スライムの世界
スライムです。水遊びに熱中していて気がつけば人間が居ませんでした。
ガーン!
慌てて見回せば、ディジーが少し高い場所で大人しくしています。
ディジー?
どうにも元気がありません。
うん。水がたくさんですから植物にはきついのでしょう。
腐らないでよ?
………………。うん。やばそうです。
この際、 藻になってはどうでしょう?
水性植物?ですよ!
嫌そうです。
確かに水性食虫植物ってなに!ですから。
ディジー、もう少し水の少ない陸地にいたら?
うん。ヒールです。
ヒール、ヒール、ヒール
ダメージ大です。
しょうがないので、ディジーを背中にくっつけます。
ヤドカリのいそぎんちゃくの引っ越しさせるみたいです。
水分管理。
栄養管理。
ディジーの根っこを消化しないように!
パシャパシャ水面を走ります。
途中捕まえた魚をディジーの虫取袋にいれる。
新種スライムディジー。
いやいや、そんなのに進化しませんよ?
と言うか、ディジー寝てます。
回復、回復。
うむ。ネンネンコロリ……ふんふんふん。
ぐー、
は、自分が寝てしまった!
ん? 寝ている子に子守唄はいらないか?
萎れている葉っぱ。
あうーなのです。
視界の端で、かの女神様がふよふよしています。
こんなディジーを見つけたら、さくっと刈られてしまうでしょう。
なにせ、ディジーはかの女神の肩に乗ったことがアルのです。
見つからないようにしないと!
ディジー、ディジー、可愛いね。
ますたーの声を真似てささやきます。
ディジー、ディジー、きれいだね。
ちょっと葉っぱが元気になってます。
うん。
え? 何処から声を出すかって?
企業秘密です。
いや、以心伝心かも?
よくわかりません。
とりあえず!
ディジーは可愛い!
ディジーはきれい!
葉っぱがつやつや!
ええと、コッコの丸焼き美味しい!
ディジーが育てたの? すごいね?
だっけ?
肉大好きますたーは、言いそうです。
うんうん。
ええと、卵大好き! ワーイ、オムレツ!
ディジーが育てたコッコの卵!
ディジーすごーい! 偉いぞ!ディジー!
ホメホメ、ナデナデ
くてっとなっていた茎が伸びる。
遠くの山に立ち入り禁止がでる。
あれはますたーの設置看板。
うん。気になりますが行きません。
ええと、ますたーは果物も大好き!
ディジーの育てた果樹園から取れた果物!
美味しいよ。ディジー!
よしよし。花も艶々しだした!
おや? 女神がすっ飛んで何処かにいってしまいました。
何処かで洪水でも起きたのでしょうか?
ディジーの花畑。きれいだね?
でもディジーの方が綺麗だよ!
うーん。ますたー、スライムがきれいとか可愛いとか言ってくれたことあったでしょうか?
え? こんなに薬草育てたの?
ディジーお世話大変だったでしょう!
えらい、えらい!
ん? ますたーは僕を誉めてくれたことあったでしょうか?
なんかいろいろ無茶ぶりをされた記憶しかないような?
あはは! 気のせいでしょう!
さて、ディジーは偉いぞーー。
旅が終わったら、ディジーのコッコと卵と果物が食べ放題だ!
花畑でピクニック!
うん。楽しみだな?
ん? 旅が終わったら?
どかーん
山が火を吹いて……。
うん。だから立ち入り禁止が出てたのか?
流石ますたー!
ディジーがびくんと反応しました。
うん。びりびりすごかったからね。
もくもくと上がる黒煙を見上げる。
そう言えば、ディジーお留守番言い渡されていたのでは?
ディジーがキョロキョロ辺りを見回してます。
うん?
ますたー! どこ?
背中から降りると、あっちこっちバタバタ走る。
錯乱。
さっきまでますたーが愛をささやいていらしたのに!
ポリポリ。
うん。ますたーはお仕事に行ったよ!
だからディジー、先に学園にかえってお出迎え用意して?
はたっと気がついたように、お出迎え!と叫んでいます。
コッコの丸焼き!
オムレツの山!
果物盛り合わせ!
うん。そうそう、花も飾って?
キシャー! 帰る!
そうそう、帰ってーー。
あ。
ディジーは一人で転移した。
ひゆー。
風が冷たいです。
ディジーはすっかりスライムのことは忘れたみたいです。
迎えに戻って来ないかと期待してましたが 。
見回せば、スライムがほよほよしています。
何も考えてないですね?
暖かい日向ぼっこをしながらウトウトします。
そうです。
あの瞬間までコレガ僕の世界。
うーん。
なんて安全な世界!
スライムをわざわざ食べに来る生き物居ません。
水がきれいなら生きていけます。
まあ、魚が時々つつきますが逆に捕獲して食べておきましょう。
ムシャムシャ
なんて長閑な世界!
ほのぼの。
水辺の生き物。あれは大きいので捕獲は無理だ。
うん。
まあそのうち食べてやろう。ジュル。
スライムを観察。
何も考えてないですね。
ツンツン。
パシャー!
おわ? 刺激に反応します。
ドキドキ。
竜が空を飛んでいく。
あ。
ますたーの竜。会えたのでしょうか?
ほよほよ。
ぐー、眠いです。
ディジー。君が錯乱するほどますたーが大好きなんだね。
今頃、コッコの毛をむしっているかもしれないけれど。
うん。
とりあえず眠いです。
ディジーが嬉々としてコッコの羽根をむしっていると後ろから学園長がひょいと捕まえる。
ビィの衣服でぐるぐる巻きにする。
ピキッとディジーが大人しくなったところに、封印札をつける。
そして祭壇に御供えされた。
コッコが禿げたが、まあ問題ない。




