第41話:迫り来る氷の主権者(第14章・第2部)
「まだ侵入しようとしているわけではない。反応時間、圧力点、そして、おそらく特定の存在が答えるか
どうかを測っている」
ベネディクトは眼鏡を直した。
「なら、その探りは情報戦でもあります。本当の攻撃前に、こちらを疲労させるか、能力を明かさせようとしている」
キャサリンは、激しい目のまま、卓へ軽く手を叩きつけた。
「なら、簡単な獲物じゃないと見せる。エンクレイヴは折れないと見せるのよ」ファランの手が卓上のアレイラの手を覆った。温かく、堅固だった。
「一緒にいる。鋭さを保つ。そして、もしあの結界を越えてくるなら……このアカデミーへ目を向けたことを後悔させる」
アレイラは卓を見回した。古代から続く聖流と、仲間たちが普通の努力によって築いた信頼が、共に落ち着いた。どちらも彼女を恐れ知らずにはしない。
二つが揃うことで、恐怖を生き延びられるものにした。
「ええ」
彼女は明瞭に言った。
「そうする」
雲の遥か上、クリムゾン・ウィンター尖塔の中心で、クセニア・モロズクロフスキーは、生きた氷と血赤色の水晶の窓から、ついに身体を離した。暗い深紅の目は、冷たく喜びに満ちた期待を輝かせ、他の八人のソヴリンが
待つ深い影へ向き直った。
「小さな火花が、ようやく私たちへきちんと気づいた」鋼を覆う絹のような声で、彼女は告げた。
「なんて嬉しいことでしょう。周りへ、なかなか興味深い光の集まりを作った。小さな王女と、新しいエンクレイヴへ、蝕から正式な挨拶を贈りましょうか?」
影たちは、飢えた同意を示して動いた。
地平線の蝕は、本格的に動き始めていた。蝕からの挨拶が、近づいていた。
その探りは、無視できないものになった。
三夜後、北側結界が不自然な光の中で爆発した。生きている者の記憶にある限り初めて、非常警報が校内を駆け巡った。教官たちは生徒を防護された内部へ向かわせ、高度対応班は北へ殺到した。
倒れる前に、ファランがアレイラを受け止めた。両腕が彼女を強く抱えた。
「アレイラ! 話してください!」
「来ている」
純粋な金色の聖流が本能的な防御となり、両手と腕の周囲へ爆発する中、彼女は息を詰まらせて言った。
「完全な侵攻ではない……でも、十分近い。今度は本当の力で結界を試している。本物のソヴリン級の力
で」
エンクレイヴは避難経路に従い、第二障壁内の承認された観察テラスへ到達した。そこからなら、対応班の邪魔をせず、外側結界を見ることができた。
そして、恐ろしく完璧な、ほんの一瞬。
歪みの中心が、幕のように左右へ開いた。
その歪みの中に、一人の女が立っていた。背が高く、白髪で、あり得ないほど平静。深紅の目が、遠い距離を焼き抜いている。その存在は、第二障壁を震わせるほどの力を運んでいた。
クセニア・モロズクロフスキー。
クリムゾン・ウィンター・ソヴリン。九人の第一位。
彼女は、数マイルに及ぶ結界と夜を越え、全員をはっきり見ているかのように微笑んだ。
『見つけましたよ、小さな火花』
親密で冷たい声が、アレイラの心へ直接入った。
『なんて決意に満ちた光を集めたのでしょう。蝕の神が気づきました。もっと明るくなりなさい。私たちの出会いが、あまりにも早く終わっては残念ですから』
歪みが潰れた。
アカデミーが応答する前に、攻撃は終わった。侵入はない。ただ、損傷した結界、疲れ果てた防衛者、そして敵が止める時を自分で選んだという確信だけが残った。
深く、耳の奥で鳴り続けるような沈黙が、観察テラスへ落ちた。
アレイラは、聖流を周囲で燃え上がらせ、欄干へ立っていた。ファランが手を握っている。背後でエンクレイヴは備えていたが、その夜、一人のソヴリンへ挑めることと備えていることを、誰も混同しなかった。
長い間、誰も話さなかった。聞こえるのは風と、遠くで消えていく警報だけだった。
ついにアレイラの声が夜を切った。揺るがず、明瞭で、転生以来、自分がなったすべての重みを帯びていた。
「あれは九人の一人」アレイラは言った。
「私の名前を知っている。この集団が私にとって大切だと知っている。つまり、私たちの絆は力であり……標的でもある」
ロニンは握りを強めた。
「なら、準備が本物になる。混乱じゃない。大言壮語でもない。本当の仕事だ」キャサリンの目は、守る炎を燃やしていた。
「逃げない。彼女からも。他の誰からも」




