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ふわふわの

冷たく凍えていた。

冷えた身体は自分が脱け出すのを繋ぎ止めれなかった。

ふよふよと登って行くと、親竜の温かさに少し触れた気がした。

ああ、戻って来れた。

でも、もういかなきゃ。

ぴょこんと、雛竜が顔を出す。

ああ、兄弟たち。無事生まれたんだね。

鼓動が消えたような気がしていたけれど無事だったんだね。

でも、いかなきゃ…………いだ?

あだ? 何ですか?

兄弟たち。痛いです。

むきゅ

最初で最後の兄弟喧嘩ですか?

てか、2対1なんですが!

うぎゃ

ハアハア、少し早く生まれただけで体力面にかなり違いが!

ん?

卵の側に何かーー。

あ、ますたー? が寝ています。

むふ。寝顔です。

すりすり。

ちょっとうるさいですよ? 少しぐらい触っても良いでしょ?

む?

兄弟たち。ますたーに触り放題ですね?

むう……。

ちょっと。心惹かれる状況です。

う。

でもいかなきゃ。

えー、ますたーが泣くから行くなって?

でも。

えー、ますたーが怒ると恐い?

えー、山? ああ!

あの温かい山ですか。

アチアチ騒いでましたね。運んでたあの子は。

でもお陰で少しだけ生き延びーー。

「ん、はいはい」

むぎゅ

寝ぼけたますたーが抱き寄せました。

ますたーのギュー

「良い子、おやすみ……ぐぅー」

寝ぼけたますたーが、可愛いです。

「ん、よしよし、ハイハイ」

ますたーが、撫で撫でして卵にちゅーを……。

ますたーにちゅー。

ますたーは温かい。トクトク鼓動が聴こえます。

キーック!

キーック!

酷いです。兄弟たち。

いきなりダブルキックです。

息が合ってますね。

蹴り飛ばされて、卵にぶつかり……ませんでした。

卵を通り抜け……ませんでした。

あだ?

痛いです!

身体が!

しくしく。さっきは、抜け出るのを気にもしなかった身体が!

イデ!

しばらく痛みと格闘していると、身体が温かくなってきました。

眠くなります。

生まれるまでもう少し。







しゃきーん!

本日は殻を蹴破って、外に出る日です!

ていていてい!

む? 固いです。

がりがりがり?

むう……。こうなれば、燃やして!

……。

いや、こんな狭いところで燃やしたら、逃げ場がありませんわ!

おほほ。危ない。自分でこんがりローストするところでした。

ん? となると魔法使えないやん?

地道に蹴るか?

ゲシゲシ

ゲシゲシ

ガンガン

…………。

キシャー!

ますたー、殻硬くしすぎ!

しくしく

疲れました。

生まれるって大変なんです。

少し休憩。

うとうと、ぐぅー。


「うわ」

外が騒がしいです?

ん? 卵を揺らしているのは誰ですか?

ドガ

痛いです。

「ギャー、 わ、割れた!」

誰か焦っています。

ん?

ヒビが! ゲシゲシ!

キシャー!

ますたー! おや! ますたー?

少し見ない間に、大きくなりましたね?

ん?

誰ですか? あなた?

ますたーだけど、ますたーじゃない!

ますたー!

ますたー!

「うわ、レオン! ヘルプ」

あ、パパん。

ごはん。モグモグ。

「大丈夫?」

人間が観察しています。

ぷいっ

無視です。

モグモグ、モグモグ、

ちら

人間。気になります。

とりあえず、背中にくっついて……。

転がり落ちてきた。

ムウ。背中の定位置にへばりつけません。

まだ生まれたて。これは仕方ありません。

背中が無理なら頭で。

デロ。

パパんから肉をもらいます。

こぼしてますが、気にしません。

「……こら」

うん? 誰ですか? 卵を落としたのは?

「う」

落としたらしい。

まあ迷子の卵を迎えに来てくれたから気にしませんが。

でっかいますたー? 僕の兄弟たち知りませんか?

兄弟たちは、小さいますたーからお肉をもらってました。

ガーン

どうやら、小さいますたーが兄弟たちに気をとられている隙に、卵を見に来たらしい。

そして落っことすって?

まあ良いですけど。

モグモグ

パパんを独り占めしてますし。

あ、ママん。

デロ。

「…………おい」

ん? 食べる?

パパんとママんに見つめられて、強気でいれる人間?は 小さいますたーぐらいですよ?




「アル。雛落とすなよ」

背中に歳上の姉竜をくっつけたレーガルはアルが卵を落としたのを目撃し、雛が飛び出してきたのも見た。

そして鳴かれて親にヘルプするのも。

どうやら生まれたてで、アルを尻に敷く。

流石竜種。

しかし背中から転がり落ちたり、ハラハラする。

危なっかしい。

ビィが気が付いて走ってくると、雛はビィに貼り付いた。

アルの微妙な顔を見て、くすりと笑う。

背中にいた竜もビィに貼り付いているから、理解できる。

まあでも、ビィが見たがっていた生まれる瞬間を立ち会ったのだ。

まあタイミングの微妙なビィだ。

一番の望みは叶わない。

本当にそうらしい。

赤目の呪い。

「むう、レオン、継ぎの繁殖期は何時?」

どうやらビィは、まだ諦めてないらしい。

と言うか、次回また来るのか?







くっついていた卵は、なんかコツコツ音がする。

生まれるか?としばらく撫でていたが、いつの間にか音はしなくなってしまった。

疲れて寝たらしい。

リリスが、牛を捕まえてきた。

首の一撃と逆さにして飛んできたらしいので、血抜きはばっちり。

旨そうな肉である。

竜の子供たちが集まってくる。

もう半分消化した肉でなくても大丈夫な雛たちは、喧嘩をしだしたので仕方なく肉の切り分けをする。

て、大人しく並ぶのはなんでしょうか?

あーん

あーん

あーん

……ハイハイ。あーんですか。余所の雛も並んでいますが肉は沢山有るので順番に肉を与える。

しかしレオンより狩り上手いですね。

数日おきにリリスが仕留めてきます。

ふと見ると、アル兄に雛が甘えてました。

何処の雛?と思えば、卵が割れてました。

少し目を離した隙に孵ったらしい。

白いと思っていた雛は、よくみたら金色だった。

綺麗だ。

だがしかし卵は全部孵ってしまった!

レオンに継ぎの繁殖期を聞く。

レーガル兄がため息を盛大にしている。

うん?

次はこっそり来るから大丈夫!

キラーン。

竜の視線が鋭いです。

「……お前がこっそり来ても、こいつらが行列してすぐばれそうだな」

お忍びだから、知らんぷりしてよ?

「ビィ! 孵卵機の卵が割れそうよ!」

「!」

飛び込んできたマロンの声。

ピヨピヨピヨピヨ

孵ったのは、エミューの雛だった。

ふわふわの命。

雛はビィの回りに固まってモフモフしほうだい。

「……エミューって美味しいの?」

ずさーと、蜘蛛の子が散るように逃げ出した。

美味しい自覚は有るらしい。



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