第69話:白き嵐の最終襲撃(第23章・第3部)
無効化領域が抵抗し、聖流を胸の内側の痛い圧力へ押し潰した。
標識を起動させずに、力で上回ることはできない。
外からの助けが必要だった。
「ジャスミン」と、弱い通信糸へ言った。「私の脈動をジャンプリートへ運んで」
雑音越しに返事が来た。
「聞こえています」
温かな線が監房扉の下に現れた。
それは上階廊下にあるジャンプリートとメリザンドの結界へつながり、そこからベネディクトの戦術ルーン、エタナの安定光、オズリックの錨、キャサリンとラファイエットの風路、中庭の剣気、ゲデオンの王族魔法、ヤー
デンの感知領域、シーラの帝国矢、そして彼女の隣に立つファランへつながった。
星座が監房へ到達した。
アレイラは無効化領域を力で引き裂かなかった。抑えきれないほど多くの型を与えた。
標識装置が明滅した。
《均衡》が十四の経路から入った。
一つずつ、捕らえられた工作員たちの下の霜線が起爆核から分離した。監房扉は光を失った。
犠牲機構が周囲で死んでいくのを、捕虜たちは見つめた。現場指揮官ライムが標識装置の背後の暗闇から現れた。
仮面をつけていなかった。
顔は青白く、疲れ、片目の近くに細い傷があった。アレイラが想像していたより若かった。
二十代後半ほどだった。
損傷した装具は腕に残っていた。
彼女は指揮剣を標識核へ当てていた。
「あなたは、きれいな結末を妨害し続ける」とライムは言った。
「自分の人間を爆薬にすることに、きれいなところなんて何もない」
「彼らは条件を受け入れた」
顎を腫らした捕虜がライムを見た。表情の中で何かが変わった。
反乱ではない。
認識だった。
アレイラはそれを見た。
「選択肢があって受け入れたの? それとも、あなたたちの組織が、命は使い切られるときだけ価値があると教えたから?」
ライムの指揮剣が核へより強く押しつけられた。
「この壁の外で何が待っているか、あなたは何も知らない」
「なら教えて」
「断る」
ライムは標識装置を手動起動した。白い光線の中央が深紅へ変わった。
アカデミー全体で、隠されていた気象水晶が中央尖塔へ向きを変えた。
ホワイトアウトは内側へ螺旋を描き始めた。
通信網へシーラの声が入った。
「嵐がレンズを形成している。あの標識が送るものは、空全体を通して増幅される」
今回はデータ抽出が目的ではなかった。アカデミーに印をつけようとしていた。
恒久的な共鳴座標があれば、はるかに巨大な力が結界の正確な弱点を見つけられる。
アレイラはライムを襲った。
最初の衝突で無効化領域が裂けた。
ライムの指揮剣が、《憤怒》をまとったアレイラの腕へ当たった。
霜と黄金が廊下へ爆発した。
ファランは残る工作員たちと交戦し、捕虜や標識装置へ近づけさせなかった。ライムの動きには無駄がなかった。
負傷した腕の装具が、短い防御衝撃を放った。
彼女は低く斬り、回転し、アレイラの護符へ刃を突き出した。アレイラは両手のひらの間で武器を捕らえた。
「護符は《鍵》ではない」
「違う。完成させる生きた共鳴だ」
ライムは刃を手放し、装具をつけた拳で護符を打った。
鎖が切れた。
《聖なる洗礼》の護符が空を飛んだ。ファランが見て動いた。
工作員が彼を遮った。
護符は標識核へ落ちていった。
顎を腫らした捕虜が、開いた監房格子の間から手を伸ばして受け止めた。
一回の鼓動の間、全員が止まった。
ライムが彼を見つめた。
「工作員十二号。プロトコルを完了しろ」
彼は手の中の護符を見てから、足元で死んだ霜線を見た。
アレイラは彼の命を二度救っていた。
彼は拳を閉じた。
「拒否する」
ライムの表情は、それまでのどの戦いより大きく変わった。十二号は護符をファランへ投げた。
ファランが受け止めた。標識装置が叫んだ。
ライムは手動制御を打った。
「なら、護符なしでプロトコルを完了する」
ホワイトアウトのレンズが中央尖塔の上へ焦点を結ぶと、監房天井が裂けた。深紅の雪柱が空へ立ち上がった。
印が形成され始めた。
アレイラは、砕けたアカデミーの階層越しに上を見た。
「全員、尖塔へ」と彼女は言った。「そこで終わらせる」現場指揮官ライムは上昇する嵐へ退いた。
残る自由な工作員たちが続いた。
初めて、捕虜の何人かは続かなかった。
十二号は監房扉に残り、去るアレイラを見た。
「王女」と彼は呼んだ。彼女は振り向いた。
「標識装置には三つの心臓がある。中央だけを壊せば、嵐がアカデミーへ落ちる。先に外側の二つを壊せ」
上の廊下で、ライムが半秒だけ止まった。彼女にも聞こえていた。
その後、ホワイトアウトへ消えた。
アレイラは最後の戦いへ走った。




