第52話:夜明けの鍵――学園最古の秘密(第18章・第1部)
日の出前に、アカデミーの鐘はすべて使用停止となった。すべての塔の舌が封印され、通信水晶は一つ残
らず交換された。二本の厳重警備経路を除き、すべての橋が閉じたままだった。
生徒たちは、見た目は変わらず、しかし見えない敵に占拠されたように感じられる校内で目を覚ました。
中央尖塔の遥か地下で、ヴェイル学長はアレイラ、シーラ、ゲデオン、そしてドミナント・レイディアンス・エンクレイヴを、アカデミーそのものより古い円形の保管庫扉へ導いた。
扉が開く間、誰も話さなかった。
向こうには、黒い石と金色の水晶でできた下降室が広がっていた。天体時計の機構のように、何百もの記号が壁の中でゆっくり回転している。
中央には、七つの透明障壁に囲まれ、鍵と槍先を同時に思わせる細い物体が浮かんでいた。
金属ではなかった。
凝縮された夜明けだった。
金、薔薇、淡い青の光が、無音の波となって内部を流れている。一つ一つの脈動は外へ広がり、アカデミーの基礎へ入り、上にある巨大結界網を養っていた。
「オーロラの鍵は調整器だ」ヴェイル学長は言った。
「アカデミー最古の防御を均衡させる。これがなければ、結界が即座に停止するわけではない。不安定になる。無作為に開口部が現れ、廊下同士が折り重なるかもしれない。障壁エネルギーが、人のいる堂内へ放電する可能
性もある」
ベネディクトは七つの障壁を見つめた。
「取り外せますか?」
「安全にはできない」
「複製は?」
シーラが尋ねた。
ヴェイルは彼女を見た。
「一部なら。十分に精密な走査ができれば、共鳴する対抗模様を作れる」
アレイラは、工作員が署名を記録し、通信経路を試し、中央尖塔へ印をつけたことを思った。
「鍵を盗む必要はない。歌い方を学ぶだけでいい」
「そのとおりだ」 ヴェイルは言った。
アカデミーの新命令は即時発効した。鍵の部屋は、すべての通常経路から隔離される。入れるのは学長と上級結界師長だけ。エンクレイヴを含む生徒には、中央尖塔地下へ戻ることを禁じた。
彼らは従った。
一日の大半は。
夕暮れ、最初の偽火災警報が東寮で鳴った。教官たちは三つの階を避難させた後、火がないと分かった。
十分後、下層食堂で医療緊急事態が報告された。次に南側闘技場近くで決闘警報が起動した。
すべての出来事が、警備を中央尖塔からさらに遠くへ引いた。
「対応を引き伸ばしています」
割り当てられた談話室へエンクレイヴが集まる中、ベネディクトが言った。
「衛兵へ伝えましょう」
エタナが答えた。
「もう伝えました」ファランが言った。
「向こうも分かっている」
外では、アカデミーの鐘は沈黙したままだった。それから、すべての鐘が同時に鳴った。
音がおかしい。
青銅ではない。音楽でもない。
激しい金属の悲鳴が校内を切り裂き、窓を震わせるほど高く響いた。生徒たちは耳を覆った。
照明器具が破裂した。
床がアレイラの足元で波打った。
談話室の壁を、天井から床まで霜の線が割った。
「これが本当の攻撃」彼女は言った。
明かりが消えた。
赤い非常ルーンが向こうの廊下を照らした。その光の中、封鎖されているはずの整備階段から黒い外套の工作員が現れ、三人のアカデミー衛兵が後退した。
最初の工作員が回転刃を投げた。衛兵の杖を切断し、頭の横の壁へ突き刺さった。二人目は天井へ霜銃を撃った。支持梁へ氷が広がり、背後の廊下を封じる。
三人目はアレイラを直接見た。白い仮面の口元を、細い深紅の線が横切っている。
「標的集団を発見」
彼は言った。
エンクレイヴが陣形を作った。
