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貢ぎ物

スライムです。

三首のそれぞれに、そぅと子分を乗せる。

なんでしょう? 少し恨めしそうです。

いや、その子達ちゃんとヒール使えますから!

強制的に覚えさせました。

チラリと後ろを気にする三首。

なんでしょう? 並んでいるのは気のせいです!

順番待ちを覚えている獣。誰が教えたのですか?

ええと、次の方?

のしのし後ろに並んでいた竜がクルクル喉を鳴らす。

ええ、スライムは沢山います。持ってけ!

ウリャ!

とりゃ!

どうだ!

カビン。列が伸びてます。

……あの、グリフォンなんで並んでいるの?

スライムを呼び寄せてヒールを入力。

ふふふ。大量にさばけました!

あ、そういえばその子達にご飯はちゃんとあげてね?

あげないと食べられてしまいますよ?

聞いちゃいませんね。まぁいいですけど。

人間のいる場所にますたーはいませんでした。

しばらく旅をしていたので、また旅に出たのかもしれません。

ますたー。何処ですか。


保護区の獣達が、スライムを乗っけて歩くのが普通になるのはそう遠くなかった。







「今日もボスは走り回っているな」

スライムがパシャパシャ走り抜けているのが見える。

「……まだ探しているのかな。置いていったマスターを」

「まぁ契約魔法使えなかったらしいからなあ」

「え、あいつ使えなかったの?」

「そう、それなのに竜や狼と戯れていたらしいぜ」

ツンデレの竜が子供に甘えている姿を目の当たりにし落ち込んだものだ。

「だから仲間がいるところに放しに来たらしいが、ああ探している姿をみるとちょっとな」

「竜が付いていったはずだが」

「渡るらしいから、今頃は別れていると思うが……あれら別れられるのか?」

子竜のなつく様や、親竜のヘタレっぷりは生暖かく見守りたくなる。

渡る竜は海を越えていく。他の大陸にいっていると言われるが研究は進んでいない。

「次帰ってくるのは最短5年先だっけ。……スライムの平均寿命って何年だっけ」

「さあな」

そんな統計したことはないと思う。何せスライムだ。

「そういえば食堂の鍋に時々落ちているらしく、スライムスープはうまいらしい」

「あー、ありゃ結構問題だよな」

「衛生管理最悪だが、食べたことあるか?」

「スキルぽろぽろ降ってくるから基礎のなってない若いのには禁止だぞ」

「ほえ?」

「だからスープの無くなる後半にしか休憩が貰えなくなったんだが、腹減ったーー」

減った。

何か重要な事も含まれていた気がする。

「スキルが降ってくる?」

「食いてえぇーーあー」

ぴょんぴょんジャンプ!

どかどか!

勝利!

目を回した人間の上でポーズを決めるスライム。

接近に気がついたみたいですが、要鍛練。

ぺしぺしスライムビンタをして見ますが起きそうにありません。

チラリと見上げれば、目を見張ったまま固まったもう一人の人間。

ニヤリ

我に返った人間が逃走を図りますが逃がしません。

ウリャ!

最近気がついたのです。食事時間に仕込みをするとノラ人間が徘徊していることに!

ウフフ

「た、たんま」

戦闘で待った!など有りませんよ!

見張りなのになっていません!

うりゃ

とりゃ

どりゃ

「お、おすわり!」

う。

何処でその呪文を!

「そら、さかなの乾物」

ピラピラ

む。

ウムム。

ちょっと待ってあげましょう。

モグモグ

おしゃべりして見張りサボっていたのは見逃してあげましょう。

モグモグ

ウマウマ

「玉子焼き、甘いよ。オレ甘いの好きで」

モキュモキュ

甘い。ウマウマ



「……よう、交代て寝てるなよ」

そいつは絶賛気絶中。

「た」

もう一人は切羽つまった様子で飛んできた。

「ん?」

「たべものっ」

育ち盛り、よっぽど腹ペコらしい。

「食べ物何かありませんか!」

普段尖っている態度しかしない若者が妙に丸い。

涙目で見上げられ、怯む。

「携帯食なら」

取り出した袋に飛び付き半ば強引に拐う。

「そのちゃんと食堂に行って……」

モシャモシャ

スライムが食べている。

「成る程」

「食べ物!」

食べ物コールをする相手に水筒を差し出す。

「喉かわいただろう? 一気に呑んどけ」

何の疑問ももたないのか蓋を開けると、ぷすっとスライムに逆さまにする。

「そうそう、良くできました」

「……食べ?」

それはキョロキョロと辺りを見回して、自分が何に抱きついていたのか理解し飛び上がった。

「す、すみませんっ」

「いや、交代遅れたし。所で見張りの重要性は理解できたらしいな」

スライムはでろんとほのかにピンク色に染まっている。

「俺、魅了されていた?」

「完璧にな、そうそう速く食堂に行かないと何も残ってないぞ?」

「!?」

まだスライムに乗っ取られ中かと思われる素晴らしい反応速度で食堂に走っていく姿を見送る。

「……お前は優秀だな。もう中和したのか」

スライムがモソモソ動いている。

「ほい、捕獲」

ペシペシスライムが暴れるが、気にした素振りもなくーー

「ほらお前が倒した奴回復しとけ」

伸びている男の顔面にスライムを放る。

ピカリンコ

ピカリンコ

本能がうっかり反応したらしい。

「そうそう、あ」

ピカリ!

「……まて、何をいれている」

ピカリ、ピカリ

フフフ

「お前ね、スキルは血へどを吐きながら欲しいぐらいの時に閃かないと」

無理矢理実験体から引き剥がされます。

「ええと、newはお笑い芸人? 将来安泰壱芸は身を立てる?」

何か変なスキルが増えている。

「こらスライム。お前ーー」

手の中のスライムと視線があい、バチバチとスパークしている。

む。逃げられた!

む。分身?

「……おーい、スライム?」

む。変形?

うえっぷ

壁に向かってバチバチしているスライムをじっくり観察していると、そのうちにスライムはへにょんと動かなくなる。

「……成る程、酒は天敵なのかな?」

すっかり酔っ払っいぐうぐう寝こけたスライムを捕獲し、寝たままの男を小突く。

空になった水筒を拾い、奮発するんじゃなかったと少しだけ男は後悔した。






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