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おもちゃ箱は氷山の一角

ソールの目の前でスライムがまてをしている。

ポヨヨン

確かに移動はしていないが、それがまてをしているのか。そもそもスライムの生態の一つなのかソールは悩んでいた。

ビィはスライムをじっと見ている。

どちらも まて 状態だ。

学生たちは一列に並び、その前にいる従獣たちが まてをしている。

後ろで、装備品の手入れをしながらチラチラ見ている部下がヒソヒソと話している。

「なあ、お前のまてなんか出来るか?」

「するわけないだろ」

いや、丸聞こえ。

と言うか、まてをどのぐらい出来たら良いのだ?

十五分経過。

ポヨヨン。

ビィがうとうとしている。

背後の部下がそっと耳打ちする。

「隊長、待てばは一分ぐらいで十分ですよ」

「と言うかスライムよりもたない主はどう評価したら……」

ビィは完全に寝ている。

「一日騎鳥に乗ったんだ。疲れて当たり前だろう」

ヒソヒソ

まあ子供。疲れて寝てしまうのは普通だろう。

「あー、もう良いぞ。ビィを寝かせてあげなさい」

兄のアルはビィを抱き上げ、ニタリとしている。

うむ。任せて良いのか悩める光景だ。

まあ兄弟だ。問題はないだろう。

「スライムがまてを出来るとは知りませんでしたよ」

わしも知らんよ。

「いや、他のも凄かったですね」

彫像のようにまてを披露した従獣たち。

「そういえば小鳥は時々偵察に出てましたね」

「狐は癒しを出来る見たいですし、ウサギは結界を張ったりしてましたよ」

規格外。

「フム、スライムは他に何ができるのだ?」

「料理の味付け?」

「魚釣り?」

「猪や鹿とかきれいに倒しているよな」

「後はヒールやら毛繕いとか」

なんじゃそりゃ

「あれです」

後ろで繋がれた騎鳥がいる。

スライムが登っていく。

「スライム、ビィに付いて行かなかったのか」

「あー、アルが投げていきました」

スライムは騎鳥の頭の上まで登ると、ピカリと光る。

「ヒールしてます」

「ビィが乗った鳥だからな」

一時光ると次はゆっくり動いている。

毛並みが明らかに違う。

横の鳥がスライムをつついている。

何度目かでスライムを捕まえるのに成功し、自分の背に乗っける。

スライムはキョロキョロしたあとピカリと光る。

それからモソモソと動き、ある程度動き回った頃また別の鳥がスライムをつついている。

「ありゃ大変だな」

「あの鳥の順番は順位順ですよ。今日は鳥ですがこの前は馬を磨いてましたよ」

そういえば、妙にきれいになったと思った。

「なるほど、つまりお前たちが腕をあげたのではなく全部スライムの恩恵だったと」

しまった!という顔の部下をニヤリと見回す。

「ほほほ」

悪どい笑顔を見せた。




☆ ☆ ☆


朝起きてきた隊長に挨拶をしようとして、部下は息を飲んだ。

ツルツルリン

の上にスライムが乗っかっている。

男はみな視線をそらせたが、女たちはしげしげと見つめた。

「あの、隊長」

「ん? なんだね」

「昨夜はスライム捕まえてましたよね?」

「ああ、そうだね」

良く見ておる。

ヒソヒソ

「その、手とか爪とかスライムがお手入れを?」

「ん? さぁ起きたらこうだったな」

ヒソヒソ

「あのスライム借りても」

「ん? これはビィのだぞ」

「ええ、少し触らせて下さい。スライム触る機会はないかも知れないので」

スライムは女性の手の中に。

「ぷにぷに」

「この手触り」

きゃっきゃっ

「あ、ダメよ。次は私」

スライムは逃げられない!


アルが通りかかる。

艶々したアルを見てヒソヒソと話し込む。

「あ、あのアル様」

「様はいらないよ? なんだい」

「あの、昨夜はマロンさんとご一緒で?」

「いや? ビィ抱いて寝たけど?」

ヒソヒソ

「ビィの寝顔可愛くて可愛くて、……手を出すなよ」

アルのブラコンは折り紙付きだ。

「そんな怖いこと致しませんわ」

にっこり

女性たちに囲まれ多少居心地の悪いアルはそそくさと逃げ出す。

ヒソヒソ

なぜかマロンを連れ込んだ時より視線が多い。


「…………っち」

マロンが舌打ちしている。

怖い。

「ばれたわ」

「んぁ?」

マロンの視線の先をみる。

ビィを囲んで、女性たちが働いている。

「ビィのお手伝いすると加護の効果が来るのよ」

「加護?」

アルが?マークを出す。

「そう抱っこしていると幸せな感覚。体調良くなったりお肌ツルツルとか」

「良くメイドの膝に居たな。あれか」

「困ったわ」

マロンが呪いの言葉を吐いていたが聞かなかった事にし、再度ビィをみる。

レーガルが通りかかり、ビィを抱っこして連れていった。

「…………」

「ライバルは手強いわ」

兄と取り合っても不毛なことをアルは理解している。

学園で独り占めしている現状、兄とうまく距離を持たないとならない。

「……朝御飯大丈夫かしら」

ビィが離れた集団の鍋がモクモク黒煙が上がるのを横目にため息が漏れる。

「……なあマロン」

「なぁに?」

「結婚しないか?」

ドゴンと鍋がぶっ飛んだ。

朝食は消し炭だ。

「嫌よ」

にっこりと竜も逃げ出す微笑みを張り付ける。

「私将来は田舎でのんびり農場経営するのよ? 縄脱けもできない旦那じゃ、盗賊に捕まったら毎回助けにいくのは私じゃない!」

ヒソヒソ

アルの求婚は失敗に終わった。

その上直ぐに広まり、男連中から助言を山ほど授かった。


「兄上、プロポーズは花束ぐらい用意してください」

ビィのとどめは泣けた。


☆ ☆ ☆


ますたーが剣を持っています。

危ないです。

危ないです。

ここ重要です。

対するはレーガル兄。

すらりとかまえは様になってビィは目を輝かせています。

「てぃ」

ビィの突撃。

ヒラリとかわされます。

「うりゃ」

剣で弾かれ、よろめいて……。

「にゃ」

再度剣をかまえます。

ますたー、にゃってなんですか?

可愛いですけど!

「むぅ」

あ、横で見ていたアッシュが悩殺されてます。

ん?

ピカリンコ

ビィは誘惑を覚えた!

「あれ?」

ますたーは首を傾げています。

「剣術来ない」

なんと。剣術が欲しいのですか?

タラリ

無理です。

ピカリンコ

ビィはおねだりを覚えた!

「にゃ?」

ビィは甘えるを覚えた!

すーりすーりすーり

一緒にスライムも覚えてますです。

甘える。甘える。甘える。

「ビィ、今のリピート」

「にゃ?」

マロンが悶えています。

何かいけない技を覚えた気分です。

「スライム剣術だよ?」

うお、たねだりされても。

剣術

剣術

剣術

スライムは剣を覚えた!

あれ?

「スーラーイームー」

んぎゃ

それに剣ってなんですか?

ヒラヒラビィの剣をかわしながら逃げるスライム。

ん? 剣?

「……」

「スライムって器用だな」

変身!

剣!

ますたー剣です!

ああ、なるほど。

スライム剣をもったますたーは安全です。

振り回されてスライムが目を回したのは、言うまでもない。



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