第62話:闇に潜む敵――地下迷宮への潜入(第21章・第2部)
拠点の手前で、彼らは居住区を発見した。
隠された施設には、狭い寝台、治療室、厨房、厳格な正確さで並べられたロッカーがあった。
豪華なものは何もなかった。
一時的なものも何もなかった。
工作員たちは日課を築けるほど長い間、アカデミーの地下で暮らしていた。
エタナは治療室を調べた。
使用済みの包帯が洗浄され、再使用のために畳まれていた。薬瓶には数か月前の日付が記されていた。
壁の記録表は、名前ではなく番号だけで負傷を記録していた。
「ここでも、自分たちを任務へ縮めています」と彼女は言った。
キャサリンがロッカーを開き、同じ黒い制服の下に三つの私物を見つけた。
青い家を描いた子どもの絵、押し花にされた黄色い花、手彫りの小さな木製動物。彼女は慎重に扉を閉じた。
「普通の人たち」とジャスミンがささやいた。
「普通の人間でも、恐ろしい仕事を選べる」とシーラは言った。
「それでも人間であり続ける」とアレイラは答えた。その区別は、彼らがさらに奥へ進んでもついてきた。
食卓には金属の杯が十五個置かれていた。一つには、まだ冷えた茶が残っていた。
作戦壁には、アカデミーの授業予定が、修理当番や食事配達の時刻と並べて掲示されていた。
工作員たちは、生徒がいつ笑うか、衛兵がいつ疲れるか、厨房の担当者がいつ交代するか、雨の後にどの廊下が混むかを学んでいた。
ベネディクトはすべての地図を記録した。
「ウィンターグラスは指揮所だけではない。僕たちの習慣の模型だ」ファランが、利用可能な圧力点の一覧を見つけた。
キャサリンの衝動性、ロニンの追跡本能、負傷者を見捨てられないエタナ、アレイラを守ろうとするファラン、捕縛より民間人の安全を選ぶアレイラ。
どの観察も、完全な誤りではなかった。
だから危険だった。
アレイラは一覧を手に取った。
「私たちは自分のこういう部分を消さない。誰かが利用しているときを学ぶ」
壁の向こうで、低い警報が鳴り始めた。
居住区から隠し側道へ人影が消えた。
前方で、統制された波のような足音が動いた。そして通路は、巨大な地下拠点へ開いた。
その空間は、アカデミーの闘技場より大きい放棄貯水槽の内部に造られていた。中央塔の周囲に、金属足場が何段にも立ち上がっていた。
列をなす画面には、不可能な角度からアカデミーが映っていた。
寮の窓、教室廊下、結界節点、橋の経路、さらにはファランが回復した治療棟まで。下の各端末では、数十人の普通の工作員が作業していた。
《フロストバウンド・クワイア》はいない。
ソヴリンはいない。
超自然の軍隊もいない。
いるのは、訓練された人間の工作員、技術者、医療担当、斥候、武装衛兵だけだった。
その普通の規模こそが、侵入をさらに恐ろしくした。 アカデミーを訪れたのは、数人の侵入者ではなかった。一つの組織が、アカデミーを研究していたのだ。
警報が鳴った。
すべての画面が白くなった。
現場指揮官ライムが、新しい黒い装具と、口元を露出した半面仮面をつけ、中央足場に現れた。
「ウィンターグラス侵害」と彼女は告げた。「ホワイトアウト・プロトコルを開始。回収可能な情報をすべて除去。北側接近路を崩壊させろ」
工作員たちは即座に、規律正しく動いた。技術者たちは端末から水晶核を抜いた。
衛兵たちは射撃線を形成した。
貯水槽の壁に沿って、氷結爆薬が起動した。ベネディクトが上を見た。
「この室を崩せば、衝撃は古い水道系を通り、アカデミーの基礎へ届く」
「どれくらい?」とアレイラが聞いた。
「数分」
ライムは分節杖を掲げた。それは今や、より短い黒の指揮剣に置き換えられていた。
「壁の後ろに残っているべきだった、王女」アレイラは最寄りの足場へ踏み出した。
エンクレイヴが彼女の周囲に形成された。
「あなたたちこそ、私たちの家へ入るのをやめるべきだった」
ライムが刃を下ろした。拠点全体が攻撃した。
氷結銃火が青白い線となって貯水槽を横切った。ジャンプリートとメリザンドが多層結界を掲げた。着弾のたびに足場が揺れた。
キャサリンとラファイエットは外向きに風壁を放ち、第二斉射を水へ曲げた。ロニン、ヴィットリオ、ネスター、ザフィーラは平行する歩廊を突撃した。
工作員たちは組織された分隊で迎え撃った。
剣気が氷結警棒と衝突した。黒いケーブルが空中で鳴った。
狭い足場では、一歩ごとに四十フィート下の暗い貯水槽へ落ちる危険があった。
シーラが中央塔へ矢を放った。ライムは指揮剣で弾いた。
矢は背後の画面を壊した。
ゲデオンとオズリックは、ベネディクトが崩壊制御を探す間、彼を守った。ジャスミンとエタナは、結界柱の陰に移動式治療地点を設けた。
アレイラとファランは、最初に起動された爆薬へ向けて進んだ。二人の工作員が歩廊を塞いだ。
一人は重い氷結盾を持ち、もう一人はその肩越しに発砲した。ファランは飛来弾の下に力場の坂を築いた。
アレイラはその上を走り、盾を飛び越え、銃を打ち払った。同じ瞬間、ファランが正面から盾を打った。
守備者たちは衝突し、倒れた。アレイラは爆薬へ到達した。
表示は五分のカウントダウンを示していた。
「爆薬は九つ」とベネディクトが叫んだ。「すべて連結されている。順番を外して停止させれば、ほかが加速する」
「なら順番を見つけて!」
拠点の照明が白から深紅へ変わった。
中央足場で、ライムが黒い水晶核を塔へ接続した。
すべての観測画面が上方へ送信を始めた。
アカデミーへではない。
その向こうへ。
「ウィンターグラスの全記録を送っている!」とジャンプリートが叫んだ。エンクレイヴには今、二つの不可能な目標があった。
崩壊を止め、送信も止める。アレイラは友人たちを見た。
「両方やる」
ベネディクトは最寄りの爆薬表示の横へ片膝をついた。その頭上の結界へ氷結弾が当たり続けた。
九つの時限表示は、それぞれわずかに異なる速さで脈打っていた。足場が動くたび、一つの数字が進み、別の数字が遅くなった。
「順番は装置に保存されていない」と彼は言った。「拠点そのものが生成している」
ヤーデンは金属歩廊へ手のひらを当てた。
「支柱が九つの別々の振動を運んでいる。一つがほかより先に始まる」
「特定できる?」
「全員が動いている間は無理だ」
アレイラはウィンターグラス全体を見た。工作員が階層間を走る。
足場が回る。
水が下部門を打つ。
拠点全体が、活動の中へ自分のリズムを隠すよう設計されていた。
「なら、一瞬の静止を作る」
キャサリンが笑いのない声で言った。
「この真ん中で?」
「一回の鼓動で十分」
命令がエンクレイヴを巡った。
ロニンとヴィットリオは西歩廊を塞ぐ分隊に刃を組み合わせ、防御で止まった。ネスターとザフィーラは打撃ではなく踏ん張りを選んだ。
シーラは矢を最大まで引いたまま止めた。
ジャンプリートとメリザンドは次の銃撃を受け止め、反撃しなかった。ファランさえも、塔への前進を止めた。
一回の鼓動の間、十四人の友は混沌の中の静止点となった。
工作員たちは動き続けた。




