第42話:迫り来る氷の主権者(第14章・第3部)
ファランは彼女を自分へ向けた。顔へ恐怖があるにもかかわらず、手は優しかった。
「何が来ても、私はあなたと立つ。全員がそうする。でも、今夜で準備ができたと証明されたふりはしない。なぜ準備しなければならないのかを証明しただけです」
アレイラは、エンクレイヴの一人ひとりの顔を順番に見た。命と未来を預ける顔を。それから、蝕が今も見守り、待っている、暗い北の地平線へ戻った。
「なら、立つ」
アレイラは言った。
「一緒に。そして私たちと彼らの間へ、まだどれほどの距離があるかを正直に認める。その距離を、私たちは縮める」
雲の遥か上、クリムゾン・ウィンター尖塔の中心で、クセニア・モロズクロフスキーは柔らかく笑った。深い水の上で氷が割れるような音だった。飢えた喜びの期待を目へ満たし、他の八人のソヴリンへ向き直る。
「挨拶は届けられました」
背後の影へ告げた。
「さあ、希望が彼らを研ぎ澄ますか、それとも壊すか、見てみましょう」蝕は、もう噂ではなかった。
彼らを直接見た。
最初の学年は、誰一人として一人では戦う準備ができていない戦争の始まりとなった。
クセニア・モロズクロフスキーが姿を見せた夜は、警報がようやく止まっても終わらなかった。
北側結界が安定し、厳しい顔の上級生対応班が持ち場へ戻ってからも、ドミナント・レイディアンス・エンクレイヴは観察テラスに残った。帰ろうと提案する者はいない。誰にもできなかった。
冷たい存在は今も世界の縁へ、第二の、さらに暗い空のように残り、遠方から微笑む白髪のソヴリンの姿は、そこにいる全員の心へ焼きついていた。
アレイラは長い間、欄干へ立っていた。金色の聖流は、消えかけた熾火のように指の周囲で微かに明滅している。
ファランは一度も離れなかった。彼の手は彼女の手を包み続け、親指が、地へ繋ぎ止めるような遅い円を、指の付け根へ描いていた。
背後では、残りのエンクレイヴが静かな防護半円を作っていた。キャサリンの普段の明るさは完全に消
え、ロニンの剣は今も半分抜かれ、ヴィットリオの姿勢は準備のため硬く、エタナの優しい顔は青ざめながらも決然としている。他の全員も、地平線が今にも再び裂けるかのように見つめていた。
やがてアレイラは、冷たい夜気の中へ、低いが明瞭な声を出した。
「あれは挨拶だった」アレイラは言った。
「結界を越えて私の心へ届き、望む時に去れると、私へ知らせたかった」
ファランの握りが強くなった。
「なら、次に戻ってきた時、こちらへ目を向けたことを後悔させる」
キャサリンが一歩前へ出た。目が燃えている。
「あんなものに対して、私たちは準備できていない。まだ。でも、できるようになる。ならなければいけない」
ロニンの声は鉄だった。
「明日から、戦場連携、救急医療、撤退手順、結界支援を始める。攻撃する訓練しか増やさないなら、訓練を厳しくしても意味はない」
同意がエンクレイヴを巡った。
圧倒的な力を一目見たことで、彼らが恐れ知らずの英雄へ鍛えられたわけではない。もっと真剣な生徒にならざるを得なくなった。
アレイラは欄干から向き直った。聖流が柔らかく上がった。優越を宣言するためではない。感じている責任を、目に見える形で示すものとして。
「私が感じたものは、この壁の中の何より古く、強かった」
彼女は言った。
「もしクセニアが今夜、本気で完全な侵入を望んでいたなら、アカデミーが止められたか分からない。勇敢な気分になるために、嘘はつかない」
恐怖と、折れない決意の両方を目へ輝かせ、一人ずつ見た。
「どれほど時間があるか分からない。でも、最初の週に出会った人間と、今の私たちが同じではないことは分かる。学べる。備えられる。恐怖に、自分たちが何になるかを決めさせないことができる」
ファランは繋いだ手を上げ、他の全員の前で彼女の指へ口づけた。その仕草は演技ではない。愛するものが脅かされ得ると認め、それでも公然と愛する価値があると示すものだった。
「なら、一緒に守る」
もう隠そうとしない感情によって、声をかすれさせながら彼は言った。
「全員で。最後の光まで。彼女にあなたを奪わせない。誰にも、私たちの築いたものを奪わせない」静かで一つになった同意が、誓いのようにエンクレイヴから上がった。
彼らは夜明けまで残った。眠らないことが強さを与えるからではない。冷気がまだ結界の向こうへ残っている間、誰も離れる準備ができなかったからだった。
眠れない夜にもかかわらず、最初の緊急訓練は日の出とともに始まった。
ロニンは、一つの英雄的陣形ではなく、エンクレイヴを交代制の班へ分けた。エタナは圧迫止血と魔力衝撃への応急処置を教えた。ベネディクトは撤退経路を割り当て、全員へ代替路を二つ暗記させた。メリザンドとジャン
プリートは、制御されていない力を流し込まずに損傷結界を補強する方法を実演した。キャサリンは、怯えた模擬民間人を動かし続けながら、災害へ大声で侮辱を浴びせ、混乱そのものを恥ずかし
がらせることに、驚くほど優れていると判明した。
アレイラは最後に、最も難しい課題を練習した。
他の誰かが対応を指揮する間、第二線へ留まること。
その演習は、身体にあるすべての保護本能を抗議させた。二度、持ち場を破った。三度目、負傷人形をファランとザフィラが運び出せると信じ、彼らが渡るために必要な結界の安定へ集中した。
誰も、その結果を栄光として褒めなかった。間違いを記録し、部屋を初期状態へ戻し、繰り返した。
正午までには、疲労が演説を剥ぎ取っていた。彼らは訓練堂で、揃っていない盆から食べ、避難記号と、ゲデオンの緊急軽食原則を正式採用すべきかについて言い争った。
普通の笑いが、断片となって戻った。
その笑いは、ソヴリンの脅威を否定しなかった。
脅威がまだ、彼らの人生のすべてを所有してはいないと証明した。




