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第47話:深紅の雪片と潜入工作員(第16章・第2部)

教室襲撃前なら過剰に見えた条件の下で、移送が始まった。

各拘束足場を四人の衛兵が囲む。二人の結界師長が先を歩き、すべての出入口を検査した。第三班は囚人ではなく、天井と床へ角度をつけた可搬障壁を持って後ろへ続いた。

アレイラとエンクレイヴは、経路の上にある防護通路から見守った。キャサリンは欄干から身を乗り出した。

「建物の中には、人が隠れられる場所が多すぎる。嫌いだわ」

「人間は建物の中へ隠れられない」オズリックが言った。

隣の壁面板が、音を立てて開いた。

全員が振り向いた。

掃除用の刷毛と桶を運ぶ整備用自動人形が、ころころと出てきた。キャサリンはオズリックを見つめた。

「発言を撤回する」彼は言った。

冗談の瞬間は、移送廊下の明かりが順番に点滅した時、終わった。

一。三。二。五。

ベネディクトの顔が鋭くなった。

「独房と同じ間隔模様です」

囚人は叩くのをやめている。だが別の何かが、合図を続けていた。

ヤルデンは目を閉じた。

「東側アーチの上。小さな振動。機械」

ロニンとヴィットリオが同時に動いた。ロニンは浅い剣傷を足場にして壁を登った。ヴィットリオは、細い銀の弧をアーチの継ぎ目へ放った。

石の装飾縁の裏から、黒い円盤が落ちた。床へ当たる前に開く。霜の鋼線が、最寄りの拘束足場へ飛んだ。

ファランが力の輪で囲んだが、鋼線は六本の細い糸へ分かれ、衛兵たちへ曲がった。

アレイラは、制御された波となって憤怒を放った。金色の光が六本すべてを同時に打ち、間にいる人々へ触れることなく、廊下の壁へ縫い止めた。

シーラの矢が黒い円盤を砕いた。

拘束された女は、破片が落ちるのを見た。顔は落ち着いたままだが、肩がほんの僅か下がった。


「遠隔予備策」

ベネディクトは言った。

「三人目の工作員が逃げる前に設置した。独房からの合図が起動させた」

「囚人を救い出そうとしたのか?」ゲデオンが尋ねた。

ファランは霜の鋼線を調べた。

「いいえ。糸は拘束封印と衛兵の手を狙っている。混乱、負傷、そして隙を作ったはずだ。解放は、起こり得る結果の一つにすぎない」

アレイラは囚人たちを見た。

彼らの任務は、囚人を回収する、殺す、あるいは陽動として使う準備をしていた。どの結果がまだ役立つかだけで、判断するつもりだった。

ヴェイル学長は経路をもう一度変えた。囚人は今後、一緒に移動せず、同じ階へ置かれず、連続した石で繋がる表面を通ることもない。

移送班は車輪を浮遊枠へ交換し、地面を通して振動が伝わらないようにした。足場が動く前に、教室の工作員が、捕縛後初めて言葉を発した。

「適応が速い」

声は普通だった。

だからこそ、その言葉はさらに冷たかった。

ヴェイルは部屋へ入らなかった。

「おまえたちは学校へ入り、子供たちを襲った。我々が抑制していることを、経験不足と取り違えるな」工作員は学長越しに、アレイラを見た。

「模様はすでに記録された」

ファランの手が脇で固くなった。

アレイラは、囚人が期待する怒りを与えなかった。

「不完全な模様は、人間ではない」初めて、彼の目が細くなった。

アカデミーの魔導技師たちは、押収した学校用紙をもう一度調べた。普通の光では、紙は白紙だった。オーロラ光域の下で、紙繊維の内部へ淡い圧痕が現れた。

配送経路。清掃交代。教室変更。

生徒が教官から離れる瞬間を囲む、小さな円。


情報は、一つの劇的な侵入で盗まれたのではない。数週間の観察を通して集められ、一つの武器へ組み上

げられた。

ベネディクトは経路を新しい地図へ写した。

「彼らは私たちの習慣を知っている。アカデミーを生活不可能な場所にせず、隙を作る習慣を変える必要があります」

「時間割を交代制にする」メリザンドが言った。

「整備確認を無作為化する」

「移動制限時間には、生徒へ護衛をつける」

ジャスミンが加えた。

キャサリンは腕を組んだ。

「それから、怪しい掃除桶を攻撃する許可」

「駄目です」

エタナが言った。

「厳しく質問する許可は?」

「それも駄目です」

アレイラは観察ガラス越しに、捕らえられた工作員を見た。

「信頼を壊すことではなく、注意を払うことで平凡な生活を守る。工作員は、日常が私たちを盲目にすると信じたから利用した。全員を互いに怖がらせず、それが間違いだと証明する」

ヴェイルが命令を出した。減衰器が上がった。別々の階で異なる障壁扉が開き、それぞれ違う安全経路へ繋がった。拘束足場が動き始めた。

アカデミーは独房を別々の階へ分けた。囚人が運ばれる間、ファランはアレイラのそばへ残った。

「これが、彼女が力より先に送るものです」

彼は静かに言った。

「見えなくなる訓練を受けた人々」

アレイラはシンスケ、日本の学校廊下、畳んだ布を運ぶ宮殿の使用人、疑うことなく通り過ぎたすべての普通の人々を思った。

工作員たちに、日常という考えそのものを毒させることを拒んだ。

「なら、全員を敵として扱わず、もっと明瞭に見ることを学ぶ」彼女は言った。

「そうしなければ、失敗した時でさえ、彼らはアカデミーを変える」

その晩、エンクレイヴは損傷した教室へ集まった。壊れた机は取り除かれていたが、床にはひびが残って

いる。

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