↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/72

第3話:忘れた宿題が変えた運命(第1章・第3部)

ゼンとワカナは互いを慰めようとした。カズトは巨大な自室へ閉じこもり、炎と、弟へ近づくことを阻

んだ警察官たちの記憶に苦しめられた。

カズエは、教室で知らせを聞いた瞬間を覚えていた。テレビ放送が授業を中断し、その発表が彼女の心を凍りつかせた。

「いや……そんなはずない!」

彼女は廊下へ飛び出した。反対側から、ホノカがすでに彼女へ向かって走ってきていた。姉妹は抱き合うようにぶつかり、教師たちが涙を浮かべて見守る中、抑えきれずに泣いた。その後、専属運転手のマサコが、二人を優

しく家へ送り届けた。

屋敷の別の場所では、シンスケが事故の詳細をすべてゼンとワカナへ説明していた。彼は拳を握りしめた。

「どうして私は、あれほど何も見えていなかったんだ……? くそっ!」ゼンは彼の肩へ手を置いた。「お前のせいじゃない、シンスケ」

ワカナも静かに同意した。

その後、ゼンは一族が所有していた残りの古いリムジンをすべて永久に廃車とし、より新しく安全な車種へ交換するよう命じた。異議を唱える運転手は一人もいなかった。

その夜、家族全員が巨大なファミリールームに集まった。一人一人が、それぞれ異なる方法で祈った。いつの日か痛みが和らぐことを祈った。ヒトシの魂が安らぎを見つけたことを祈った。そして、彼が今どこにいるとして

も、素晴らしい新しい人生を生きられるよう祈った。

その夜遅く、眠りに落ちる直前、ゼンは天井を見上げた。 ヒトシ……どうか新しい人生を楽しんでくれ、私の息子よ。エネルギーの虚無

しばらくして……暗闇。静寂。きらめくエネルギーの果てしない海が、あらゆる方向へ広がっていた。

前触れもなく――ヒトシの目が見開かれた。

「ダアアアアッ!!!!!!! ハァ……ハァ……ハァ……」

彼は狂ったように息をしながら、周囲を見回した。「ハァ……な、何だ……? ここはどこだ?

何が起きてる……何が起きてるんだあああああああああああああああああああああああ?!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

数え切れないほどの謎めいた声が、彼の上、下、そして全方向から同時に答えた。恐怖が彼を圧倒した。

「誰だ?! 誰だ?! 誰だ?! 誰なんだ?!!!!!!!」


顔が赤くなった。恐慌に飲み込まれ、首の血管が浮き上がった。

「今すぐ……答えろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

声たちは落ち着いたままだった。「あなたは、短い間このエネルギーの虚無に留まる者として選ばれました」

ヒトシは暗闇を見つめた。恐怖が怒りへ変わった。

「なぜだ?! どうして俺なんだ?! 地球にいる何十億もの人間の中で……どうして俺なんだあああああああああああああ?!!!!!!!!!」

「どうか心配しないでください」と声たちは言った。「あなたに悪いことは何も起こりません。あなたのご家族全員の祈りは聞き届けられました。あなたが想像できるものより、はるかに偉大な何かが待っています」

ヒトシは拳を握りしめた。「何を言おうとしてるのかは聞こえてる……でも、俺はどうなるんだ? そもそも、どうやってここへ来た? 何一つ分からない……何もかもだ!!!」

声たちは一斉に答えた。「あなたは、あの悲劇的な事故で亡くなりました。だから、ここにいるのです。存在するあらゆる人々の中から、あなたは極めて稀な何かのために選ばれました。ご家族は、あなたに

とって最善のものだけを願いました。世界中の人々さえも、あなたには他の人とは異なる特別な何かがあると感じていました」

ヒトシは凍りついた。

「俺は……死んだのか……?」

呼吸がさらに重くなった。そして、別の事実に気づいた。

「待て……あの夢は、このことを俺に伝えようとしてたのか?!」

怒りが爆発した。身体がこわばり、その存在感が恐ろしいものへ変わった。

「できるものなら……てめえらの頭に文字どおり穴をぶち開けて、肉の塊になるまで殴り潰してやる、このクソどもがあああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!」

