第38話:崩壊する闘技場――宿敵への救いの手(第13章・第2部)
シーラ・クイエンはゆっくり立ち上がった。伝説的な完璧な平静が、そこにいた誰も今まで目撃したことがないほど崩れていた。長い茶色の髪は乱れ、頬には細い傷がある。制服には埃と残留魔力が付着していた。
彼女はアレイラを見た。
本当に見た。
その表情は、驚き、信じられないという感情、冷たい計算、そして本物の敬意にほとんど、ほとんど見える何かを、次々と映した。
「……そんなことをする必要はなかった」
シーラは言った。いつもの磨かれた声を失うと、若く聞こえた。
「私があなたへしたことを考えれば、事故に競争相手を排除させるのは簡単だったでしょう」
「私は、人が死ぬのを見捨てない」
アレイラは答えた。
「味方も。競争相手も。あなたも」
長く引き伸ばされた一瞬、シーラは何も言わなかった。闘技場全体が、彼女とともに息を止めたようだった。
それからゆっくり、人前で常にまとってきた、得意げで優越した仮面が、もっと複雑で、もっと人間らしく、はるかに本物の何かへ和らいだ。
「あなたを見誤っていました、キアロスクーロ」
シーラは言った。誇りが、その認める言葉を難しくした。だからこそ、人前で明瞭に口にしたことへ意味があった。
「これが起きなかったふりはしません」
彼女は向きを変え、鋭い仕草で、動揺しているが無傷の護衛をまとめると、それ以上何も言わずに立ち去った。
だが闘技場を出る直前、肩越しにアレイラへ向けた視線は、もう冷たい軽蔑でも、皇族としての優越でもなかった。
まったく別の何かの始まりだった。
その夜、私設図書室の一つで起きたことを整理するエンクレイヴは、普段より静かで思慮深かった。ファランは長椅子でアレイラのすぐ近くへ座り、温かく揺るがない手で彼女の手を包み、親指で指の付け根を優しく撫でて
いた。
「重傷を負っていたかもしれない」真剣な目で、柔らかく彼は言った。
「それどころか、もっとひどいことも。あの空間崩壊は冗談ではありません」
「分かっている」
アレイラは答え、少し彼の肩へ寄りかかった。
「でも、あそこへ置き去りにはできなかった。あんな形では。私なら届くのに」
キャサリンは疲れながらも、本物の誇りを込めて笑った。
「あなたは今、皇帝の娘を……少なくとも公然の敵ではない何かへ変えたのよ。とても大きい。盤面が変わる」
ロニンは鋭く承認するように一度頷いた。
「それに、正しいことだった。それが一番重要だ。あいつらが強いようとしても、俺たちはあいつらにはならない」
アレイラは、自分の人々を見回した。アカデミー内の争いは終わっておらず、壁の外にある遠い冷気も残っている。だが圧力へどう答えるかは、目に見えるものになっていた。
有利不利を計算する前に、命を守る。
違う種類の光が、シーラへ届いた。一晩で彼女を変えるほどではない。だが軽蔑を、何も変わらないまま保つことを不可能にするには十分だった。
シーラ・クイエンは、考え直し始めていた。
エンクレイヴは、選択に危険が伴う時、自分たちが誰になることを選ぶかを証明した。
闘技場事故の余波は、どんな噂より速くグランド・アルカナム・アカデミー全体へ広がった。
朝までに、アカデミーは本質的な真実を知っていた。アレイラは、自分へほとんど好意を示さなかった競争相手を救うため、崩壊する空間場を渡った。噂は光景を誇張したが、その中心にある判断を消すことはできなかった
。
侯爵家後継者の派閥は慎重になった。妨害は減った。エンクレイヴが分裂すると思っていた生徒たちは、危険の中でも原則を保つ集団を考慮しなければならなくなった。
シーラ自身は、すぐに友人や味方になったわけではない。今も完全な皇族の誇りをまとい、主に自分が慎重に選んだ輪の中で行動した。
だが二日後、人の多い中庭で再び道が交わった時、冷たい軽蔑でアレイラを透かして見ることも、その向こうを見ることもしなかった。代わりに直接目を合わせ、ほとんど気づかないほど小さいが、明確な認識の頷きを送っ
た。
まだ温かさではない。友情でもない。
声に出した休戦ですらない。
だが、もう敵意ではなかった。
グランド・アルカナム・アカデミーの複雑な社交世界では、その一つの変化は途方もなく大きかった。
エンクレイヴは、その変化を、全員で安堵の息を吐く感覚として受け取った。新たな決意と、抑えた誇りも混じっていた。
「一つの判断が盤面を変えた」
ベネディクトは言った。




