第56話:崩壊する学園と黄金の道(第19章・第2部)
落下中の杯が床へ当たり、水が跳ねた。
怯えた三人の患者が目を開き、自分たちを囲むエンクレイヴを見た。
五つ目の節点はアカデミー厨房内へ設置され、包丁、鍋、沸騰水が別々の重力場へ浮かんでいた。キャサリンとラファイエットは、すべての危険物を一つの回転球へ集める、制御渦を作った。
オズリックは頭上でそれを支えながら、緊急軽食を頼んだ時、想像していたものとは違うと文句を言った。
六つ目の節点は、彫像の間で工作員に守られていた。各彫像が別の方向へ回され、回廊を石の顔と偽の影の迷路へ変えている。
ロニンとヴィットリオは視界なしに進み、互いの足音を時機として使った。刃は何度も数インチ以内で交差したが、一度も触れなかった。
七つ目の節点はアカデミーの外、切り離された中庭の空の断片へ吊られていた。
シーラは、三つの回転する窓を通して矢を撃った。ジャンプリートが障壁内で矢を受け、角度を変えた。メリザンドが第二障壁から放した。
矢は節点の背後へ当たった。
八つ目は一年生寮の基礎へ取り付けられていた。中へ閉じ込められた生徒たちは、上の床を叩いて助け、ヤルデンへ位置を伝えた。
九つ目は中央尖塔の下、鍵に最も近い場所へあり、逃げられないことを受け入れた三人の工作員が囲んでいた。
ザフィラは、起動準備の整った死の封印を見た。
「追い詰めれば起動する」
戦いが始まる前に、アレイラは床へ均衡を送り、封印を工作員の心臓から分離した。それからロニン、ヴィットリオ、ネスター、ザフィラが一列となって動いた。
戦いは数秒で終わった。工作員の技能が低いからではない。最後の武器が、すでに取り除かれていたからだ。
九つ目の節点が壊れた。
さらに多くのアカデミーが戻った。
崩壊の中心で、アレイラとファランはオーロラの鍵へ到達した。
それは砕けた空間の球内へ浮かび、凝縮された夜明けの光が鋭い光線へ裂けている。反対側には、現場指揮官ライムと、残る二つの走査塔があった。
共鳴表示は八十七パーセント。
「追跡を捨てた」ライムは言った。
「あなたを捕らえるより、人々を選んだ」
アレイラは答えた。
「なら、予想どおり選んだ」 ライムは二つの塔を起動した。鍵が悲鳴を上げた。
音はアレイラの骨へ入った。周囲へ記憶が閃いた。
桜の下のヒトシ。
炎に包まれたリムジン。
新生児のアレイラを抱くオノラ。幼少期の庭園。
ファランとの最初の口づけ。テラスのエンクレイヴ。
鍵は彼女の内側にある、すべての光源へ触れ、どう反応するかを測っていた。
ライムには、完全な出席水晶など最初から必要なかった。鍵そのものが、彼らのためにアレイラを読んでいる。
ファランも理解した。
「あなたを最後の模様として使っている」アレイラは両手を上げた。
「なら、私は測定対象であることをやめる」均衡へ入った。
攻撃ではない。
自分以上の何かへ変わることでもない。
歓喜、憤怒、恐怖、愛、悲嘆、責任を、一つが他を飲み込むことなく存在させた。
聖流は、一つの予測可能な律動を作るのをやめた。
変化する選択によってできた、生きた星座になった。走査表示が震えた。
八十八。七十四。九十一。三十二。
ライムは制御杖を打った。
「優勢模様を固定」
走査塔にはできなかった。
ファランが攻撃した。
精密格子が細い線となって砕けた空間を渡り、ライムを制御部から遠ざけた。彼女は分節杖で防いだ。衝
突のたび、霜の破片が放たれ、浮いている場所で凍った。
アレイラは、その凍った破片を足場にし、二人の間を走った。憤怒をまとった蹴りで、最初の走査塔を砕いた。
ライムはファランの力の刃へ杖を絡め、重心を崩した。空いた手から、小さな矢がアレイラの首へ飛んだ。
ファランが進路へ入った。矢は肩の下へ刺さった。彼は倒れた。
歪みへ漂う前に、アレイラが受け止めた。矢から霜の血管が襟へ広がった。
ライムは最後の走査塔へ向かった。
アレイラは彼女を攻撃したかった。憤怒がすべての鼓動の中で吠えた。
均衡が、先にファランを見るよう促した。
矢の周囲へ金色の光を押し、毒を血流から分離した。エタナは遠すぎる。アレイラには彼女ほどの治癒技能はない。
だが冷気を遅らせることはできた。ファランの目が開いた。
「行って」
「置いていかない」
「置いていくのではない。役に立つための三十秒を、私へ与えるんです」
彼は霜矢を握り、引き抜き、傷の周囲へ力の輪を作った。それから血に濡れた矢を、最後の走査塔へ撃った。
装置が割れた。
アレイラが金色の脈動で攻撃を完成させた。走査は九十四パーセントで失敗した。
現場指揮官ライムは、壊れた装備を見た。
初めて、姿勢へ怒りが入った。靴の下へ脱出円盤を起動した。
「失敗したわ」
上からキャサリンの声がした。
ライムは見上げた。
エンクレイヴは、九つすべての基礎節点を破壊していた。
アカデミーが現実へ弾けるように戻った。
重力が一つの方向を選んだ。
オーロラの部屋は、爆発する力で彼らの周囲へ再構築された。
ライムの脱出円盤は上ではなく横へ飛んだ。二つの障壁枠を突き抜け、部屋の壁へ激突した。
復旧した扉へ警備班が現れた。
ライムは背後へ三つの霜爆薬を投げ、整備縦坑へ走った。ロニンが前へ出かけた。
アレイラは、床へ青白く横たわるファランを見た。今度、ロニンは自分で止まった。
「負傷者を確保する」彼は言った。
霜爆薬が炸裂し、縦坑を封じた。ライムは逃げた。
だがオーロラの鍵は残った。アカデミーも残った。
朝までに、校内は物理的な秩序へ戻った。
感情の損傷は、測るのがもっと難しかった。
生徒は正しい位置にある自室を見つけ、それでも入る前にためらった。教官は、壁になったことのある床を調べた。
鐘は沈黙したままだった。
復旧した部屋は、静かに落ち着かなかった。
別々の方向へ浮いていた破片が、一度に落ちた。壊れた障壁枠が床へ崩れた。上部通路の一部がオーロラの鍵へ落下した。
オズリックが最初に到達した。両足を固定し、金属支持部を肩全体で受け止めた。
ゲデオンが下から王族の力を加え、ジャンプリートとメリザンドが一時天井を再構築した。
「鍵を崩壊場所から動かせ」ヴェイル学長が命じた。
「動かせません」アレイラは言った。
損傷した内輪へ留まり、片手を最後の障壁へ、もう一方をファランの傷へ押し当てていた。
「周囲の部屋を安定させて」