ほとんど瞬時に、怒りが心配へ変わった。

「それと……うちの専属運転手の一人、シンスケは無事なのか?! もしお前らが――」

声たちが遮った。「はい……シンスケは生き延びました。爆発で大きな衝撃を受けましたが、身体に害はありません。望むのであれば、事故の後に起きたすべてをお見せできます」

ヒトシはためらわなかった。


「そうしろ!! 今すぐ……見せろおおおおおおお!!!!!!」

虚無がきらめいた。純粋なエネルギーでできた巨大なスクリーンが、彼の前に形成された。

「これから目にするものを、どうか恐れないでください」と声たちは警告した。「苦しい瞬間もあります……しかし最後には……状況は良くなります」

ヒトシはゆっくりと息を吸った。「分かった……全部、見せてくれ」

彼は事故、家族の悲しみ、カズトの崩壊、ワカナの精神的な崩壊、葬儀、祈り、そして自分の死後に皆が背負った苦しみを見た。映像が消えたとき、彼の顔は涙に覆われていた。

「うわ……これは……あまりにも重かった。でも……最後には少し良くなったんだな……お前たちが言ったとおりに」

彼は暗闇へ目を向けた。「じゃあ……教えてくれ……俺の新しい人生は、どうなるんだ?」

声たちは答えた。「心配しないでください。間もなく……あなたは新たに生まれ変わった存在となります。特別な新しい世界へ転生するのです。さようなら……もし私たちと話したいと願うことがあれば、夢の中で再び会う

でしょう……そして間もなく……聖なるオン――」

すべての声が消えた。

「待て!! 転生だと?! 戻ってこい!!!!」

虚無の構造が、彼の周囲でねじれた。目に見えない力が身体をつかみ、変貌させ始めた。姿は引き伸ばされ、ばらばらに砕かれ、不自然な圧力の波の中で再構築された。その過程は、自分を形作る一つ一つが一つの存在から

引き裂かれ、別の存在へ無理やり押し込まれていくかのようだった。

「ハァ……ハァ……ハァ、ハァ、ハァ……俺に何が起きてるんだああああああああああああああああああああああああああああ?!!!!!!!!!!!」

別世界とのつながりが、彼を前方へ引きずった。もはや身体は自分の支配下になかった。

「神様!! 神様!! 神様、お願いだ、助けてくれ!! 神様、助けて!! 助けてくれええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!」

そして、すべてが消えた。完全な暗闇。完全な静寂。

温かく、優しく、神聖な声が彼へ届いた。

「大丈夫です。どうか落ち着いてください。すべて、きっと大丈夫になります」遠くから、一人の女性の切迫した声がゆっくりと浮かび上がった。

「いきんでください、陛下! いきんで!」


別の女性が痛みに叫んだ。「あっ……あああああ……あああああああああああ!!!!」

さらに多くの声が加わった。

「できますよ!」

一人の男――王家の主治医――が叫んだ。「もう少しです! もう少し! いきんで! いきんで!いきんで! いきんでえええええええええ!!!!」

王妃は最後にもう一度、叫び声を上げた。

「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」そして、新生児の泣き声が王室の産室を満たした。

部屋は次第に静けさを取り戻した。王家の侍女が、王のもとへ急いだ。

「陛下……どうかこちらへ。お子様がお生まれになりました」

王は王子や王女たちと共に入室した。疲れ切った王妃へ愛情深い眼差しを向け、尋ねた。「この子を、何と名づけようか?」

王妃は微笑んだ。

「アレイラ……アレイラ・キアロスクーロ」

その瞬間、ヒトシ・コウタリの以前の人生は終わった。

新しい名は、アレイラ・キアロスクーロ。

彼は、並外れた種族、壮麗な魔法、広大な王国、帝国の王朝、王族、貴族の家々、そして果てしない可能性に満ちた、驚異の世界へ生まれ変わった。

最初の人生は終わった。二度目の人生は、まだ始まったばかりだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。