。頭に。
と言うより、彼は毒耐性が高いのできっと食べても平気です。
幸運の称号とあるので、大変な状況にはならないでしょう。
もっとも周りは運が悪い状況になっているかもしれません。
モシャモシャ
「彼女はちょっとどじっ子だから」
ハイハイ
毒っ娘の間違いです。
取り敢えず、その手に持っている水筒も寄越しなさい。
ハーブ茶?
凄い渋味がありますが。
ゲフ
「す、スライム?」
ピクピク
人間が慌てています。
うむ。お休みなさい。
ふう。良く寝れました。
目の前には、 暗殺者が居ます。
彼女は間違いなく毒っ娘です。
だって華の女神の侍女見習いと言う称号持ちです。
将来の就職先は安泰らしい。
しかし。
ちら
鍋を混ぜています。
中身はヤバイのですが食べるのでしょうか?
……食べるんでしょうね。
お皿に盛り付けています。
どぼん
「……」
毒っ娘が無言の圧力を‼
「あ、ゴメン、そいつ午後から気絶していて水分不足なんだ」
人間(男)が謝っています。
「先に水ーー」
鍋にどぼん。熱い。
「うぇ、そんなに渇いてたの⁉」
ええ、もうパリパリで。
「スライム?」
どうも、こんにちは
ぴょんぴょん移動して、サラダにダイブ。
モシャモシャ
うーん、しびれる。
痺れ草なんでサラダに混ざっているのでしょうか?
「お腹もすいてるの?」
「そ、そうなんだ」
焦ってる。焦ってる。
オー! にーくー
チャキン
フォークが❗
たらり
フォークが降ってきました❗
ドキドキ
ど……
ナイフが煌めいて❗
たらり
「切り分けて上げるからおとなしくしていなしい」
ハイ!
まぁ、あの肉につけられた調味料の量なら大丈夫……多分。
モシャモシャ
あんたの妹さん。料理スキル無いです。
家事スキルも無いです。
てかお兄さん、貴方が優秀すぎです。
ちら、ちら。
モシャモシャ
も……! トウガラシ!
もーえーるー
「あはは」
ちょっ、お兄さん?
ええ、毒っ娘、毒殺して良いよ!
「やだわ、毒なんか入ってないわよ? スライム?」
げふ
毒ばかりですが?
べし
あらよっと
食事は美味しく❗(スキル料理)
お部屋は綺麗に❗(スキル家事)
食材は大切に❗(スキル採取)
あ。
お兄さんが伸びた。
さすが、毒っ娘!
もっと大丈夫そうですね⁉
では!
薬草学!
毒草学!
調剤学!
錬金術!
スライム語!
鑑定!
ふう。
毒っ娘は目を回した❗
勝った❗
……。えーと、放置したら怒られる?
ま、いいか。
ボク、スライムダカラ♪
モシャモシャ
・
・
・
ピンチです。
目を覚ましたら鳥かごの中。
そして。
お偉いさんが居ます。
開けて?
小首を傾げて可愛くアピール。
「……スライム」
はいはーい。
「娘にも料理を教えてくれないだろうか」
は?
どうやら毒っ娘は増えているらしい。
本日は料理教室です。
乙女たちが沢山居ます。
ちょっと微妙な乙女も混ざってますが。
は、殺意が‼
コホン。
とりあえず、お料理です❗
さあご飯を‼
ぴかりんこ
あらよっと。
次はお片付けです❗
おまけを!
えい、やぁ、とぉ
良妻賢母
賢さは必要です!
さあこれで男を手のひらで転がしなさい‼
チャキン
「スライム」
お偉いさんが骨付き肉をてんこ盛りにして微笑みます。
「息子にも何かーー」
うん。お肉チョーダイ?
息子はともかく。
貴方には、ぴかりんこ
もっさり
「……」
さあ、奉納品を‼
フンフンフン♪
お肉の山です。
何か忘れているような?
気のせいです。
しかし遺伝とは悲しい現実です。
ぴかりんこ
毎日毎日ハゲの治療。飽きました。
誰ですか?
ハゲ量産しているのは‼
ハゲール草。効能。疲れ知らず。
しかし副作用として禿げる。
花壇に沢山栽培されています。
「……」
モシャモシャ
「彼ったら何時もは飲むの嫌がるのに、最近は用意しておいてくれって言うのよ」
「そうそう、何故かーー」
おや、乙女たち?
「は、畑荒らし‼」
捕まりました。
捕縛術を教えた毒っ娘が紛れてました。
うむ。反省。
「スライム、畑を荒らしたとは本当かね?」
もう禿げ治療拒否ります。
「⁉」
「スライムがストライキ⁉」
「スライム、お願いだ! 治療を‼」
いーやー
男たちの泣き落とし。
いーやー!
ムサイ
「あら、可愛いスライムね?」
ギャフ。毒っ娘改め毒婦人!
ドキドキ
誰ですか! こんなこわい娘をお嫁にしたのは⁉
目が泳ぐ男たちのなか、そっと手が上がる。
あんたか⁉ お偉いさん。
良くお嫁に来たね?
「私の菜園、食べちゃったのですって?」
ぎゃ
たらり
ダラダラ
ちゃきーん
キレイなお姉さんにはやさしく❗
キレイなお嬢さんにはヤサシク
乙女の手のなかで、むにむにされながらスライムは学習した。
畑を荒らしてはいけない‼ーーと。