銃撃が廊下を満たす中、アレイラは憤怒を上げた。金色の盾へ、ジャンプリートの紫の障壁、メリザンド
の銀の層が重なる。
霜弾が連続して当たり、衝撃のたび、防御へ冷たい亀裂が広がった。
「ここへ釘づけにするつもりだ」ヴィットリオが言った。
「なら、予想された場所へ留まらない」ロニンは答えた。
剣を床へ突き立てる。力の三日月がタイルを割り、破片の壁を立ち上げた。
キャサリンとラファイエットが風で破片を受け止め、回転する遮蔽へ変えた。その後ろで、ファランは精密魔法の線によって側壁へ穴を開いた。
霜爆薬が立っていた廊下を破壊する数秒前、エンクレイヴは隣の講義堂へ移った。講義堂の中には生徒が閉じ込められていた。
ジャスミンとエタナが避難を指揮した。オズリックは落下した梁を持ち上げ、ネスターとザフィラは後方出口から長椅子を取り除いた。
ヤルデンは床へ掌を押し当てた。
「下にも工作員がいる」
彼は言った。
「中央基礎へ向かっている」オーロラの鍵。
アレイラは怯えた生徒たちを見、それから尖塔へ繋がる壁を見た。
「分かれる」
彼女は言った。
「エタナ、ジャスミン、オズリック、ラファイエット。全員を南側安全区へ。ジャンプリートとメリザンドは経路を補強。ゲデオンも一緒に」
ゲデオンが反論しかけた。
「あなたは上級生で、彼らには代替廊下を知る人が必要」
アレイラは言った。
「遠ざけるのではない。命を託している」ゲデオンの顎が固くなった。
それから頷いた。
「全員を連れ戻せ、妹よ」
「そうする」
アレイラ、ファラン、キャサリン、ロニン、ヴィットリオ、ネスター、ザフィラ、ヤルデン、ベネディク
ト、シーラは中央尖塔へ向かった。
アカデミーは、中断された平凡な生活が散らばる戦場になっていた。
大食堂の片側は霜で覆われ、反対側では放置された夕食盆がまだ温かい。寝間着姿の生徒が衛兵の後ろを急ぐ。教官たちは階段や図書室扉の近くで、仮面の工作員と戦っている。
非常障壁が、廊下の中で稲妻のように閃いた。
創設者の間へ到達すると、五人の工作員が上階バルコニーから降りた。
最初の工作員の靴が床へ触れる前に、シーラが迎えた。皇族の光が片手へ弓、もう一方へ刃を形成する。銃を切り裂き、身体を回転させ、刃の平らな部分を仮面へ叩きつけた。
キャサリンは轟く風の漏斗で二人の工作員を階段から吹き飛ばした。一人は像へケーブルを巻き、彼女の方へ戻るよう振れた。
ファランが空中で遮った。衝突によって、像が上げていた石の手が砕けた。
落下する破片の下で、ロニンとヴィットリオが背中合わせに戦った。二つの剣気が眩しいXへ交差し、残る工作員を尖塔扉から遠ざけた。
「ベネディクト!」アレイラが呼んだ。
彼は戦いではなく、工作員の後退を見ていた。
「扉を簡単に譲りすぎています」尖塔入口が内側へ爆発した。
第二班が、すでに下から侵入していた。
エンクレイヴは煙を抜け、中央階段室へ突入した。螺旋階段は、動く金色の記号で満たされた開放縦坑の周囲を下っている。
工作員たちは階段を使わず、黒いケーブルで降下していた。アレイラは欄干を飛び越えた。
「アレイラ!」
ファランが叫んだ。
落下する彼女の周囲へ憤怒が燃え上がる。一本のケーブルを掴み、一人の工作員の下へ振れ、線から蹴り落とした。
ファランも続き、空中へ力の足場を形成した。ロニンとヴィットリオは反対側の壁を下り、速度を制御する刃が石へ火花を散らした。
シーラは飛ばなかった。
下へ矢を放ち、ケーブルを一本ずつ切った。
縦坑は、落ちる工作員、金色の光、黒い鋼線、回転する氷の嵐となった。




